TYPE-MOONの最新作を自分で作れる喜びがある。「FGOスタジオ」石倉氏とカノウ氏にインタビュー[PR]

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ディライトワークス株式会社の石倉正啓氏とカノウヨシキ氏


既存タイトルの企画・開発・運営と並行して、新規コンテンツの開発体制をさらに強化することを目的に、開発本部およびプロデュース部、マーケティング部を再編。6つの制作部門を新設し、そのほか、アート部、グラフィック部、サウンド部、技術部、研究開発部の5つの開発関連部門を各制作部から独立した部門として設置する組織改編を行ったディライトワークス

新設された6つの制作部の1つである第2制作部が『Fate/Grand Order(FGO)』の企画・開発・運営を担当し、スタジオ名も「Fate/Grand Order Studio」(以下、FGOスタジオ)と付けられ、新たなスタートを切りました。

開発体制強化のために多くの人材を必要としているであろう「FGOスタジオ」。AppBank.netでは、スタジオのキーマンとなる人物へ採用についてインタビューする連載を開始します。

第1回は、「FGOスタジオ」のスタジオ長・石倉正啓氏と、第2部開発ディレクター・カノウヨシキ氏にお話をうかがいました。(文:カワチ)

目次

ひとりひとりが『FGO』を担うという意識を持つ

——まずはおふたりの簡単な経歴をお聞かせください。

石倉氏:エンターテインメント業界のスタートは、モバイル系のプロデューサーとして東京ガールズコレクションの立ち上げなどに関わったころからです。その後は、ローソングループにてエンタメ系の新規事業開発部長として音楽レーベルの立ち上げや、声優のプロデュースをしたり、人気ダンスグループのファンクラブツアーなどを手がけたりしていました。

弊社代表の庄司(※1)とは、当時自分が在籍していたモバイル系の会社がスクウェア・エニックスとジョイントベンチャーを作った際に知り合いました。

※1……ディライトワークス株式会社 代表取締役社長の庄司顕仁氏。

▼ディライトワークス株式会社、「FGOスタジオ」のスタジオ長・石倉正啓氏。
「FGOスタジオ」スタジオ長・石倉正啓氏


カノウ氏:最初に入社したソフトウェア開発会社が入社後すぐにセガの「AM2研」と合併したため、そこでプログラマーとして働いていました。当初はプレイステーション2やドリームキャストのゲームを開発していたのですが、『アウトラン2SP』でプログラムのディレクターを務めたことをきっかけにアーケードゲームの開発がメインになりました。

その後はゲームのプログラムだけでなく企画にもかかわりたくなってプランナーの仕事を始め、『BORDER BREAK』を数年手掛けていました。

40歳を前にして「もっと幅広いプラットフォームで開発したい」と思って会社を飛び出し、スマートフォンのゲームなどを手がけるようになり、その後ディライトワークスに興味を持って入社したという流れです。

▼『FGO』第2部の開発ディレクター・カノウヨシキ氏。
『FGO』第2部の開発ディレクター・カノウヨシキ氏


——石倉さんはマーケティング、カノウさんはディレクターについて具体的な業務内容をお聞かせ願えますでしょうか。

石倉氏:今までのおもな業務は広報や宣伝です。Web広告以外にも、先日おこなった「FGO冬祭り 2018-2019 〜トラベリング大サーカス!〜(以下、冬祭り)」「Fate/Grand Order Fes. 2018 〜3rd Anniversary〜」といったリアルイベントや、アニプレックスさんと共同でニコニコ生放送やYouTube Liveといった生配信、TV-CMなどのさまざまなマーケティング施策を担当しています。

ちなみに、私が最初に入社したときは人数が少なく、そもそもマーケティングチームがなかったので、それ以外のこともたくさんやりました。

カノウ氏:最初はディレクターではなくプロジェクトマネージャーという役職でプロジェクトにかかわっていました。そのときから「組織をどう強化していくのか」ということは考えていましたね。

