Xiaomiの10周年記念イベントで発表された透明なTV「Mi TV LUX 透明版」が、世界初の量産型透明TVとして注目を集めています。
このTVは名前の通り、ガラスのような透明ディスプレイが特徴です。今回はその仕組みを簡単に説明していきます。
Xiaomi Mi LUX 透明版の仕組み
映像が浮いて見える不思議な透明ディスプレイ。その仕組みはどうなっているのでしょうか?
まず、通常のTVで背面パネルに当たる部分が取り外されています。もちろん背面には重要な部品も含まれているため、パーツは下部に移動されています。
– 一般的なTVの背面パネルの構造 –
残ったディスプレイ本体は、半分が不透明な有機ELのピクセル、半分が透明になっています。
簡単に言うと、物凄く細かい窓のブラインドのような仕組みです。有機ELが発光していない状態(窓のブラインドが開いた状態)では、画面が透けてガラスのように見えます。
さらにこの透明な有機ELパネルを保護するため、その上に非常に頑丈なガラスが貼ってあります。接着にはUV(紫外線)硬化接着剤を使うことで、ディスプレイをより薄く、精密に接着することが出来たそうです。
他にもMi TV LUX 透明版は放熱問題やEMI、量産などの様々な細かな課題を乗り越えて開発されています。
このTVのリフレッシュレートは120Hzにも対応しており、まさに技術の結晶といった仕様です。Xiaomiの開発力の高さがうかがえますね!
透明なテレビはいる?いらない?透明なTVの今後の展望
他のXiaomiのTVの例に違わず、Mi TV LUX 透明版はAndroid TVベースのMIUI搭載スマートTVです。Socにはカスタムされた台湾MediaTek 9650を搭載。
価格は49,999元(約77万円)からとそれなりに高額。が、開発費や見込める販売数を考えれば格安とも感じます。
実用性はというと、実際のところまだあまりなさそうな印象です。ただ技術自体の転用は、広告パネルや商品展示など色々考えられます。ディスプレイ内臓型カメラ搭載のスマホ開発などにも役立ちそうですね。
またあまり知られていませんが、XiaomiのスマートTV事業はかなり順調で、昨年には1000万台超を出荷したと発表しています。このTVが売れるかどうかはともかく、格好の技術プロモーションとなったのではないでしょうか。
画像引用・Source:Weibo(中国語)