iPhoneを破壊するインタグラムの投稿。見るだけでアウト

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世界で月間10億人のユーザーが利用する人気SNS「インスタグラム」。中でも人気の機能の1つが、動画や写真を気軽に共有できるストーリーです。

しかし中には一見普通に見えるものの、「開くとiPhoneがクラッシュしてしまう」という奇妙なストーリーもあります。なぜ投稿を見るだけでエラーが発生するのか、その仕組みについて海外テック系YouTuberのアルン・マイニ氏が検証・解説しています。




*Category:テクノロジー Technology|*Source:Mrwhosetheboss ,pgtalal

「見るだけでiPhoneがクラッシュする」インスタグラムのストーリーの謎


この謎の投稿を行っていたのは「pgtalal」というインスタグラムアカウント(現時点では非公開)。マイニ氏が彼のストーリーを開くと、アラビア語が表示された画面で、iPhoneが完全にクラッシュしてしまいました。


このストーリーは以前に何万人もの間で話題になり、信じずに開いた多くのユーザーの端末が被害にあいました。しかし奇妙なことに、この症状にあうのはiPhoneが主で、Androidではクラッシュを起こさない機種もあったのです。

Androidで開くと、BGMとともに、紫の無地の背景に紙吹雪が散るだけの、なんの変哲もないストーリーになっていることが分かります。ただし、通常であれば画面を押すと動画は止まるのですが、この投稿の紙吹雪はなぜか止まりません。


また、全てのAndroid端末が問題なくこの投稿を見られるわけではないようです。マイニ氏のテストの結果、低スペックなスマホでは動かなくなるものの、ミドルスペック以上では個体差はありながらも見られることが分かりました。


しかし、マイニ氏が使っているiPhone 12は決して低スペックな端末ではありません。そこでマイニ氏はサイバーセキュリティ研究者に連絡し、この投稿がiPhoneをクラッシュさせる原因を解明。そこで分かったのは、意外にも単純な投稿の仕掛けでした。

iPhoneがクラッシュする理由と投稿者の意外すぎる正体


投稿者の「pgtalal」が利用したのは、インスタグラムのステッカーです。このステッカーの中には質問やカウントダウンを設定できる動的なものがあります。彼はこの3つの選択肢の質問と、2020年10月23日までのカウントダウンを投稿に埋め込んでいたのです。


単独では対して重くないこのステッカーですが、彼はこの投稿のサイズを18桁の膨大なものに設定していました。無地の紫の背景は、この拡大されたカウントダウンタイマーの一部だったようです。


当然ですが、通常であればステッカーをこのようなサイズにすることは出来ません。マイニ氏は、「pgtalal」は通常の投稿を送信する途中のプロキシでhtmlを直接いじり、膨大なサイズにしたのだろうと指摘しています。

このような天文学的なサイズのステッカーの処理は、送信されたスマートフォン側で行われます。このときに負担がかかるのが、スマートフォンのチップセットとメモリ(RAM)の部分。iPhoneはAndroidのハイエンド端末に比べメモリが小さいため、この投稿の処理に耐えきれなくなったのです。


マイニ氏はこの投稿について、問題は端末ではなく、インスタグラムのアプリ側にあると指摘しています。なお、マイニ氏が投稿者の「pgtalal」に連絡を取ったところ、彼はたった14歳の子供だったとのこと。この歳でこれほど有名なアプリの抜け道を発見してしまうとは、将来が楽しみな半面、恐ろしくもありますね。

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