ただのイタズラ注文だと思ったら…ピザ屋の配達員が経験した恐怖体験#海外の怪談

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ピザの注文はイタズラだったのか、それとも……

アメリカに住むピザ屋の配達員の身に起こった恐怖体験のアニメが、海外YouTubeチャンネル『Llama Arts』に登場しています。

Source:Llama Arts,Mr. Nightmare
*カテゴリー:怪談,海外,アメリカ,都市伝説怪談・都市伝説

【海外の怪談】ピザの配達先の住所にあったのは……



ある日の深夜、私はいつものようにピザの配達に向かいました。お客さんからの注文で指定された住所は町外れの森の中にあり、ピザ屋からは車で約20分ほどの場所でした。

長い距離の配達は面倒ですが、お客さんは大きなピザを4枚も注文してくれたので、きっとパーティーかなにかに違いないと考えました。私は「チップをたくさん貰えるかもしれない」と期待しながら、未舗装の道に車を走らせました。


ガタガタと車を揺らす道を走り、森の中をしばらく進むと、古ぼけた屋敷がありました。

ですが、明らかに様子が変です。屋敷に明かりは灯っておらず、パーティをしているどころか、人の住んでいる気配すらありません。しかもこれだけ森深くにも関わらず、どこにも車が停まっていないのです。

奇妙に思った私は、車に乗ったまま上司に電話をかけ「本当にここで合っていますか?住所が正しいかどうか、確認して下さい」と聞きました。しかし上司は不機嫌に「せめてノックぐらいしてから電話しろ」と答えました。


私はしかたなく車からおり、家の玄関のドアを何度も叩きました。もちろん、返事はなく、誰かが来る様子もありませんでした。

私は「時間とガソリンの無駄だった」と悟り、がっかりしました。しかし、念のためもう一度ドアをノックすると、中からゴト、カタッと小さな音が聞こえてきました。

誰かがいると思い、「ピザ屋です、配達で来ました」と叫びました。ですが、返事はありません。


あきれた私は諦めて帰ろうと考え、車の方に向かおうとすると、あることに気づきます。

玄関の隣にある窓から、大きく見開いた白い目が2つ、こちらをジッと見つめているのです。暗くて顔はよく見えませんが、とにかくこちらを見ていることは分かりました。


気味が悪くなった私は、ピザを地面に落とし、急いで自分の車に戻り、エンジンをかけました。そのまま逃げるように車を走らせましたが、思うように車が動かないことに気づきました。

すぐにギギギッっと軋むような音がして、車を運転できなくなりました。急いで車から降りて確認すると、不運なことに、タイヤがパンクしていることが分かりました。


そこで私はあることに気づき、背筋が凍る思いをしました。パンクしたタイヤは1つだけではなく、4つすべてパンクしていました。そして全てのタイヤには切られたような跡があり、ゴムが完全に車輪から外れていたのです。

「さっきドアをノックしている間に、誰かがタイヤを切ったんだ」

そう気付いて恐ろしくなった私は、慌てて車に入りドアをロックしました。車の場所は屋敷からほとんど離れておらず、森の木の間からはまだ屋敷が見えていました。

すぐに911(アメリカの緊急通報用電話番号)に電話をかけ、電話に出たオペレーターの女性に事情を説明しました。オペレーターは「警察が向かうまで、車を走らせずに中で待機していて下さい」と私に言いました。


あまりに怖くなっていた私は、電話を切らないでほしいと頼みました。四方は真っ暗な深い森が続くばかりで、警察が来るには果てしなく時間がかかるように思えました。

こんな怖い体験をしたことがなかった私は、とにかく車で震えていました。誰かが車に近づいていないか、必死にあたりを見回しました。

そして、気付きました。バックミラーに誰かが映っていることに。


そこにあったのは、窓からこちらを見ていた顔と確かに同じでした。暗くて見えなかった顔もはっきりと見えました。それは女性で、さっきよりも目をさらに大きく見開き、こちらを見つめていました。

バックミラー越しに目があうと、こちらを見つめるその顔に、ゆっくりと笑みが浮かびました。

私はパニックになり、携帯を放り出して車のドアを開け、森の中へと必死に逃げました。息が切れるまで全力で走り、倒れていた大木の陰に隠れ、口を塞いで止まらない嗚咽を殺しました。


彼女がこちらに来るのではないかと震えながら、動くこともできずに隠れていました。体感では何時間も隠れていたように思えます。そしてやっと遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきたとき、それまでの人生で味わったことがないほどの安心感を感じました。

青と赤のサイレンが木の間から見え、私は狂ったようにその光に向かって走りました。警官たちは私の車を懐中電灯で照らしながら、様子を調べているようでした。全力で叫びながら地面に倒れ込むと、気付いた警官がかけよってきました。


私は警官たちに全力で事情を説明しました。そして事情を聞いた警官の何人かが屋敷に向かい、中を捜索しはじめました。

結局、屋敷から見つかったのは、2、3の尖った物だけでした。確かに車のタイヤを切ったもののようでした。

警官は「たぶん精神を患った夫婦かなにかだろう」と推測しました。ですが、確かに私を見つめていたあの女性や、車のタイヤを切った犯人は結局発見されず、正体もわからないままです。

私はすぐにピザ屋の配達の仕事をやめ、地元の食料品店で働くことにしました。しかし、バックミラー越しに見えたあの女性の顔を、今でも忘れることができません。


*この話は海外YouTuber、Mr. Nightmare氏が紹介した怪談を、筆者が独自に抄訳したものです。

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