画像は合成です。
Appleが、今後正式にリリースする予定の『iOS 11.3』の詳細を発表。さらに、開発者に限ってベータ版の公開も始めました。
バッテリー診断・処理能力制限の管理機能
バッテリーの状態を診断する機能と、バッテリーの状態に応じて処理能力を制限する機能をオン・オフできる機能がiOS 11.3で追加されます。
利用できる機種は『iPhone 6』・『iPhone 6s』・『iPhone 7』・『iPhone SE』(Plus含む)に限られます。
今回公開されたiOS 11.3のベータ第1弾には含まれておらず、今後のベータ版で追加する予定だとAppleは発表しています。
処理能力を制限する機能をオフにした場合、処理能力は仕様通りになりますが、これまで防いできた「電源が突然オフになる」現象に遭遇する機会が増えるはずなので、利用には注意が必要だと考えられます。
詳細はこちらをご覧ください。
→ iPhoneに追加される「バッテリー診断・管理」機能の詳細が判明
→ Appleが「バッテリー劣化でiPhoneの性能低下」問題で声明を発表
Apple IDのフィッシング詐欺対策を強化
悪意のあるアプリがApple IDの情報を入力する画面を偽装すれば、Apple IDに関する情報を盗むことができる、という指摘がありました。
これを受けてなのかは不明ですが、iOS 11.3からはAppleの公式アプリやiOSの機能が個人情報を求める際に下記のアイコンがあわせて表示されます。
Nice! #iOS113DevBeta1 pic.twitter.com/VyWCZFLVZO
— Dean (@CraftyDeano) 2018年1月24日
Message in iCloud
メッセージアプリでやりとりした会話・写真などをiCloudに保存でき、ほかのデバイスにも同期できる機能です。
ベータ版『iOS 11』には搭載されていましたが正式リリース前に削除され、ベータ版iOS 11.3で復活しました。
過去のメッセージをiCloudに保存することでiPhoneの空き容量を増やせますが、iCloudの容量を圧迫する可能性もあるので要注意です。
新しいアニ文字を追加
『iPhone X』で利用できるアニ文字に、ドラゴン・熊・頭蓋骨・ライオンが追加されます。
AirPlay 2
AirPlay 2は先日公開された『iOS 11.2.5』で一部の機能が利用できるようになり、アプリごとに曲やPodcastなどを再生する対応機器を選べます。
iOS 11.3ではさらにAirPlay 2の機能が追加され、複数の対応機器で同時に1つの曲やPodcastを再生できるようになります。
ARKit 1.5
拡張現実(AR)アプリに提供されるツールがアップデートされ、現実世界の風景に付加できるCGがよりリアルに表示できるようになります。
Appleの発表によれば、垂直面(例:壁)や不規則な形をした水平面(例:テーブル)にARでオブジェクトを配置できるようになるほか、カメラのオートフォーカスに対応し、映像の解像度も向上します。
iBooksは名称変更か
電子書籍・PDFを読んだり管理したりできるiBooksアプリの名前が、ベータ版iOS 11.3では「Books」に変更されました。
In iOS 11.3, iBooks is now just Books. pic.twitter.com/2s6734FovE
— Ryan Christoffel (@iryantldr) 2018年1月24日
これにともなってiBooks StoreもBooks Storeになるのかは不明です。
Apple Musicでミュージックビデオを拡充
Apple Musicでミュージックビデオのラインアップが拡充され、プレイリストを使って連続再生できるようになります。
iOS 11.3にあわせてビデオが拡充されるのか、それとも今月から拡充が始まっているのかは分かっていません。
HomeKitのセキュリティ向上
iOS 11ではHomeKit対応家電・家具を第三者が無断で操作できる問題が見つかり、悪用され得る弱点はすでに修正されました。
iOS 11.3ではこうした問題への対策が強化され、具体的な内容は不明ですが、プライバシーやセキュリティを新しい認証方式で確保するとしています。
緊急通報時に位置情報を送信
iOS 11.3でiPhoneは『Advanced Mobile Location』に対応します。
この機能は、対応する国で警察・消防などに通報する際、携帯電話の位置情報を相手に自動送信するもの。おもに欧米に導入されているようです。
日本では、通報先にGPSや基地局を使った位置情報を送信する仕組みが導入されており、iPhoneもすでに対応しています。
日本では使えない新機能
正式には発表されていませんが、おそらく日本では使えない新機能をまとめました。
Business Chat
メッセージアプリを使い、企業の担当者に質問したり、面会の予約を取ったりできるほか、Apple Payを使った支払いも行えるサービスです。iOS 11.3の正式公開後もBusiness Chatはベータ版として提供されます。
Apple Payを使った送金はアメリカに限って提供されている機能なので、Business Chatも当初はアメリカでのみ利用できるものと考えられます。
Health Records
Appleと協力している医療機関で受診すると、そのデータをヘルスケアアプリで管理できます。
Appleの発表によると、現時点での協力機関はいずれもアメリカを拠点とするもので、Appleの日本語版ウェブサイトではその詳細は公開されていません。したがって日本では当面利用できない機能と考えられます。
Apple News
アメリカ・イギリス・オーストラリアではAppleが提供するNewsアプリを使い、記事を読むことができます。iOS 11.3では動画機能が強化されます。
記事を読まずとも、その日の最も重要な動画を見ることができるようになる、とAppleは説明しています。
日本での提供予定は不明です。
iOS 11.3の正式リリースはいつ?
Appleは「今春」に正式リリースを予定しています。正式にリリースされると、開発者やテスト参加者でなくても、対応機種があればアップデートできます。
『iOS 11.1』と『iOS 11.2』は、ベータ版公開から正式リリースまでにかかった日数が30日強です。
ただし過去2年の例を見ると「iOS x.3」は、ベータ版の期間がその前のバージョンよりも長くなる傾向にあるようです。『iOS 9.3』も『iOS 10.3』も60日を超えています。
© 2018 Apple Inc.
参考
- Apple、iOS 11.3をプレビュー – Apple (日本)
- Apple announces solution bringing health records to iPhone – Apple
- iOS Version History Chart
- 対応機種 | サービス・機能 | NTTドコモ
- @iryantldr – Twitter
- @CraftyDeano – Twitter
・販売元: iTunes K.K. ・掲載時のDL価格: 無料 ・カテゴリ: ユーティリティ ・容量: 43.9 MB ・バージョン: 2.0.1 |