ウクライナとロシアの戦争による資源価格の高騰やロックダウンの影響による物流の混乱、それに追いうちをかける円安の影響により物価上昇が続いています。今夏9月の発表が見込まれているAppleの「iPhone 14」シリーズも大幅な値上が予想されており、史上最高価格となる可能性が高まっています。
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「iPhone 14」シリーズはインフレ&円安の影響でさらに値上がりする可能性大
iPhoneの価格はここ数年間で大きく上昇しています。2016年登場の「iPhone 7」が約7万円からのスタートだったのに対し、最新の「iPhone 13」シリーズの通常モデルは約9.8万円からです。
しかし、更に値上がりしているのがiPhoneのハイエンドモデルです。「iPhone 13 Pro」の発売価格は約12.2万円から。「iPhone 13 Pro Max」の最高構成ともなれば、約19.5万円となります。
そんな中で、今年発売の「iPhone 14」シリーズはさらに値上がりすると噂されています。テック系メディア「iDrop News」によれば、「iPhone 14」には799ドル、miniモデルの代わりに追加される大型の「iPhone 14 Max」は899ドルからとなるとのこと。
加えて、Proモデルの値上がりは顕著です。同メディアは「iPhone 14 Pro」が1099ドル、「iPhone 14 Pro Max」は1199ドルからと約100ドルづつ値上がりするとしています。
さらに日本価格では、ここ最近の大幅な円安の影響が加味されます。現在のレートでは、「iPhone 14」は約10.1万円、Maxモデルは約11.2万円、Proモデルは約14万円、Pro Maxは約15.2万円になる見込みです。
また、この値上がりには部品価格の上昇も関係している可能性もあります。Apple専門の米メディア「MacRumors」によれば、AppleはiPhone 14のインカメラの供給先として、日本シャープと韓国LG Innotekを選んだとのこと。同社は当初、iPhone 15の前面カメラをLGに変更する予定でしたが、その計画を今年に前倒ししたと言われています。
この変更は、Appleが前面カメラを「ハイエンド」部品として再分類したことと、中国のサプライヤーに対する品質上の懸念によるものだと言われています。しかし、新しいインカメラは、以前のiPhoneモデルのカメラユニットよりも3倍近く高価になるとのことです。
その他にも、近年の半導体不足の影響により、iPhoneの価格を抑えることは難しい状態です。AppleはiPhoneの通常モデルの価格を維持しようとしていますが、miniモデルを廃止して高価な大画面モデルを追加するなど、様々な部分で徐々に値上げすることを進めているようです。
この値上げ予測が事実なら、これまでハイエンドモデルを購入していた人も「今回はミッドレンジ」という選択を強いられる可能性があります。
さらに深刻な問題は、部品や輸送コストの高騰は、AppleやiPhoneに限ったことではないということ。同様の影響がAndroid端末にも及ぶことは確実で、これまで「ローエンドモデルならギリギリ買えた」という人は「スマホが買えない」という状況に追い込まれてしまいます。
コミュニケーションや情報収集、買い物などに毎日使用するiPhoneやスマートフォンは、日常生活に不可欠なものです。そんな現代の「必需品」が値上げされ、欲しくても買えない人が増える未来には絶望しかありません。