コロナ渦ではパソコンの重要性が高まり、2年 連続で爆発的な売れ行きを記録していました。しかし、PCメーカーとチップメーカーにとって好調な時期は、今や急速に失われつつあるようです。これについて、テック系メディア「The Verge」が解説しています。
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苦しい状況のインテルが行った2つの投資
インテルは、消費者向けチップの売上が25%減少することを明らかにしました。それによると「短期的な循環的減速」によって、今年のPCの総市場そのものが約10%縮小しているとのこと。
インテルCEOのパット・ゲルシンガー氏は、本日の決算説明会で「当社の最大手顧客の中には、過去10年間に見られなかったペースで在庫レベルを減らしているところもある」と述べています。
今月初め、IT分野を中心とした調査や助言を行うグループ「Gertner」は、世界のPC市場が昨年と比較してすでに12.6%減少していると報告しました。そして本日、AppleはMacの売上が約10%減少したと報告しましたが、ティム・クックCEOは単にMacの在庫が売り切れただけかもしれないと示唆しています。
インテルに話を戻すと、同社は2022年第2四半期に22%減収の153億ドルを計上し、利益も5億ドルの赤字と、実質的にマイナスとなった。これは、2021年第2四半期の51億ドルから109%も利益が減少していることになります。
インテルの損失は、売上減少によるものばかりではありません。実際、同社のデータを見ると、圧倒的な第一世代GPUを立ち上げるだけで5億ドルの営業損失を出していることがわかります。決算説明会でゲルシンガーCEOは、今年はGPUの目標である400万ユニットを達成できないものの、年末までに10億ドルの売上を目指すと語りました。
また、ファウンドリサービス事業を強化するために、さらに1億5,500万ドルの損失が見込まれています。他社向けチップの製造は、これまで同社が行ってこなかったことですが、ゲルシンガー氏のもとでは新たな計画の一部となっています。
しかし、インテルにとって悪いニュースばかりではありません。米国議会は、米国内でチップを製造する企業に520億ドルの資金を承認するCHIPS法を可決したばかりで、その資金のかなりの部分がインテルに行くだろうと考えられています。