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世界的な半導体不足は、少なくとも2022年後半まで続くだろうと、ホワイトハウスはサプライチェーンの調査を経て結論づけています。
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終わらない半導体不足、米政府は「需要と供給の著しいミスマッチ」を指摘
米政府のジーナ・ライモンド商務長官は火曜日、同省が実施した報告書の結果について述べました。この報告書では、150社以上のグローバルなサプライチェーン企業に質問を行った結果として「チップの需要と供給の著しい、持続的なミスマッチ」を指摘しています。
ライモンド長官は「半導体の供給問題に関して、まだ危機を脱したとは言えない」と述べました。チップの需要の中央値は、2019年よりも2021年のほうが17%も高く、反して供給増はなかったのこと。
米大手通信社「Bloomberg」によれば、報告書は、半導体のサプライチェーンは依然として「脆弱」で、米政府の数々の対策にも関わらず、需要が供給をはるかに上回っていると結論づけています。
この不足は、ブロードバンド、医療機器、自動車圏など、世界中の多くの産業に影響を与えています。また、不足はインフレ率の上昇や電子機器の生産遅延の原因にもなっているとのこと。
さらに報告書では、米国がこの制約を緩和するための選択肢が限られていることも強調されています。米国はまた、自動車および医療機器用チップの価格高騰の疑惑を調査する予定ですが、具体的にどのチップやメーカーに価格高騰の疑惑があるのかは明記されていません。
ライモンド長官は、この報告書が国内製造業への投資の必要性を強調していると指摘。現在、米国議会で審議されている法案では、チップメーカーが米国内に工場を建設することを奨励するために520億ドルもの資金が投入されることになっています。
バイデン政権は半導体の供給問題を「国家安全保障上の問題」と呼んでおり、これはその戦略の一部だとテック系メディア「Appleinsider」は指摘しています。チップや半導体の供給不足は、Appleなどのようなメーカーにとって特に大きな問題です。同社によると、2022年9月期の半導体不足による影響額は60億ドルで、繁忙期である12月期にも同様の打撃が予測されているとのこと。
また、インテルのパット・ゲルシンガーCEOも半導体競争の厳しさを上げ、「半導体事業に対する政府の資金援助が必要である」と強調しています。同社は世界最大の半導体ファウンドリTSMCについて、「安全な場所ではない」と主張しており、東アジア頼りの現状に懸念を示しました。