『iPhone』ユーザーの多くが“使い終わったアプリを、上にスワイプして閉じる”という操作をよくしているのではないでしょうか?
これによって『iPhone』のパフォーマンスやバッテリー寿命を向上させる効果があると考えている人もいるかもしれません。が、実はこれは大きな間違いです。これについて、海外YouTubeチャンネル、Apple Explainedが解説しています。
Source:Apple Explained
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アプリを閉じるクセが『iPhone』にとって良くない理由
まずスピードに関して言えば、Appスイッチャー(使ったアプリが一覧表示される画面)でアプリを上にスワイプして完全に閉じてしまった場合、アプリを再び起動したときのロードが遅くなります。
『iPhone』のiOSはCPUとメモリーのリソースを自動で管理するように設計されています。これにより、アプリを最適化することで、ユーザーが意識することなく高速で応答性の高い操作性を実現しているのです。
しかし、アプリを上にスワイプして強制的に終了させてしまうと、iOSは上手くパフォーマンスを最適化することができなくなります。
さらに、スタンバイ状態のアプリがシステムメモリから急に削除されるため、デバイスはユーザーが何をしていたのか、どこで終了したのかという情報を失い、再びアプリを起動した際には全てのコンテンツを再読み込みしなければなりません。
スタンバイ状態というと、これがバッテリーを無駄に消費するのではないかと心配になるかもしれませんが、それは杞憂です。
『iPhone』の電源のオン/オフを考えてみてください。デバイスをスリープ状態にすると厳密には待機状態になりますが、スマホを使うたびにデバイスをシャットダウンし、再び起動するのに比べれば、消費電力は少なくて済みます。
同様に、アプリケーションはバックグラウンドでうまく開き続けるように設計されています。
iOSは消費電力の管理に長けており、バックグラウンドアプリが知らず知らずのうちにバッテリーを消耗することはありません。iOSは、利便性のためにApp スイッチャーに表示し続けているだけです。
場合によっては、Appスイッチャーで使いたいアプリをタップすると、アプリが完全に再読み込みされ、元の画面に戻らないことがあります。これは、最近使われていなかったアプリが、iOSによって自動で閉じられていたためです。
このように、手動でアプリを閉じることに意味はほとんどありません。ではなぜ、この機能が存在するのでしょうか。
これは、フリーズしたアプリや正常に動作しないアプリを再起動するためにあります。例えるなら、アプリが突然フリーズして、強制的に再起動しなければならないような場合などです。
本来ならばこれはトラブルシューティングとして表示されるものなのですが、Appleはこの機能だと分かりにくくしています。ユーザーが不必要にアプリを閉じてしまわないように、Appスイッチャーの中に隠してしまったのです。
このように、アプリを上にスワイプして毎回閉じる行為は、自身の『iPhone』を軽くするどころか、バッテリーの寿命を縮め、パフォーマンスを低下させます。アプリを閉じるために上方向にスワイプしたくなるのは分かりますが、もしも『iPhone』を長く使いたいのなら、できるだけこの行為は避けるべきでしょう。