9月8日に行われたAppleイベント「Far Out」では、新たに「iPhone 14」シリーズが発表されました。そこで、通常モデルのiPhone 14について購入を検討する場合に抑えておきたいポイントをチェックしてみましょう。
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「iPhone 14」の通常モデルが「買い」ではない3つの理由
まず、キホンのキとして……「iPhone 14」は前モデルから外観の形状や画面サイズに変更はありませんでした。また、ドル建ての価格も同じです。
◇ 【1】「iPhone 14」のSoCはグラフィックの進化中心
iPhone 14は例年のアップデートサイクルから外れ、チップ(SoC)に「A15 Bionic」を引き続き搭載しています。ただしこれは「iPhone 13 Pro」に搭載された、5コアGPUを搭載し、よりグラフィック性能が強力なチップです。
インカメラ・リアカメラなどは若干強化されましたが、かなりマイナーなアップデートであることには間違いありません。少なくとも、iPhone 13ユーザーに買い替えを促すほどのものではないでしょう。
◇ 【2】「iPhone 14」はLightningポートを引き続き搭載
「iPhone 14」シリーズは、Lightningポートを引き続き搭載しています。これはいつも通りのことですが、著名アナリストのミンチー・クオ氏は「2023年の新型iPhoneはLightningポートを捨て、USB-Cポートに変更される」と主張しています。
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My latest survey indicates that 2H23 new iPhone will abandon Lightning port and switch to USB-C port. USB-C could improve iPhone's transfer and charging speed in hardware designs, but the final spec details still depend on iOS support.— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) May 11, 2022
USB-C搭載iPhoneの噂はこれまで何度も登場してきましたが、少なくともAppleがLightning廃止に向け、動かざるを得ない状況にあることは確かです。現在EUは、全てのスマートフォンなどのポートをUSB-Cに統一することを義務付けようとしています。
この規制は、2024年の秋に施行される予定。Appleがその1年前にUSB-C搭載の「iPhone 15」をリリースするという噂は、このタイムラインと辻褄があっています。
Lightning廃止が近い今、「iPhone 14」を買うのはあまり得策とはいえないかもしれません。Lightningポートがリリースされたのは2012年のことで、すでに登場からは10年が経過しています。
◇ 【3】円安&インフレによる「iPhone 14」の値上がり
「iPhone 14」は、ドル価格が変わっていないにも関わらず、昨年から大きく値上がりしています。前モデルの発売当時の価格と比較すると、6.1インチモデルの最低構成は9万8800円から119,800円へと約2万円値上げされました。
ただし「iPhone 13」は新モデル発売により107,800円まで値下げされているため、こちらも選択肢の1つとして考えられそうです。とはいえ、それでも発売時より高額なことには変わりありません。
「iPhone 14」の大きなアップグレードとしては「衛星通信への対応」や「SIMトレイの廃止」などが挙げられますが、残念ながらこれは米国限定です。そのため、「iPhone 14」通常モデルのアップグレードが地味に感じてしまうところはあります。
とはいえ、より強力なグラフィック性能が必要な重量級ゲームなどを遊ぶユーザーにとっては魅力的なモデルです。また、6.7インチの「iPhone 14 Plus」も見どころ。これまでは大画面モデルはPro Maxのみでしたが、より手頃な価格で大画面のiPhoneを手にすることができるようになりました。
また、Proモデルでは史上初の48MPカメラ搭載、ノッチ廃止で細ベゼル化、新チップ「A16 Bionic」搭載など大きくアップグレードされており、高額ながらも魅力的なモデルとなっています。
iPhone 14シリーズはAppleは9月9日に予約受け付けを開始し、9月16日から発売される予定です。ただし「iPhone 14 Plus」のみ10月7日から発売となる見込みです。