Wi-Fi規格の策定・Wi-Fi機器の認証などを行うWi-Fi Allianceが、Wi-Fiのセキュリティに関する新たな規格として『WPA3』を発表しました。
WPA3の新機能
以下が新たに追加される機能とされています。
- Wi-Fiのパスワードが脆弱であっても強固なセキュリティを確保
- 画面を持たない・表示できる情報に制限がある機器でも設定が簡単に
- 機器がやりとりするデータを個別に暗号化
(1)の具体的な機能として、パスワードを総当たりで試す辞書攻撃対策の強化が挙げられています。パスワード認証に一定回数失敗すると、アクセスを遮断するそうです。
(3)については、念頭にあるのは公衆無線LANとしての利用です。現在の方式では、同じWi-Fiに接続する機器がやりとりする、暗号化されていないデータは盗み見されたり、改ざんされたりする恐れがあります。
WPA3では、機器がやりとりするデータを個別に暗号化することで、同じWi-Fiに接続していてもデータを盗み見することが困難になります。
さらに、2017年に話題となった「KRACK」問題で弱点とされた部分も新方式に切り替えられ、攻撃への耐性が強化されます。
利用にはWPA3対応機器が必要
WPA3の詳細はまだ発表されていませんが、Wi-Fiルーターと接続する機器(例:iPhone)の両方がWPA3に対応する必要がおそらくあります。
Wi-Fi AllianceにはAppleもスポンサーとして参加しているので、AppleはWPA3に対応した機器をいずれ発売するものとみられます。
今あるiPhone・iPadはどうなる?
一方で、これまでに販売されたiPhoneやiPadがWPA3に対応するのかは不明です。
もしWPA3に対応した部品が必要でなければ、iOSのアップデートで対応するものと考えられますが、古い機種は対象外になる可能性もあります。
WPA3対応の機器がいつ発売されるのか、そしてWPA3がどれくらい早くに普及するのかは分からないので、今すぐ対処が必要なものではありません。
しかし、現在普及しているWPA2を置き換えるものになるのは間違いないでしょう。今日ではWi-Fiは必要不可欠なものになっているので、その動向に注目です。
参考
- Wi-Fi Alliance announces new WPA3 security protections – The Verge
- Wi-Fi Alliance® introduces security enhancements | Wi-Fi Alliance
- With WPA3, Wi-Fi security is about to get a lot tougher | ZDNet
・販売元: iTunes K.K. ・掲載時のDL価格: 無料 ・カテゴリ: ユーティリティ ・容量: 14.2 MB ・バージョン: 1.3.4 |