いまお使いのiPhoneでも「格安SIM(MVNO)」が使える場合があることをご存知でしょうか。
格安SIMを使えば、ドコモ・au・ソフトバンクなどのキャリアよりも安い料金プランでSafariやLINEが使えます。その一方で注意したい点もあります。
iPhoneで使うことを前提に、格安SIMのメリット・デメリットをご紹介します。
そもそも「格安SIM」とは?
格安SIMで使える回線は、企業がキャリアから借りたものです。基地局などの整備にかかるコストがないので、キャリアよりも安い料金プランを用意しています。
さらに格安SIMでは、使えるサービスを限定することでも料金を抑えています。
料金プランは「データ通信のみ」・「データ通信+SMS」・「データ通信+SMS+音声通話」の3種類。キャリアでは「データ通信+SMS+音声通話」が主流です。
毎月のデータ通信量はキャリアと同じく選べますが、最初から通信速度を制限した状態のプランもあります。
いま使っているiPhoneでも使える?
格安SIMはiPhoneでの動作を保証していません。その代わり、独自に動作するか否かの確認を行っている企業もあります。
格安SIMはドコモから回線を借りているところと、auから回線を借りているところがあります。それぞれの格安SIMに対応するiPhoneを大きく分類すると、以下の通りです。
以下の分類に当てはまっても、格安SIMの種類・iPhoneのモデル・iOSのバージョンによっては格安SIMで通信できない場合があります。また、下記の表は動作を保証するものではありません。
ドコモ系格安SIM | au系格安SIM | |
---|---|---|
ドコモ版iPhone | ○ | × |
au版iPhone | × | ○ |
ソフトバンク版iPhone | × | × |
SIMフリー版iPhone | ○ | ○ |
キャリアで販売されているiPhoneは、各キャリアでSIMロックを解除することでドコモ系・au系の格安SIMが使える場合があります。
格安SIMのメリット
キャリアよりも料金が安い
iPhone 6sの16GBモデルを新たに購入し、毎月5GBのデータ通信量と音声通話・SMSが利用できるプランを契約する場合で比べてみましょう。
※ 金額はすべて税抜きです。
※ キャリアは1回5分の通話がし放題のプランで計算
※ 格安SIMはAppleのSIMフリー版(86,800円)を購入し、24回で割った金額で計算
キャリア | 格安SIM | |
---|---|---|
料金プラン | 7,000円 | 2,000円前後+通話料 |
機種代金(24回) | 約600〜1,000円 | 約3,616円 |
毎月の料金 | 約7,600〜8,000円 | 約5,616円前後+通話料 |
格安SIMが月額2,000円の場合、キャリアに比べて2,000円ほど安くなります。通話料は20円/30秒なので、通話時間が50分以内なら格安SIMの方がおトクです。
豊富な料金プラン
格安SIMでは、キャリアと同じ「毎月のデータ通信量の上限は○GBまで」というプランのほかにも、多種多様なプランが用意されています。
- 音声通話ができない、データ通信のみのプラン
- 月間データ通信量の上限はないが、1日のデータ通信量に上限があるプラン
- 常に速度制限されているが、月間データ通信量に上限がないプラン
- 特定アプリのデータ通信量が無料になるプラン
格安SIMのデメリット
iPhoneでの使用は無保証
キャリアとは異なり、iPhoneで格安SIMが使えることは保証されていません。すべて自己責任です。
iOSをアップデートすると格安SIMが使えなくなる場合もあるので、情報収集はもちろん、トラブルが起きればそれを解決する労力も必要になります。
SIMロック解除が必要な場合がある
いま使っているiPhoneで格安SIMを使う場合、「SIMロック」の解除が必要になる場合があります。特定のキャリア以外のSIMカードを使用不能にする制限です。
SIMロックを解除するには、キャリアによって細かな条件は異なるものの、iPhoneの購入日から180日、あるいは解約から90日が経過している必要があります。
さらにSIMロックを解除できる機種は限定されています。現在、各キャリアでSIMロックを解除できるiPhoneはiPhone 6s/6s Plusのみです。
年齢認証・キャリア決済が使えない
格安SIMでは、LINEでのID検索を可能にする「年齢認証」ができません。友だちを追加するには、電話番号を交換して連絡先を同期するか、「ふるふる」やQRコードを使う必要があります。
料金の請求をキャリアの利用料金にまとめられる、「キャリア決済」も利用できません。代わりの支払い方法としてクレジットカード・各種プリペイドカード・銀行口座からの引き落としが必要です。
(2015年11月18日 追記)
まとめ:格安SIMはおトクなのか?
通話時間が短い、あるいはほとんど通話しない場合、毎月の料金という点では格安SIMの方が安いです。
しかし、格安SIMはiPhoneで使えることが保証されていません。通信に関するトラブルが起きたときは自力で解決しなければならず、解決できない恐れもあります。
多少のリスクがあっても問題ない・トラブルは自分で解決できる方にとって、格安SIMはおトクな選択肢と言えるのではないでしょうか。