『FGO』第1部が終わったときの開発は、それまで作りきることに集中してきた結果、なにかを良くしようという余裕もない状況だったのですが、そこから第2部を作るにあたり、開発のフローやシステム周り、あるいは組織や人材といったゲーム内外の課題を見つけて、解決する計画を考えていました。

そんななか、FGO PROJECTクリエイティブプロデューサーの塩川(※2)から「そろそろだね」とディレクターの話を持ちかけられました。塩川はFGO PROJECT全体を見るようになり、私は塩川の仕事を引き継ぐようになりました。

※2……ディライトワークス株式会社 執行役員クリエイティブオフィサーの塩川洋介氏。FGO PROJECTのクリエイティブディレクターとして開発・運営のディレクションを行う。2018年4月よりクリエイティブプロデューサーに就任し、FGO PROJECT全体のゲーム展開をプロデュースしている。

——なるほど。

カノウ氏:ディレクターとしていちばん大きい仕事はTYPE-MOONさんとの企画のすり合わせです。たとえば、私のほうで作った開発・運営スケジュールをTYPE-MOONさんと協議して、「ここでこのサーヴァントを登場させよう」といった細部を調整します。その後は開発に持ち帰り、実現のための計画を調整・実行していきます。

——ディライトワークスさんは『FGO』を構成の土台となる部分から作り上げているんですね。

カノウ氏:まずはアシスタント数名といっしょに作った企画をTYPE-MOONさんへ持ち込み、「この提案はいいと思う」、「この提案はもう少しこうしたほうがいいのではないか」といったご意見をいただいてからリファインしています。

——石倉さんがスタジオ長を務める「FGOスタジオ」は、どのような経緯で新設されたのでしょうか?

石倉氏:2018年3月にカノウの第2部開発ディレクター就任が発表された段階で、私がリーダーの体制に変わることがほぼ決まっていました。

「FGOスタジオ」は、機能別だった組織を目的別組織に変えて『FGO』というブランドをより強くしていくために、9月から正式に始動させました。『FGO』に対するひとりひとりの愛着とプライドでブランドをさらに大きくしてもらいたいという考えから、スタジオメンバーの名刺には『FGO』のロゴを入れています。

——石倉さん自身の業務内容はどのように変わりましたか?

石倉氏:今まではマーケティングチームを統括していましたが、現在は全体を見回して「どうしたら『FGO』のチームやサービスがよくなるのか」を考えています。イベントなどでは「バスター石倉」として登場しますが、当然ミーティングなどの業務のほうがメインです。また、社内の体制を強化するにあたっては人員も足りていないので、採用面接にも参加していますね。

▼ユーザーから「間近」に感じてもらえるように、リアルイベントではサングラスに赤いバスターパーカーを着用した「バスター石倉」として出演。


——開発体制強化のために多くの人材を必要とされていると思いますが、「FGOスタジオ」では現在どのような人材を求めているのでしょうか?

石倉氏:こだわりがある人ですね。自分が面白いと思うものをどうやって創り、お客様にどう届けるかをこだわれる人は活躍できると思います。現在、エンターテインメントはゲームやアニメ、コミックなど多彩なものに溢れており、お客様のプライベートの時間を奪い合っています。他作品よりも自分事に感じられる面白い作品でなければ、プレイする機会すらいただけないと思うんです。

——どのようなスキルがあると望ましいのでしょうか。

石倉氏:具体的なスキルは職種によって異なるのですが、性格でいうと他者に対して尊敬や感謝の気持ちを持てる人がチームにフィットすると思います。

カノウ氏:感謝の心は大前提です。あと、私が採用のときに見ているのはなにかしら自信があるかどうかですね。『FGO』はそれぞれの分野のスペシャリストが集まっているタイトルなので、自分ができることを自信を持ってハッキリ言える人は印象に残ります。

——ディライトワークスでは「肉会(MEAT MEETUP)」「ボードゲームパーティ」といった交流会も盛んに行われていますが、社内やFGOチームの雰囲気はいかがでしょうか?

