液晶産業の動向を分析・調査する DisplaySearch 社によると、Apple が進めていた液晶テレビ開発プロジェクトが凍結されたようです。
Apple は、テレビに接続して動画を視聴・楽曲を再生できる「Apple TV」を販売していますが、この機能を内蔵したスマートテレビになると噂されています。
直近の噂では、この製品は2014年下半期(7〜12月)に発売されると言われていました。
Apple はこの計画を凍結し、その代わりに身に着けられるデバイス、いわゆる「iWatch」をリリースするようだ、と伝えています。
Appleが満たすべき3つの条件
DisplaySearch 社のアナリスト Paul Gagnon 氏は、Apple が自社製液晶テレビを成功に導くには3つの条件があると分析しています。
第一に、iTunes Store からコンテンツを購入する層を取りこめるほど十分な量の製品を販売すること。特に Apple TV を持っていない家庭に売ることが重要としています。
第二に、スマートテレビをけん引しているサムスン・Vizio といったメーカーとは異なる、ユニークな特徴を持っていること。
第三に、液晶テレビを安定的に販売するために、継続的に買い替える傾向をつくること。
Gagnon 氏は、特に第三の条件を満たすことが難しいとしています。というのも、調査によればテレビの買い替えは7〜8年毎で、他の Apple 製品よりも間隔が長いからです。
さらに1世帯が購入する Apple 製液晶テレビは1台になるだろうと予測、iPhone や iPad のように複数台売れる可能性は少ないと見ています。
ユニークな特徴づくりに苦慮?
Gagnon 氏は製品のユニークな特徴をつくるために、他社は他メーカーでは視聴できないチャンネルを設ける・番組を独占配信していると指摘。
DisplaySearch 社が証言を得た関係筋によると、Apple はこうしたユニークな特徴をつくる点で苦心しているようです。
一方、消費者はすでに Apple TV などの比較的安価なデバイスで Hulu・YouTube などにアクセスしているので、スマートテレビ市場の目覚ましい成長は期待できないとも分析しています。