歴史的な大ヒット製品として知られている「iPhone」ですが、スティーブ・ジョブズのひらめきだけではなく、様々な奇跡や努力が重なってできた代物でもあります。
そんなiPhoneの歴史や開発における裏話を、テック系YouTuberのアルン・マイニ氏が取り上げています。
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知られざる「iPhoneの歴史」3選
iPhoneにはもともと、Siriは存在しませんでした。それどころが、ガラス製ではなくプラスチック製スクリーンになる可能性すらあったのです。
◇ SiriはもともとiPhoneの機能ではなかった
Siriといえば、iPhoneやMacに標準搭載されている音声アシスタント機能です。しかしSiriはもともとAppleのものではなく、Androidやブラックベリーの端末でも使うことができるアプリの1つに過ぎませんでした。
Appleが開発元のSiri社を買収したのは2010年のこと。これにより、SiriはiOSに組み込まれ、2011年に登場した「iPhone 4S」の標準機能として登場することとなりました。
ちなみにSiriの声優はもともとスーザン・ベネットさんという女性が努めていましたが、彼女はレコーディングの際、それがSiriに使われるものだとは知らなかったそう。iOS 11以降では、何百人もの候補者をオーディションし、ディープラーニング技術を使って合成された音声が使用されています。
◇ ジョブズが発表時に手にした初代iPhoneの画面はプラスチック製だった
iPhoneシリーズには非常に頑丈なガラスが使用されていますが、ジョブズが初代iPhoneの発表時にステージ上で手に取った端末のディスプレイはプラスチック製でした。
ジョブズがこのプラスチック製ディスプレイに傷がついていることに気づいたのは、なんと発表後でした。そして彼は、発売までにiPhoneのディスプレイをガラス製にするようチームに指示したのです。
あまりにも急で奇妙な出来事ですが、これが現在でもスマートフォンの画面に使われている「ゴリラガラス」誕生に繋がりました。
もしもこのジョブズの無茶振りがなければ、今でもiPhoneは傷だらけになるプラスチック画面だったのかもしれません。
◇ ジョブズは1983年にiPhoneのようなプロトタイプを作っていた
興味深いことに、初代iPhoneの開発は、発表までどこにも漏れていませんでした。このことは、Appleがどれだけ内部で注意深く、秘密裏に開発を進めていたかを象徴しています。
iPhoneの初期のプロトタイプの名前は「M68」という名称でした。Appleはハードウェアエンジニアやソフトウェアエンジニアからこの端末が漏れることを恐れ、このように全てのiPhoneの部品を含んだ開発者用のボードを作りました。
しかし、それよりも前に、ジョブズにはiPhoneに近い構想がありました。1983年にAT&Tと協力して作られたこのデバイスは、モノクロのタッチスクリーンを備え、まるでiPadと電話が合体したかのような姿です。
この構想はプロトタイプのまま終わっており、世間に出ることはありませんでした。しかしもしもスティーブ・ジョブズが製品化を決心していれば、iPhoneは今のような姿にはならなかったかもしれませんね。