◆8月の記憶
気が付けば、カレンダーの日付が9月になっていた。
そうか……。2020年も、もう9月なのか……。
吹き抜ける風に秋の匂いを感じながら、いまや遠き夏の日を想う。
今年の8月は新型コロナウイルスの影響もあって、じつにおかしな1ヵ月だった。クソがつくほど暑いのにマスクは手放せず、かといってフラフラと出歩くわけにもいかないから、1日中、クーラーがつけっぱなし(それも暑すぎて効きが悪い)の部屋に閉じこもって、ひたすら原稿に向かっていたというね……。
「俺……この夏は、何をしていたのかなぁ……」
キャンプにもプールにもツーリングにも行かず、家を出るのは3日に一度、近所のスーパーに納豆を買いに行くときくらいだった。俺は通常、かなりアクティブにアウトドアにくり出す人間なので、この行動はいかにも異常である。人生で初のことが多すぎた、おかしくも忘れられない夏であったよ……。
でも。
忘れられない夏にあって唯一、結果が頭から完全に抜け出て、すべてのことを忘れてしまった事象がある。それは……。
「そういえば……8月の縛りプレイの記憶がいっさいないんだけど、俺はこの1ヵ月、パズドラで何をしていたんだろう……??(困惑)」
忌まわしい記憶はシナプスの奥底に封印されてしまったので、もう二度と、その結果について語られることはないだろう。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……。
◆9月のお題を発表!
さて、いい感じに8月の縛りプレイの結果を埋葬できたので、決意も新たに9月のお題に進もうと思う。
というのも昨日、AppBankの担当さんから以下のようなメールが届いたのだ。
【9月のお題について】
お世話になっております! 9月のお題を下記にてお送りさせていただきます!
◆9月の縛りプレイ・お題
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「裏異形の存在」をクリアせよ!
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9月は角満さんのお誕生月と存じ上げております。おめでとうございます! そこで今月は、角満さんの全力全開のフルパワーで、未踏破とお伺いしております“裏異形の存在”をついにクリアしていただきたく考えております。
ダンジョン実装から時を経て、様々なキャラが増えた今、公認プレイヤーの角満さんならば恐れずとも攻略可能かと思います! 新たな時代をぜひご堪能下さいませ!
メールを読んだ同僚のたっちーが、感激の面持ちでつぶやいた。
「おおおお……! まさかキサマの誕生月まで知っててくれたとは……!! AppBankのパズドラ柱は、さすがやな!!
ファミ通にキサマの誕生月を知っている人間なんて、ただのひとりもおらんやろ!! いやいない!!! いるわけがない!!!」
そこまで「イナイイナイ」を連呼しなくても……と思いつつ、俺は赤べこのように頷いた。
「うむ!! いやあ、これはありがたいお題だねえ。うれしいねえ。感激だねえ」
俺とたっちーは、AppBankのオフィスがあるであろう西南西の空に深くお辞儀をしたのち、お題について話し合った。
「で、どうなんや? “裏異形をクリアせよ”ってあるけど、いけそうなんか??」
若干、いぶかしげな表情でたっちーが言う。それに対し、俺は、
ε=(・ω´・#)ふふん!
と鼻息を荒くした。
「くくく……! 確かに俺はまだ、裏異形をクリアしていない。
でもそれは「無理むり!! 絶対むり!!」と逃亡したからではなく、
「これくらいならいつでもいけるから、しばらくほっといてやろう」という温情で放置していただけや!」
「おおおお!! それはスゴい!!!」
とたっちー。そんな彼女に、俺はいま使っているいくつかのパーティーを紹介した。