『iPhone 7』・『iPhone 7 Plus』の性能を『iPhone 6s』・『iPhone 6s Plus』と比べました。
テストの条件
以下のアプリを使ってベンチマークという、性能を数値化するテストを行いました。
- Geekbench 4(バージョン4.0.0)
- GFXBench GL(バージョン4.0.10)
- GFXBench Metal(バージョン3.1.6)
- PerformanceTest Mobile(バージョン1.1.0)
テストの条件は以下の通りです。
- iOS 10.0.1をインストール
- ほかのアプリをすべて終了した状態で実施
- ベンチマークの実施は1回
同じデバイス・条件でテストを行っても、個体差などによって同じ結果を再現できない可能性があります。
スペックを比較
これまでに判明している、iPhoneの処理能力に関わるスペックをまとめました。
iPhone 7 | iPhone 7 Plus | iPhone 6s | iPhone 6s Plus | |
---|---|---|---|---|
プロセッサ | A10 Fusion | A9 | ||
コア数 | 4コア (省電力2コア・高性能2コア) |
2コア | ||
最大速度 | 2.33GHz | 1.85GHz | ||
システムメモリ | 2GB | 3GB | 2GB |
iPhone 7/7 Plusではプロセッサのコアが4個になり、必要とされる能力に応じて「消費電力は少ないが遅いコア」と「消費電力は多いが速いコア」を使い分けます。
この仕組みのおかげで、iPhone 7/7 Plusは効率良くバッテリーを使えるため、Appleが公表している稼働時間は長くなっています。
ただし、高い処理能力を必要とする使い方を続ければ、消費電力が多いコアを使い続けることになるので、Appleの公表値通りにはならない可能性が高いです。
計算能力を比べる
『Geekbench 4』を使い、各iPhoneの計算能力を比べます。
まずはプロセッサで計算を担うコアを1つだけ使った、シングルコアの結果です。数値が高いほど計算能力が高いことを示しています。
コアを2つ使った、マルチコアの結果は以下の通りです。こちらも数値が高いほど計算能力が高いことを示しています。
シングル・マルチコアともに、iPhone 6s/6s Plusの1.3〜1.4倍ほどの結果でした。
iPhone 6sと『iPhone 6』を比べたときも同様の結果だったので、昨年と同じような性能アップと言えるかもしれません。
グラフィックの処理能力を比べる
ゲームには欠かせないグラフィックの処理能力を『GFXBench GL』で比べました。数値が高いほど処理能力が高いことを示しています(スコアの小数点以下は切り捨て)。
Appleが開発した、iPhone・iPadの能力を引き出す『Metal』を使った場合の処理能力を『GFXBench Metal』で比べてみました。
こちらも数値が高いほど処理能力が高いことを示しています(スコアの小数点以下は切り捨て)。
iPhone 7に明確な性能アップが見られない一方、iPhone 7 Plusは健闘しています。
「Plus」モデルはディスプレイ解像度が高いので、グラフィックの処理能力はこれまで4.7インチiPhoneに劣っていましたが、そのギャップを埋めつつあるようです。
ストレージ・メモリの性能を比べる
ストレージはデータほ保存しておく場所、メモリは処理に必要なデータを一時保存しておく場所です。
どちらもデータを読み書きするスピードが重要で、高速であれば快適にアプリを使える場面が増えます。
その性能を『PerformanceTest Mobile』で計測しました。
ストレージの性能
総合スコアは以下の通りです。数値が高いほど高速であることを示しています。
iPhone 7とiPhone 7 Plusでスコアが大きく異なる理由は、容量の違いかもしれません。今回のテストでは128GBのiPhone 7と、32GBのiPhone 7 Plusを用いました。
これまでのiPhoneからすると、容量が大きいiPhoneほど高速なストレージ・制御装置を使っているため、今回も同様の結果になった可能性があります。
メモリの性能
総合スコアは以下の通りです。数値が高いほど高速であることを示しています。
iPhone 7/7 PlusはiPhone 6s/6s Plusと同じ、LPDDR4規格のメモリを搭載しているようですが、結果を見る限りでは読み書きがさらに速いようです。
まとめ
昨年とは異なり、iPhone 7/7 Plusのグラフィック処理能力が大幅に伸びていません。他所で行われているテストでも同様の結果が出ています。
プロセッサ・メモリの読み書きなどが高速化していることを踏まえると、iPhone 7/7 Plusではグラフィックに関する処理の負荷が高いのかもしれません。
グラフィック処理はiPhoneを使う上で不可欠な要素なので、総合的な処理能力という観点からすると、iPhone 6s/6s Plusと比べてiPhone 7/7 Plusでは大きな変化が感じられない可能性があります。
一方で新型iSightカメラ・耐水・『Apple Pay』など、今回のベンチマークには含まれない要素も。これらが新型iPhoneのおもな魅力となりそうです。
参考
- iPhone 7 Plus Teardown – iFixit
- iPhone 7 ベンチマークレポート | iPhone | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)
- iPhone 7 のA10 Fusionプロセッサは最大2.33GHz、L2キャッシュ3MB、メモリ容量は2GB仕様 | iPhone | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)
- iPhone 7 PlusのA10 Fusionプロセッサは最大2.33GHz、L2キャッシュ3MB、メモリ容量は3GB仕様 | iPhone | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)
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