石倉氏:すごくいいですよ。社内に“イヤ”な人はいません(笑)。もちろん、人それぞれに相性だったり考えの違いだったりはありますが、例えば他人の足を引っ張ろうと考えるようなネガティブな人はいません。そのため、新しく入ってきた人たちには「気持ちいい職場ですね」と言ってもらえています。

それと、みんな自分たちの作品が好きで、普段から『FGO』を楽しんでいますね。ゲーム会社の場合「仕事だから」とプレイすることもあると思いますが、みんなのめり込んでプレイしています。『FGO』という共通の話題があるおかげで、新しい人が入ってきたときもすぐに打ち解けることができます。

『Fate』シリーズを自分で手がける達成感

——ディライトワークス、またはFGOチームだからこそ出来た仕事はありますか?

カノウ氏:たくさんありますが「カルデアボーイズコレクション アフターパーティー」は思い出深いです。社内の女性スタッフが企画したものだったのですが、ユーザーさんから人気を博したため、2018年6月からはコラボカフェも開催しました。

石倉氏:原作のTYPE-MOONさんの懐の広さでさまざまな施策を実現させていただいています。『FGO』らしささえ失わなければ、最近の「FGOマンチョコ」や「FGO冬祭り 2018-2019」のイヴァン雷帝スライダーのような、お客様に楽しんでいただける企画を提案できます。

▼2018年12月から2019年2月までFGO冬祭りの各会場で体験できる「イヴァン雷帝スライダー」。


——自分の考えている『FGO』のアイディアを実現できるチャンスがある、と。

石倉氏:そうですね。「今日よりも明日のほうが面白い『FGO』を作れる」と考えられる人に集まってもらえるとうれしいです。

また、「FGOスタジオ」への就職や転職に興味がある人はリアルイベントを覗いてみてほしいです。どのようなお客様が『FGO』をプレイしているのかを実感できると思います。私たちがリアルのイベントをやり続けているのも、デジタルのサービスだからこそ「目の前のお客様に楽しんでいただく」という感覚を忘れないためだったりもします。

カノウ氏:最近は私も石倉といっしょに会場でシールを配っていますが、ユーザーさんから温かい言葉をたくさんいただいて開発の励みになっています。その想いを現場の開発スタッフにも伝えたくて、会場にも同行してもらったりしています。なかなかスケジュール調整も難しいとは思いますが、イベントの熱気に触れることで開発への活力となると同時に「FGO」をもっとよくしていこうという思いが、より一層増すのではないかと思っています。


——ほかに「FGOスタジオ」で働くからこそのメリットなどはありますか?

石倉氏:TYPE-MOONの武内崇さんと奈須きのこさんが新作を発表している“場所”で働けることではないでしょうか。たとえば連載中のマンガをゲームにするのであれば、原作こそが最新作で、ゲームはそのあとのものになります。しかし『FGO』の場合は原作者の最新作をスマートフォンゲームの中で一緒に作り上げることができる。この経験はなかなかできないと思います。

カノウ氏:TYPE-MOONさんからシナリオをいただいたあと、「演出はどうするのか、背景はどうするのか」といったことをイメージを膨らませながら考えることになりますが、とてもやりがいがあります。

石倉氏:ほかのIP作品だと、許諾をもらって監修だけをするということもあるかと思いますが、我々はひとつの作品を多方面から一緒に作っていくという感覚です。


——TYPE-MOONの最新作を作るということは責任とともにハードルの高さもあると思いますが、ディライトワークスへの就職を目指している人が事前に用意していたほうがよいことはありますか?

