今回、ダ・ヴィンチ電子ナビよりご紹介頂く「今週はこの一冊!」は2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い ネットで人々をとりこにする40の手口です!この記事の執筆者は「アサトー ミナミ」さんです。
ネットという海で美味しそうなエサが目の前をヒラヒラと舞えば、誰だって思わず食らいつきたくなる。だが、話の真偽を考えたことはあるだろうか。時にはネット上での話を真に受けて、デマを流してしまってないか。求められるのは、ネットリテラシー。正しい情報を見極めるすべなのだ。
※単体アプリではなく、「BOOK☆WALKER 」「Kindleストア」「BookLive!」等で取り扱われている電子書籍です。
ネット上には「釣り師」と呼ばれる人間がいる。多くの釣り師たちは、時間をかけてエピソードを創作し、「2ちゃんねる」「発言小町」「はてな匿名ダイアリー」などの掲示板に創作の物語をさも現実に起こった出来事のように投稿する。読者からの反応があれば丁寧に応対し、数日、ときには数ヶ月にわたって投稿していく。読者たちは釣り師が作るエピソードの続きが気になり、毎日何度も掲示板にアクセスしてしまうのだ。『2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』は、Hagex氏による「釣り師」判定本。釣り師たちが投稿する創作エピソードを見破るための技術について記している。
なぜ、「釣り師」はわざわざ手間がかかることをするのだろうか。この本によれば、注目されたいという承認欲求、単なるヒマつぶし、小説家崩れの腕試し、アクセス数を稼ぐことによる小遣い稼ぎなどが理由として挙げられるらしいが、どの立場であろうと「釣り師」は生半可な気持ちでは多くの人を「釣る」ことなどできない。投稿内容や画像だけでなく、投稿時間、投稿IDにも気を配らなくては、「釣り師」は人を騙すことができないのだ。
Hagex氏による釣り文章を見抜く方法には、とてもロジカルだ。ミクロから文章を見る方法、マクロから文章を見る方法など様々な方法がこの本の中では示されている。たとえば、「釣り」を見抜く方法として彼は、「これがもし創作文章で読み手を騙したいのであれば、その目的はなんだろう」と考えるという。まるで国語の問題を解くように注意深く読み進めていけば、「釣り師」は判定できるのである。特に対立要素があるものが「読み手が議論始めたがるテーマ」となる。男女対立、嫁姑、親子、学歴、年収、ゆとり世代、容姿、童貞・処女、社畜、中国・韓国、喫煙、ネット右翼、マスコミ…。「釣り師」が好んで使う対立要素が出てきたら(キャプチャー画像参照)、「釣り」の可能性が高くなる。
ウソの文章は「虚偽が露見しない」という点に重きがおかれるが、釣りの文章は「メッセージを伝えたい」「この文章に注目させたい」「読み手を騙したい」という点が重視されている。釣り師の文章には、「読んだ人の心を動かす要素」が必ず入っているのだ。そのため、矛盾点を探し出すことも気をつければ、できるはずだ。たとえば、Hagex氏は、釣りの鑑定をする際に、例えば「建築業の夫が急に帰ってきて」というフレーズがあれば、建築業の人のTwitterを探して、本当にこの時間で帰宅できるのかをチェックする。建築業特有の癖と矛盾がないか、エピソードに出てくる人物になりきるのである。「そこまでやるのか…」と驚かされるが、探偵気分で、「釣り師」を見つけ出すのも新たな楽しみ方かもしれない。
ネット上に溢れる「釣り師」の罠。ただ人を楽しませるためのストーリーならば良いが、時には人に不快な思いをさせたり、デマを広めさせたりする悪意あるものも少なくない。そのようなものに騙されないようにするためにも、この本は必需品。自分のネットリテラシーを研ぎすませるために読んで損はない1冊かもしれない。
ネット上に溢れる「釣り師」を見抜くコツ
・開発: BookLive Co., Ltd. ・掲載時の価格: 無料 ・カテゴリ: ブック ・容量: 13.2 MB ・バージョン: 2.4.6 |
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