ロイターによると、中国の工業情報省が China Mobile(中国移動)などのキャリアに中国版 LTE の免許を交付しました。
China Mobile は7億人の契約者を抱える世界最大のキャリアですが、iPhone は取り扱っていません。その理由の1つとして挙げられているのが通信規格の違いです。
しかし、中国版 LTE が正式に運用できるようになった今、China Mobile で iPhone が発売される可能性が高まっています。
さらに Wall Street Journal は、Apple と China Mobile が今月中にも iPhone を発売することで合意した、とも報じています。
China Mobileの通信事情
中国版 LTE 以前の China Mobile は中国独自の 3G 回線を採用していたため、他国のデバイスを持ち込んでも China Mobile では使えませんでした。
一方で中国版 LTE は「TD-LTE」方式を採用しています。この規格はアメリカ・ロシアでも使われ始めているもので、iPhone 5s/5c にも対応しているモデルがあります。
これまでは都市部などで試験的に運用していましたが、ロイターが報じた通り、免許が交付されたことで正式にサービスを提供できるようになりました。
ちなみに、日本で iPhone 5/5c/5s から利用できる LTE 回線は TD-LTE とは異なる「FDD-LTE」方式を採用しています。
こうした事情に加えて他のキャリアがすでに iPhone を販売していることから、China Mobile も iPhone の販売を始める可能性は高いと見られていました。
Appleにもチャンスだが…
China Mobile が iPhone の取り扱いが始まれば、Apple にとってはさらに販売台数を伸ばす足がかりになります。
とはいえ、すでに他キャリアで発売されている iPhone をこれから購入するユーザーはいるのか・LTE のカバーエリアは広いのか?という懸念もあります。
さらに TD-LTE に対応するのは iPhone だけではありません。Android スマートフォンも対応機種が続々と発表されています。
iPhone が販売台数を伸ばすことは確実と思われますが、中国でのシェアはおよそ8割が Android と言われています。
そうした状況下で China Mobile での iPhone 販売開始がどのような影響を与えるのか、今後のシェアの変化には要注目です。