Apple が音響機器・音楽配信を扱う「Beats」を買収すると発表しました。
(画像:Beats Music)
Apple が約3,000億円で買収するのは、ヘッドフォンなどの音響機器を扱う「Beats Electronics」と、音楽ストリーミングサービス「Beats Music」です。
買収後も、Beats Electronic・Beats Music は存続するとのことです。
Apple はこの買収で何を得るのでしょうか?
そもそも「Beats」とは?
Beats Electronics は、音楽プロデューサーのジミー・アイヴォン氏とラッパーのドクター・ドレ氏が2008年に立ち上げた企業です。
現在では、自社ブランドのヘッドフォン・イヤフォン・スピーカーを提供しているほか、他社製品に音響システムも提供しています。
月額制の音楽ストリーミングサービス「Beats Music」は、ベストな曲を提供することをうたい文句にしています。
(画像:Beats Music)
その時の場所・気分・誰といるのか?という情報や、好きな曲・アーティストを指定すると、選曲に活かされる仕組みです。人間がキュレーションに参加している点も強調されています。
Beats買収の理由
iTunes Store などを担当する Apple の上級副社長エディー・キュー氏によれば、Beats を買収した理由は3つあります。
1つ目は、Beats が人々の関心を引くチームであることです。とくにラッパーのドクター・ドレ氏を「驚くべきアーティスト」と評しています。
海外メディア Re/code のインタビューでは、Apple のティム・クック CEO が「Beats は素晴らしい人材を Apple にもたらした」とも発言しています。
2つ目は Beats Electronics が素晴らしいヘッドフォンを開発したことです。キュー氏は、Apple はヘッドフォンだけでなくスピーカーにも興味を持っていると発言しています。
3つ目は Beats Music が持つ、状況に合わせてベストな曲を提供する能力です。
買収後もBeatsは存続
買収後も Beats は存続することになっています。
Beats Electronics は HP などに音響システム・ブランドを提供していますが、それも継続されます。責任者は Apple 上級副社長でマーケティングを担当するフィル・シラー氏になります。
Beats Music のサービスも継続され、Android・Windows Phone 版アプリの提供も続けられるとしています。責任者はエディー・キュー氏になります。
Appleが得るものは何か
Beats 創始者のジミー・アイヴォン氏とドクター・ドレ氏が Apple に入社します。
Beats の音響機器に関するノウハウも手に入れることになるでしょう。
エディー・キュー氏は、Apple は Beats のヘッドフォン・スピーカーに興味を持っていると発言しているので、Apple 製品の「音」が改善されるかもしれません。
Beats Music の「ベストな曲を提供できる能力」は、iTunes Radio に活かされる可能性があります。さらに Beats 創始者の2人が、iTunes Radio の機能・プロモーションに助言することも考えられます。
(画像:Apple)
ロイターによれば、音楽業界にいた両氏が Apple に入社することで、レコード会社との交渉も進めやすくなる、との見方もあります。
参考(順不同)
- Apple – iTunes Radio – Hear where your music takes you.
- Beats by Dre
- Beats Music | Online Music Streaming
- Apple to Acquire Beats Music & Beats Electronics | Beats Music
- This is why Apple bought Beats – Engadget
- Apple owns Beats, but the brand is still alive at HP – Engadget
- Apple’s Tim Cook Explains Beats Deal in Interview | Re/code
- Apple confirms it's buying Beats for $3 billion | The Verge
- Apple now makes Android and Windows Phone apps | The Verge