» 23億ドルが動く。ブラジルの貧民街に押し寄せる「eスポーツ革命」
マイクロソフトがActivision Blizzardを約700億ドルで買収するという発表を受け、テック系メディア「Wccftech」が、調査会社MIDiA Researchのアナリスト、カロル・セヴェリン氏に見解を伺っています。
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「マイクロソフトはBlizzardのタイトルを直接独占しない」とアナリスト、その理由は?
同メディアが「マイクロソフトがActivision Blizzardのゲームを自社プラットフォーム(PC、Xbox、クラウド)で独占しようとしているのか」と尋ねたところ、セヴェリン氏は「それでは経済的にあまり意味がないため、よりソフトなアプローチが必要になるだろう」と回答しています。
Xboxのクロスプラットフォームとゲーマーフレンドリーなストーリーを考えると、(Blizzard買収の)影響は「強硬な独占権」というより、マイクロソフトが所有する資産による「体験の強化」にあると思われます。
(中略)しかし、強力な独占権を行使すると、非常に貴重な存在である相手側のユーザーを遠ざけてしまう恐れがあります。タイトル全体を独占するのではなく、Windowsでのアクセス(例:新作CoDの最初の1ヶ月はソニーではなくXboxでのみ)や、割引、限定のゲーム内コンテンツ、体験などであれば、マイクロソフトはよりソフトに(自社製品を)プッシュすることができます。
コンソール以外の事業で比較的余裕のあるマイクロソフトにとって、独占タイトルを確保することは最優先事項ではないでしょう。そのため、「今後Blizzardの全てのゲームタイトルは他社製品には登場しない、ということにはならない」というのが同氏の意見です。
これは、「少なくとも一部のゲームは独占にはならない」という他の意見とも一致しています。ゲーム関連の情報に詳しい海外メディア「Kotaku」は、マイクロソフトによるBlizzard買収は垂直統合のようなもので「ゲーム業界の支配に向けた一歩という訳ではない」と意見しています。
◇ マイクロソフトのBlizzard買収でソニーとニンテンドーが受ける影響
とはいえ、ゲーム業界におけるマイクロソフトのライバルであるソニーが少なからずダメージを受けることは間違いありません。マイクロソフトに資金力で劣るソニーは、PlayStationシリーズで強力な独占タイトルを出すことは難しくなっています。
マイクロソフトはBethesdaの親会社であるZenimaxを81億ドルで買収し、8つの開発スタジオと無数の大型IPを確保しました。対して、ソニーのこれまでの最大の買収はInsomniac Gamesで、約2億3000万ドルでした。最近では多数の小規模な開発会社の買収を発表していますが、その規模はマイクロソフトに比べてはるかに小さいものです。
この影響はニンテンドーにも同じことが言えますが、もともと人気の独占タイトルに自社IPが多いため、今回の影響は比較的小さなものとなりそうです。