AppBank の主任です。
元 Apple 従業員で評論家の Jamie Ryan 氏のブログによると、Apple はキーボードを内蔵した iPad 用 Smart Cover を開発しているようです。
Smart Cover は iPad 用のカバーで開くと iPad がスリープから復帰、閉じるとスリープします。日本では「風呂蓋」との愛称もあります。
Ryan 氏は19日付けの記事で、この Smart Cover にキーボードを内蔵したモデルをいくつか試作したとの情報を入手したと主張しています。
情報源は2人の Apple 従業員で、数日前に情報を入手したとしています。
Microsoft Surface風に使える?
すでにこうした「キーボード内蔵カバー」は Microsoft の Surface で「Touch Cover」として実用化されています。
(Surface タッチ カバー – キーボード カバーより)
Smart Cover とキーボードが一体化することで、従来の Smart Cover よりも厚み・重さは増えますが、現在販売されている多くのケース一体型キーボード・外付けキーボードよりは薄く・軽く持ち運べることが期待されます。
キーボード内蔵Smart Coverを実現する上での問題
第一に iPad を支えるスタンドが必要になる点です。現在の Smart Cover の形状では、Microsoft の Touch Cover のようには使えません。
ということは iPad の背面全体を覆うスタンド付きカバーも付属するか、Smart Cover に何らかの仕組みが追加されるかもしれません。
第二に iPad と Smart Cover のキーボードを接続する方法。Ryan 氏はどんな方法でキーボードを接続するかは分かっていないとしています。
給電をどう行うのかも重要です。従来のアクセサリに多い充電池方式か、あるいは何らかの方法で iPad から給電するのでしょうか。
Microsoft の Touch Cover は Surface 本体と直接接続し、給電も行われます。
Appleは「キーボード内蔵Smart Cover」の特許を申請済み
Apple は、2012年8月にキーボードなどを内蔵した Smart Cover の特許をアメリカの特許商標庁に申請しています。
この申請で主張されている Smart Cover は2枚から構成され、1枚は3つ折りにして iPad を支えるスタンドに、もう1枚はキーボードなどになるようです。
(Patent Images – USPTO より)
さらに通信・給電は、MacBook Pro などに採用されている MagSafe のような形で iPad と接続して行うとも主張されています。
ただ、こうした仕組みは噂されている iPad 5 には備わっていないようです。
(Patent Images – USPTO より)
この特許申請の審査状況を調べたところ、すでに審査は始まっているようです。ただし、審査の結果がどうなるかは分かりません。
早ければ10月23日発表との声も
このニュースを受け、Apple が開催する10月23日のイベントでキーボードを内蔵した新型 Smart Cover が発表されるのでは、との声もあります。
一方、ネタ元になっている Ryan 氏の記事では「(キーボード内蔵の Smart Cover が)試作されたとの情報しかない上に、発売されない可能性もある」と強調しています。
というのも Apple は製品開発を行う上で様々な試作品をつくり、そのほとんどを製品化していないからです。前述の特許も同様です。
果たして「キーボード内蔵 Smart Cover」は発表されるのでしょうか?