Appleが「初代iPhone」を発売して15年が経ちました。
初代iPhoneがいかに画期的なスマートフォンだったのかについて、海外YouTubeチャンネル「Austin Evans」が実機を公開しながら解説しています。
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初代iPhoneが画期的だといわれる理由とは?
初代iPhoneと今のiPhoneを見比べると、何年も前からそれほど大きく変わっていないように見えます。
素材はアルミニウム製で、デザインは現在と同じような形をしています。初代iPhoneと「iPhone 7」を比べてみても、デザインは大きく変わっていません。
つまり、最初に開発されたiPhoneは、当時の他のスマートフォンよりもデザインが先進的だったのです。
しかし、初代iPhoneにはいくつかの問題がありました。1つは、2Gネットワークしか対応していなかったということです。アメリカでは、2017年に通信会社AT&Tが2Gネットワークを停止して以降、携帯電話として利用することはできなくなっています。
また、ヘッドフォンジャックが凹んでいるという、仕様上の欠陥もありました。そのため、初代iPhoneは普通のイヤホンを利用することができず、利用するためにはアダプター等が必要でした。
そして、初代iPhoneの最大の問題は、価格です。2007年に発売された8GBモデルの価格は599ドル(約76,000円)でした。また今では、端末だけの購入が可能ですが、当時は通信キャリアとの契約も必須でした。
Appleは数カ月後に価格を400ドル(約50,000円)に値下げし、容量が4GBのモデルも廃止しました。しかし、当時はそれでも信じられないほど高価なスマートフォンだったのです。
ただ、当時の他の携帯電話と比較すると、Appleの強気の価格設定を納得できるはずです。iPhoneのデザインは、今のスマートフォンと大きく変わらず、とてもシンプルです。
一方、当時アメリカで人気のあった携帯電話の「Sidekick」という機種は、多くのボタンなどがあり複雑でした。 「Sidekick」は、iPhoneと比べてみると、ずいぶん違うデザインをしていて、古さを感じてしまいます。
もう1つのiPhoneのライバルは「Nokia N95」でした。
「N95」は2007年にアメリカで発売された携帯電話で、iPhoneには無い魅力がたくさんあります。その1つが、カメラです。
iPhoneにもカメラは搭載されていましたが、「N95」のカメラはもっと大きく、5メガピクセルのオートフォーカスに対応していました。
さらに「N95」は、初代iPhoneには無かった、前面カメラを搭載していました。当然、簡単に自撮りをすることも可能です。そして通信も3Gに対応しています。
そして極めつけは、上にスライドさせると物理キーボードを操作することができることです。
さらに、下にスライドさせるとメディアをコントロールするボタンが出てきます。
ただ、初代iPhoneには、当時としては画期的だったスライドロック解除機能がありました。また、初代iPhoneのカメラは2メガピクセルしかありませんでしたが、確実に進化し続けています。
そして、iPhoneを本当に際立たせていたのは、ソフトウェアの存在です。ハードウエア自体はかなり貧弱なものでしたが、iPhone OSは素晴らしいものでした。
しかし、発売当初はまだ足りないものがたくさんありました。例えば、マルチタスクができず、発売して2年目までは「App Store」すらありませんでした。
ただ初代iPhoneは、基本的な操作に関しては非常に優れています。スクロールなどの操作は、市場に出ている他のどの携帯電話よりもずっと自然でした。さらに、マルチタッチも実に高精度でした。
当時のほとんどの携帯電話には、タッチスクリーンがありませんでした。また、タッチスクリーンがあったとしても、操作はタッチペンを使用していました。
つまり、iPhoneとiPhone OSは、不便な部分はありながらも、当時の常識からすると非常に画期的だったということです。