アプリ『Fate/Grand Order(FGO)』のリアルイベント「FGO冬祭り 2017-2018 ~冬のファラオ大感謝祭~」で開催された「クリエイターズトークイベント」(広島会場)のステージレポートをお届けします。
▼登壇した石倉さんは、先日中国で開催された『FGO』1周年記念フェスで配布されたという女主人公バッグを頭にかぶっていました。
「クリエイターズトークイベント」には、FGO PROJECT クリエイティブディレクターの塩川洋介さん、マーケティングディレクターの石倉正啓さん、そしてディライトワークスの企画セクション プランナーである加藤 尭さんが登壇。
ユーザーアンケートの一部結果や塩川さんの一問一答、イラストに関する裏話などが披露されました。
ちなみに、バスター石倉さんが会場のユーザーに挙手制でアンケートをとったところ、来場者のほとんどが広島県近辺に在住の方で、『FGO』のリアルイベントに初めて参加するそうです。
▼塩川さんが女主人公バッグをかぶる一幕も。
塩川さんの運命のサーヴァントは○○○○○!
まず最初は、直近の『FGO』を振り返るコーナー。先日開催された期間限定イベント「節分酒宴絵巻 鬼楽百重塔」について塩川さんは、初の節分イベントということで新しいことをやりたかったと実装意図を語りました。
また、『FGO』には数多くのサーヴァントが登場するので、1騎でも多くの魅力的なサーヴァントに出会ってほしいという思いもあったそうです。
バスター石倉さんからは、すかさず「本当は混浴させたかったんでしょ?」とツッコミが入ると、会場からは笑いが。塩川さんも、そういう楽しみ方もありますとコメントしていました。
塩川さんによると、また同じような機会もあるかもしれないので、引き続きいろいろなサーヴァントを育てておいてほしいとのころ。
続いては、2月15日に終了となった期間限定イベント「バレンタイン2018 〜繁栄のチョコレートガーデンズ・オブ・バレンタイン〜」の話題に。
2016年から2017年版に変わる際に男性サーヴァントのお返し礼装が実装されたバレンタインイベント。
増えすぎたサーヴァント全員にチョコをあげたい、もらいたい、そんな気持ちが作業に変わらないように、今年は「ロックオンチョコ」と「サプライズチョコ」を実装したそうです。
塩川さんいわく、「サプライズチョコ」で出てきた1騎目のサーヴァントが自分の運命の相手だとコメント。ちなみに塩川さんの1騎目は星1バーサーカーのスパルタクスだったそうです。なぜ男性?(笑)
企画セクションのプランナーである加藤さんによると、今年実装されたチョコ&お返し礼装は全部で44枚。2017年の154枚に比べると1/3以下でした。
最後は復刻された「空の境界」イベントの話題に。2年前に実施された本コラボイベントは、サービス開始から半年後と初期に開催されたコラボイベントだった関係で、復刻の要望が絶えなかったとのこと。
コラボイベントは特別感があり、他のイベントとは違う形でお祭り感を楽しんでほしかったため、新規サーヴァントの浅上藤乃をサプライズ実装したそうです。
概念礼装を400枚以上作成したプランナーの仕事内容に迫る
イベントの振り返りが終了し、続いては冬祭りイベントの恒例となった「FGOのココを担当してます!」のコーナーに。今回はディライトワークスの企画セクション プランナーである加藤尭さんの仕事内容が紹介されました。
加藤さんが主に担当されているのは、大きく分けて以下の3つ。
- 概念礼装の制作全般(アイデア出しから解説テキストの作成まで)
- サーヴァントプロフィールのまとめ
- ボイス収録の進行管理
礼装のテキストについては、加藤さんが担当するのは草案作りまでで、奈須きのこさんが監修したものが最終稿となるそうです。また、サーヴァントのプロフィールについても、ライターさんが書いたものをとりまとめる作業になります。
『FGO』に現在実装されている概念礼装は、全部で763枚。そのうち加藤さんが担当した礼装は、なんと400枚とのこと。
もちろん1人で作っているわけではなくて、チームで作成しています。初期はチームメンバーが2人で、生放送でもおなじみの安生さんも礼装を作っているそうです。幸い、今ではチームメンバーが3人に増えたとのこと。
なお礼装の担当作家さんは約200名で、1枚の礼装を作るためにだいたい2〜3カ月くらいはかかっているそうです。
1枚に2〜3カ月もかかる概念礼装は、以下のような流れで完成します。
- (1)アイデア出し
- (2)作家の選定
- (3)指針書作成
- (4)発注
- (5)ラフ画完成
- (6)着彩稿
- (7)仕上げ
- (8)解説テキスト作成
(1)のアイデア出しでは、ディライトワークスで考えたものをTYPE-MOONに提出して、武内崇さんのOKが出たものから作業を開始していくそうです。
