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iPhoneでは、App Storeを経由せずにアプリをインストールすることはできません。Appleはこれを許可するべきだ、という意見もありますが、Appleのティム・クックCEOは以前のインタビューで「それならAndroidを買えばいい」と強く否定しました。
クックCEOは先日、国際的なプライバシーサミット「IAPP Global Privacy Summit 2022」で基調講演を行い、これについて再び言及。Appleの真意が見えるスピーチ内容となっています。
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AppleがiPhoneでの「アプリのサイドローディング」を許さない理由
アプリのサイドローディング(ストアを経由しないインストール方法)を求める理由の1つとして挙げられるのが、「Apple税」と呼ばれるAppleの決済システムの手数料です。
App Storeでは、アプリ内でデジタルコンテンツを購入する際には同社の決済システムの利用が義務付けられており、購入された商品の15~30%の手数料がAppleに支払われる仕組みです。しかし、最近ではこれについて「iPhone内の市場を独占している」と、様々な企業や国から厳しい目を向けられています。
iPhoneでの「アプリのサイドロード」許可は、この状況を改善する1つの案です。しかしニューヨーク・タイムズ紙の「DealBook」サミットに出席したクックCEOは、これについて批判的な意見を述べました。
クックCEO:現時点で、人々は(AndroidとiPhoneという)選択肢を持っていると思います。サイドロードをしたければ、Androidを買えばいいのです。キャリアショップに行けば、そのような選択肢があるのです。それが重要なら、Android端末を購入するべきです。
同氏にいわせれば、アプリのサイドローディングは「自動車メーカーが“エアバッグやシートベルトを付けるな”と言っているようなもの」だそう。Appleのクレイグ・フェデリギ上級副社長も危険性を指摘しており、サイドロードは「サイバー犯罪者の最良の友」であると以前述べていました。
実際、Appleは以前の調査で「Android端末がモバイルマルウェアに攻撃された回数は、iPhoneをターゲットにしたマルウェアの15倍から47倍である」と結果を報告しました。同社はこれが「サイドロードと密接に関連している」と主張しています。
今回のIAPPの基調講演の中では、ティム・クックCEOは「我々は、いくつかの他の目的のためにプライバシーとセキュリティを損なうであろう規制について深く懸念している」と語っています。これは、iPhone向けのアプリのサイドロードを認めるよう強制する法案に対しての言及です。
前提としてあるのが、同社が重視するユーザーのプライバシー保護です。クックCEOは「プライバシーのない世界は、想像力、共感力、革新性に欠ける」と語り、プライバシーは基本的人権であると主張。プライバシーを守ることは、現代における最も重要な戦いのひとつだと話します。
クックCEOはさらに、プライバシーを守るための「3つの戦い」について説明しました。