その場所に出向いて初めて入手できる雑誌・フリーペーパーを iPhone に配布するサービスが、海外で本格的に始まろうとしています。
(画像引用元:Exact Editions)
その名も「ByPlace」。iOS 7 から追加された iBeacon を使って雑誌を配布します。
アプリがインストールされた iPhone でビーコンの範囲内に入ると、雑誌を入手できると通知。ユーザーが求めれば、ネットから雑誌がダウンロードされる仕組みです。
配布場所に出向く必要がある点はデメリットにも思えますが、そうとは限りません。雑誌・フリーペーパーの「幅」を広める可能性も秘めています。
配布場所を限定できる強み
出版者にとってのメリット
その「場所」に関するテーマの雑誌・フリーペーパーが配布しやすくなります。例えば映画館なら映画雑誌、駅ならその周辺の観光ガイドといった具合です。
すでに場所・地域に密着した雑誌・フリーペーパーは紙媒体でありますが、印刷費用がかかる・配布場所が必要になるというデメリットがあります。
一方、ByPlace のような方法であれば設置・維持・発行費用は比較的安くなります。
ビーコンは非常に小型なので設置しやすく、バッテリで1年間は動作するとしています。アプリで配信するため、印刷は不要。在庫を抱える恐れもありません。
さらに広告の成果を計測しやすいこと・雑誌の内容次第では集客性が高められることから、ビーコンの設置場所・広告主を探しやすい点も長所と言えるでしょう。
ユーザーにとってのメリット
専用アプリを入れておくだけで、自分が訪れた場所に関する雑誌・フリーペーパーが紹介されるので、利用者がわざわざ App Store を検索する必要はありません。
紙媒体の場合は読んだ後に捨てる・持ち運ばねばなりませんでしたが、アプリで配信される雑誌・フリーペーパーならそうした手間も無くなります。
ある店に行けば有料記事が無料で読めるようになる「アンロック」機能を備えた雑誌もあるので、より良質なコンテンツに巡り合える可能性も高まります。
デメリットは「アプリが必要」?
iBeacon は iOS 7 で追加された機能ですが、対応するアプリがインストールされていなければビーコンからの通知を受け取れません。
ByPlace に関しても同様に対応するアプリのインストールが必要なようです。すでにいくつかの場所・アプリの組み合わせでサービスの提供を始めています。
Bluetooth がオンになっていることも条件ですが、こうした iBeacon に対応するアプリをどのようにしてユーザーにインストールしてもらうのかが普及の鍵となりそうです。