» iPhone 14 Proに訪れる「7年ぶり」激変
「Apex Legends」や「バトルフィールド」シリーズなどで有名な米大手ゲーム会社エレクトロニック・アーツ(EA)が、買収や合併を目指してAppleやAmazon、ディズニーなどと協議していると海外メディア「Pack」が報じています。
*Category:
AppleによるEA買収はあり得るのか?
「Pack」は関係者経由の情報として、急成長するゲーム業界に様々な企業が注目する中、EAがディズニーやApple、Amazonなど、様々な企業と買収についての話し合いを持ったと報告しています。
これによると、EAは売却にかなり熱心であり、先日のマイクロソフトのActivision Blizzard買収をきっかけに、より大胆に動き始めたとのこと。
EAは、「ザ・シムズ」や「シムシティ」「Need for Speed」シリーズ、EAスポーツFC(旧FIFA)など、世界で最も人気のあるゲームのフランチャイズを手掛ける企業です。
また、日本でも人気のFPSゲーム「Apex Legends」や「タイタンフォール」の開発したRespawn Entertainmentや、「バトルフィールド」シリーズを開発するDICEの親会社でもあり、ゲーム業界の最大手として広く知られています。
テック系メディア「9to5Mac」はこの中でも、AppleとEAの深い関係について詳細に語っています。EAはもともと、Apple創立期のメンバーであるトリップ・ホーキンスが退職した後、ついてきたApple社員と共に設立した会社「Amazin’Software」が基になっています。
そのためか、AppleとEAは密接に連携し、iPhoneやiPadといったモバイル機器でのゲームの普及に努めてきました。例えば「Need for Speed」のようなゲームのモバイル版は、Appleのイベントで何度も紹介されており、最近ではリリース前の「Apex Legends mobile」プレイ画面が新型「iPad Air」発表時に公開されました。
Appleは2019年から「Apple Arcade」を導入しています。これは、iPhone、iPad、Mac、Apple TV向けに、広告なしで複数のゲームを月額制で遊べるサブスクリプションです。
「Apple Arcade」はあまりヒット作せず現在でも苦戦していますが、AppleがEAを買収すればこの状況は変わるかもしれない、と「9to5Mac」は指摘。EAは人気のあるタイトルをApple端末にもたらすだけでなく、「Apple Arcade」でいくつかの旧タイトルを限定リリースすることもできるはずです。
これは、現在「アングリーバード」などの旧タイトルの導入で復活を図るAppleの戦略と一致するものです。さらには、これまでゲーム開発者に見向きもされなかったMacやApple TVが、良いゲームのプラットフォームであることを開発者に示すことも可能となります。
また、Appleは現在VR/VRヘッドセットの開発を噂されており、先日には取締役会で披露したとも報じられていました。Appleが自社のゲームスタジオを持つことは、AR/VRコンテンツの充実にも大きく貢献するはずです。
このように、AppleのようなビックテックがEAを買収することには大きなメリットがあります。これはAmazonやディズニーなどにも同じことが言え、マイクロソフトがActivision Blizzardを買収した理由としても同じようなことが考えられています。
しかし「9to5Mac」によれば、Appleにとって大きなメリットがあっても、EAを買収する可能性は低いとのこと。「Apple Arcade」があるにもかかわらず、Appleは独自のゲームを開発することに興味がないと指摘しています。
また、独占禁止法の懸念もあります。現在Appleはこの件で多くの調査を受けており、EAを買収するには良いタイミングとは言えません。もしもAppleがEAの人気ゲームタイトルをApple端末向けに独占すれば、長期的に大きな問題となる可能性があります。
ゲーム市場は現在、かつてないほどM&Aが進んでおり、EAもこの機を逃すまいと奔走しているようです。EAはこの売却をすぐに諦めるつもりはなく、何かしらの結果が近日中に現れる可能性が高いと見られています。