Twitterの買収に向けて動くイーロン・マスク氏は先日、同社の全社員が参加する会議に出席し「10億人のユーザーを獲得する」という目標について語りました。この中でマスク氏は、Twitterが見習うべきSNSアプリを2つ挙げています。
*Category:
イーロン・マスクがTwitter社員に語った展望
テック系メディア「The Verge」が社員から聞いた話によると、「Twitterがユーザー数を増やし、エンゲージメントを高めるにはどうすればいいか」という質問に対し、マスクはアプリがより実用的で「人々がとても楽しめ、かつ情報を得られる」ようにすべきだと説明し、2つのアプリの成功例を挙げました。
マスク氏が1つ目に引き合いに出したのが、中国テンセントが運営するSNSアプリ「WeChat」。WeChatはLINEのようなSNS機能に加え、決済、ゲーム、そして配車サービスを兼ね備えているスーパーアプリです。
WeChatはマスク氏が掲げる「10億人」のユーザー数をクリアしています。2015年2月の同社発表によると、登録ユーザー数は11億2000万人(以降の公表なし)。20以上の言語に対応し、200の国と地域をカバー、70を超える国と地域でナンバーワンのSNSアプリとなっています。
マスク氏は「中国以外ではWeChatに相当するものはない」と指摘。「中国では、基本的にWeChatで生活している。もし我々がTwitterでそれを再現できれば、大きな成功を収めることができるだろう」と社員に語りました。
次にマスク氏が掲げた成功例が、ByteDanceが運営するSNSアプリ「TikTok」です。彼はTikTokのアルゴリズムが「退屈」でないと褒め、「Twitterも同じように磨きをかければ面白くなる」と述べました。
TikTokは、2021年に月間アクティブユーザー数が10億人を超え、アクセス数では長年王座を独占していたGoogle.comを超えるという偉業を成し遂げました。2022年には、アプリの合計インストール数が30億回を突破しています。
マスク氏は、Twitterが「ニュースを表面化することに優れている」と強調し、「深刻な問題を人々に知らせるという点で、もっと優れた存在になれると思う」と語りました。
他にもマスク氏は以前の主張をいくつか繰り返しています。彼は「Twitterが購読と支払いにもっと重点を置くことを望んでいる」といい、ボットやスパムの取り締まり強化の必要性についても強調しています。
なおマスク氏はTwitterが示したボットの割合のデータが信頼できないとして、Twitterの買収を取りやめると発言したこともあります。これに対しTwitterは結局、広範なデータアクセスをマスク氏に提供しました。
また同氏は「5年から10年後のTwitterの成功はどのようなものか」という質問にも回答。「現実の本質をよりよく理解できる、より強く長く続く文明に貢献する」べきだと述べています。
今回の彼の発言を見る限り、マスク氏の望み通りに買収が完了し、非公開化が実現した場合、Twitterが大幅に変わることは間違いなさそうです。同氏は買収後にTwitterのCEOを務めるかどうかどうかについては言葉を濁したものの、ビジネスに深く関わっていくことは明らかにしました。
ちなみに、マスク氏は会議の終盤、話題を宇宙や他文明の滅亡の話へと切り替え、「宇宙人がいるという証拠はまだ見つけていない」などと述べていたそう。買収が実際に完了するのか、いつになるのかはまだ不明ですが、Twitter社内の混乱はもうしばらく続きそうです。
こちらも要チェック!
- テック&ガジェットの最新記事はコチラ
- 暗号資産(仮想通貨)始めるなら『ビットフライヤー』
- おいしくて健康な食事のサブスク『ナッシュ』