最近耳にすることが多い「Meltdown」・「Spectre」というセキュリティの弱点を巡り、消費者がAppleを訴えたことが分かりました。
500万ドル超の賠償を求めた裁判に
ウェブサイト『Mac Rumors』が確認した内容によると、以下の2点からAppleに対して賠償を求める訴えが起こされました。
- Appleは少なくとも2017年6月にはMeltdown・Spectreバグを認知していて、より迅速に公表することができたはず
- iPhoneなどの処理能力に影響を与えず、バグの必要十分な修正は行えない可能性が高い
Appleは2018年1月に、Meltdown・SpectreバグはiPhone・iPad・Macなどに影響することを公表しています。
原告によると、Meltdown・Spectreバグの必要十分な修正を行なった場合、5〜30%は性能が低下する可能性があります。
この裁判は少なくとも100人が参加する集団訴訟になり、賠償請求額は500万ドル(約5.5億円)超になる見込みです。
Meltdown・Spectreとは
プロセッサでデータを処理する際に使われる技術に問題があり、これがMeltdownやSpectreと呼ばれています。
この弱点を突くことで第三者が重要なデータにアクセスできるとされているため、Appleはこの影響を緩和するための策を講じています。
『iOS 11.2』ではMeltdownによる影響を緩和し、『iOS 11.2.2』ではSpectreによる影響を緩和する措置が取られました。ただし、完全には修正されていません。
修正で処理能力が低下する恐れも
こうした緩和策はプロセッサの処理能力に悪影響を及ぼす、と言われています。ただし、その影響の度合いについては議論があります。
Appleが行なったテストでは、Meltdown緩和策の実施前と後では処理能力に変化は見られず、Spectre緩和策では2.5%未満の能力低下が見られた、と説明されています。
一方でMelvin氏が行なったテストでは、『iOS 11.1.2』からiOS 11.2.2にアップデートしたところ、プロセッサの処理能力が40%近く低下したとされています。
ただし、原因がMeltdownやSpectreバグの緩和策にあるのかは不明で、バッテリーを交換していない『iPhone 6』での検証結果であることから、劣化バッテリーによる性能低下が原因である可能性が考えられます。
参考
- Apple Sued Over Meltdown and Spectre in U.S. as iPhone Slowdown Lawsuits Now Total 45 – Mac Rumors
- iPhone performance benchmarks after Spectre security update | Melv1n
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