石倉氏:「FGOスタジオ」で働こうと思っていいただける方は、まずは『FGO』をたくさんプレイしてください。また『Fate』シリーズはさまざまな広がりを見せている作品なので、それらを追って世界観を深く理解してもらいたいですね。

カノウ氏:もちろん『FGO』を知らない人でもディライトワークスに興味を持っているのなら面接にきてほしいですね。きちんとこちらでフォローしていきますし、実際に『FGO』をプレイせずに入社した新卒の方や中途の方もいます。

——「FGOスタジオ」にはゲーム業界未経験から入社した人もいるのでしょうか?

石倉氏:1割ぐらいはゲーム業界未経験でした。技術職などは過去に培ったスキルが生きることもありますが、それ以外はエンターテインメントが好きという気持ちがあれば歓迎します。

カノウ氏:弊社を希望される方が意欲をもって伸ばしていきたいスキルと、こちらが望む役割がマッチすれば、ゲーム業界未経験でもまったく問題ないです。

——そんななかで、今後、「FGOスタジオ」が目指している姿や、新しいメンバーたちと目指したい姿についてお聞かせください。

石倉氏:今、「FGOスタジオ」が大切にしているものが3つあります。

1つは「TYPE-MOON WORLD」。これはTYPE-MOONさんの作る世界を具現化することと、原作元へのリスペクトです。

2つめは「Thanks for」で、“ありがとう”をお互いに言い合うことができる環境を作ることですね。

最後は「NEXT FGO」で、次の『FGO』を作るのは我々だという意識を持つこと。これは『パート2』を作るという話ではなく、今日の『FGO』より明日の『FGO』を面白くするという努力をどれだけできるのかという心構えの話ですね。

これら3つはスタッフにも大事なことであると伝えています。

カノウ氏:とくに「NEXT FGO」はユーザーさんの声に応え、さらにそれを越えるためにとても大事にしています。

最近は「FGOスタジオ」もできて環境も変わってきていますが、改めて感じるのは、コミュニケーションがいちばん大事だということですね。『FGO』自体が多くの積み重ねで出来ているタイトルなので、ひとつ新しい機能を追加するにしても、すごく多くのメンバーがかかわることになります。少し機能を改修しただけでも想定外の動作をしてしまうこともありますので、そういったことを未然に防ぐためにもコミュニケーションが非常に重要だと考えています。

そして、そのコミュニケーションを連鎖的に強めていってくれるのがのがThanks for……「ありがとう」という言葉なんです。その言葉がメンバー同士の連携を強くしていき、さらに『FGO』をよりよいものにすることができるようなるんだと思います。

『FGO』の開発規模は大きくなっていますが、そういった大事な心を忘れることなく、ひとりひとりが繋がっている強固なスタジオを作っていきたいです。

——なるほど。

カノウ氏:「たくさん募集してパーツのように人材を埋めていく」ということは、まったく考えていなくて、ひとりひとりの個性が大事なスタジオだと思っています。

石倉氏:また、組織改編にあたってチームが一つになるように、スタジオロゴを制作しました。ゲームのロゴはすでに素敵なものがあるので、シンプルに『FGO』を「スタジオメンバー」が紡ぐという想いでこのようなロゴが出来上がりました。

「FGOスタジオ」ロゴ


——最後にディライトワークスへの就職や転職を目指している方たちへのメッセージをお願いします。

カノウ氏:私自身が40歳を迎えるときに将来について悩みましたが、ディライトワークスに入社したことで、10年後や20年後のキャリアパスが少しずつ見えるようになってきました。もし、同じようにキャリアパスにお悩みの方などいましたら、まずは相談レベルでもお会いできれば良いなと思います。

石倉氏:成長意欲があり、向上心のある方に来ていただけるとうれしいです。正直ラクな仕事ではないですが、『FGO』に携わることで今後の人生に大きなプラスになると思います。ぜひ未来の『FGO』をいっしょに作りましょう。よろしくお願いします。

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(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT

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