Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズは、歴史上最も象徴的な起業家の一人です。そんなジョブズは、いつも同じ黒いタートルネックを着ていたことでも知られています。
ジョブズがこの黒いタートルネックを着るようになったきっかけについて、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
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ジョブズに影響をあたえた日本の企業とは?
1980年代、ジョブズはよく黒いタートルネックと青いリーバイスのジーンズを着用していました。この服装は、数百万ドル規模の企業のCEOとしては、非常に異例なことです。
そして、90年代に入ると、彼はこの特徴的な服を毎日着るようになりました。それは、ジョブズがAppleストアを訪れるとき、講演のステージ上、そして自宅などのプライベートでも同様でした。
なぜ、ジョブズは毎日、同じ服装をしていたのでしょうか。実は、ジョブズがこの服装をし始めたのは、80年代に日本を訪れたことがきっかけとなっています。
ジョブズは、日本のデザインや建築が好きなことで知られています。彼が日本を訪れた際、ジョブズは企業の制服についてのユニークなアプローチを学びました。
SONYの工場を見学していたジョブズは、そこで働く全員がユニフォームを着ていることに気づいたのです。当時、オフィスや工場で働く人たちにとって、それはとても珍しいことでした。
ジョブズは、当時のSONYのCEOである盛田氏に「なぜ、私服ではなくユニフォームを支給しているのですか」と質問しました。
その質問に対して盛田氏は「第二次世界大戦後、日本ではほとんどの人が会社に着て行く服すら持っていませんでした。そのため、SONYのような会社が、毎日着るものを用意しなければならなかったのです。」と回答しました。
しかし、どのような服装を与えるかは、独断で決定されたものではありません。
そこで盛田氏は、ユニフォームを作ることで、会社の特色を出し、社員の仲間意識を高めることができると考えたのです。そして、ユニフォームを作ると従業員も「会社に着て行く服がない」という恥ずかしい思いをする必要も無くなります。
そこで、SONYは日本人デザイナーの三宅一生氏にユニフォームの製作を依頼しました。そして、制作されたユニフォームは、ベージュのナイロンジャケットで、袖はファスナーになっていて開けるとベストになるものでした。
このユニフォームはジョブズにとって魅力的な服装でしたが、Appleの社員にとっては、あまり意味のないものでした。
しかし、ジョブズはAppleにも、SONYのようなユニフォームが必要だと考えました。そこで、ジョブズは、三宅一生氏に電話して、ベストのデザインを依頼しました。
そして、サンプルをいくつか持って行き、Appleの従業員に「このベストをみんなで着ませんか」と提案しました。すると、従業員から大ブーイングを受けてしまったのです。