(2)で礼装の設定と作風が合う作家さんを設定し、(3)でその人のための指針書を作成、見積もりなども含めての発注が(4)。
その後は作家さんからラフをもらって着彩し、編成画面のサムネイルなどのゲーム素材を作って、最後に加藤さんが解説テキストの草案を作っているそうです。もちろん、各工程すべてでTYPE-MOONさんの監修が入ります。
ステージイベントでは、(5)以下の流れの紹介として、百重塔イベントで実装された「鬼の衣」のラフ画などが公開されました。
▼「鬼の衣」のラフ画初稿。このころはまだ洋装だったんですね。2騎とも胸元がセクシーで、メガネもありません。
▼完成したラフ画では和装になってメガネが追加されています。
▼着彩稿で、われわれが見慣れた礼装になっていますね。礼装名が「カード名が入ります」になってるところなんて、開発中の生々しさが出てとてもおもしろいです。
▼仕上げで、編成画面やステータス画面で表示されるサムネイルなどのゲーム素材が作られます。
ここで、全763枚ある礼装から登壇者それぞれが心に残っている礼装をチョイス。トップバッターの石倉さんは、「アニバーサリー・ヒロインズ」を選びました。
FGO夏祭りで実装された本礼装は、各サーヴァントを描いたそれぞれの作家さんが合同で描いている豪華な礼装ということで、心に残っているそうです。
石倉さんは浴衣とか霊衣開放しないかな、と塩川さんに投げかけていましたが、特にコメントもなく塩川さんの番に。
塩川さんが選んだのは、まさに今開催中の「空の境界」コラボ礼装。『FGO』で最初に実装されたコラボイベントということで思い出深いそうです。当時は初めての試みだったため、どのような方向性にするのか一切決まっていなかったとのこと。
そんな何もない状態から、「FGOのコラボとは原作のクリエイターさんとのコラボなんだ」と方向性を決めて、奈須さんにシナリオを書いてもらったり、ufotableに礼装のイラストを描いてもらったりしながら進めたそうです。そのため、プレッシャーもすごかったと当時を振り返りました。
ちなみに、CMでああなったから、ゲームはどうしよう? と困ることもあったそうで、その時から「CMはイメージです」と記載してもらうようお願いするようになったそうです。
最後に礼装担当の加藤さんは「ナイツ・オブ・マリーンズ」をチョイス。この礼装が実装された当時、まだ円卓勢のことがよくわかっていない時期で、特にトリスタンの性格がわからなかったとのこと。
そんな時に奈須さんにテキストの草案を提出したら、ショートショートのような設定が戻ってきて、初めて「そうだったのか」と理解したそうです。
ちなみに、当日の司会を担当されていたアニプレックスの太田さんは、「ジョイント・リサイタル」をチョイス。理由は、FGO Fes『エクストラ』コーナーのライブステージで、大久保瑠美さんに着てもらうために礼装風の衣装を発注したからとのこと。
続いては、「FGO冬祭り」のキービジュアルの裏話が披露されました。加藤さんはイラストを担当されたAzusaさんからいろいろと情報を仕入れてきたそうで、まず最初にキービジュアルに隠された小ネタが披露されました。
礼装の下のほうをよく見てみると、コンベンションセンター(大分)、厳島神社(広島)、姫路城(兵庫)、夢メッセ(宮城)と各会場のイメージが盛り込まれているそうです。
さらに、マシュ、ニトクリス、クレオパトラの制作中のデザイン画が公開されました。
次に披露された裏話は、「バレンタイン」礼装について。チョコやお返し礼装は大量に作られていますが、それぞれ細部までこだわって作っているそうで、例としてタマモキャットのチョコ礼装が公開されました。
実はタマモキャット礼装の背景はヒョウ柄。なぜ猫なのにヒョウ柄したのか、その理由について加藤さんは、キャラがブレるのがタマモキャットなので、あえてとのこと。
続いて、シャーロックホームズと新宿のアーチャーのお返し礼装がスクリーンに映し出されました。関係性を示すために本の角度を対にして、2つとも背景をモザイク柄にしているそうです。
最後に紹介されたのは、星5ライダー・アルトリア(通称:メイド・オルタ)のチョコ礼装。蓋の部分を拡大すると、何やら英文が。実はこの英文には下記のような意味があります。
Compiled under the supervision of Altria Pendragon.
アルトリア・ペンドラゴン監修
Special Limited Edition chocolate mint cool bullet.
特別限定版 チョコレートミントクールバレット
The strongest maid will be with you, always.
最強のメイドが常にあなたと共にいよう。
上記のような形で意味のある文章になっています。拡大機能を使うと文字が潰れてしまうので、こうやって読める機会は貴重ですね。
加藤さんいわく、意味のない文章を入れることはなく、ほかの礼装も細かく意味が設定されているそうです。
第3回ユーザーアンケートの集計結果が一部発表
次のコーナーでは、1月14日〜1月31日に行われたユーザーアンケートの結果が一部発表されました。
最初に発表されたのは、回答者の性別。男性70.9%、女性27.0%、その他2.1%という分布で、昨年、一昨年よりも女性ユーザーが増えていることがわかります。
▼第1回では女性が19.1%でした。
次に発表されたのは、『FGO』をプレイするシーンについて。大半のユーザーが、自宅でくつろいでいる時(73.6%)、寝る前にベッドや布団で(59.4%)、朝起きた直後に(55.1%)と、片手間というよりもガッツリとプレイしているようでした。
これはオートプレイがない、ストーリー重視、という『FGO』のゲーム性によるものでしょう。なかなか片手間にはプレイしづらいゲームになっています。
ちなみに石倉さんはトイレでプレイする場面が多く、加藤さんは行き帰りの電車の中、塩川さんは隙あらばプレイしているとのこと。
3つ目は、FGOに期待する今後の展開について。第1位がTVアニメ(56.3%)、第2位が劇場アニメ(28.8%)と、8割のユーザーがアニメ化を求めているようです。意外にも家庭用ゲームは3割弱と少なく、4位の格闘ゲームにいたっては、14%弱となっています。
筆者は『メルティブラッド』が好きなので、この結果は正直意外。しかしこれが民意ということで、アニメ化が動くかどうかは不明ですが、今後の展開に期待したいところです。
ちなみに、この場面で塩川さんが会場のユーザーに「みんなアニメを見たいよね?」と質問を投げかけ、アニプレックスさんにプレッシャーをかけていました。
塩川さんの一問一答でユーザーのプレイ状況が多数判明
クリエイターズトークステージ最後のコーナーは、もはや恒例となった「復刻:教えて塩川さん!FGO一問一答」。事前に募集したユーザーの質問に、塩川さんがユーザーのプレイデータを交えて答えていきます。
最初の質問はこちら。
この質問に、塩川さんは「各レアリティの最大レベルまで育成されているフレンドポイント召喚対象サーヴァントTOP3」でもって回答しました。
▼第3位はエウリュアレ。筆者も口を酸っぱくして、絶対に育てましょうと何度も記事を書きました。
▼第2位はクー・フーリン。この結果には皆さん納得のご様子。
▼そして第1位は、貫禄のアーラシュ。1位が発表された瞬間、会場からは笑いと拍手が巻き起こりました。
塩川さんは、今度はアーラシュが何回死んだか調べたいとコメントしていたのが印象的でした。次の機会に期待したいですね!
▼トップ10まで発表されました。
トップ10で個人的に意外だったのは、メドゥーサがランクインしていること。宝具演出が短かかったので、宝物庫周回用? それとも、筆者のようにメドゥーサさんにいい意味で人生を狂わされたマスターが多いのでしょうか?
次の質問は、今年は男の水着もありますか‼︎ というもの。
石倉さんはしきりに「今年は男性のふんどし化?」と塩川さんに聞いていましたが、塩川さんは笑いながら「そんなことはない」とバッサリ。
諦めきれない石倉さんは、会場のユーザーに男性サーヴァントの水着化が見たいか聞いたところ、ほとんどの人が挙手していました。
気をよくした石倉さんは、さらに「ふんどし姿は見たいか?」、「カエサルのふんどし姿は見たいか?」、「ダレイオスのメイド姿」、「フェルグスの学ラン姿」とどんどんと独自の考えを展開。
ダレイオスのメイドには会場の反応がほとんどありませんでしたが、男サーヴァントのふんどし姿にはそこそこの拍手が。石倉さんから多数のプレッシャーを受けた塩川さんは、最終的に皆さんの温度感はわかりましたと明言を避ける形でコメントしていました。
塩川さんがだいぶ困ってしまったところで、最後の質問へ。兵庫と宮城で星3と星4礼装のランキングが公開されましたが、今度は全礼装のランキングが見たいというもの。
まずはおさらいで、星3限定のランキングと星4限定のランキングを振り返りました。
そしていよいよ、星1〜5の中で、レベルマックスまで育てられたことが多い礼装が発表されました。
▼3位は超優秀礼装の「ゴールデン相撲〜岩場所〜」。加藤さんは、ラフを切った時に社内が爆笑に包まれていたと裏話を披露してくれました。
▼2位は星1の頑強。
▼1位は星1の破壊でした。
登壇者の皆さんはなぜ低レア礼装が上位に入っているのかわからない様子でしたが、低レア礼装をレベルマックスまで育ててから星4〜5の礼装に与えて効率よくレベルをあげるやり方は、多くのユーザーが使っている攻略法ですね。
その証拠に、トップ10の結果では低レア礼装が多くランクインしていました。そんな中、トップ10に入っている相撲などの高レア礼装は本当に人気がある礼装と言えます。
礼装のランキングが発表されたところで、クリエイターズトークステージは終了となりました。最後に塩川さんは、ぜひ破壊を育ててくださいとメッセージを会場に投げかけ、和やかなムードでステージイベントの幕が閉じました。
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