AppBank の主任です。
ロイターが、今冬のドコモはソニー・シャープ・富士通のスマートフォンの販売に注力すると報じています。情報源は「複数の関係筋」としています。
今夏のドコモは「ツートップ戦略」として、ソニーの Xperia Z・サムスンの Galaxy S4 の販売に注力していましたが、Galaxy S4 は販売が伸び悩んでいました。
ロイターもこの点を指摘、今冬の主力からサムスンが外れた理由として挙げています。
パナソニックがドコモに新機種の供給を止めるとの噂がありましたが、ロイターによれば噂通り、今冬は新機種を供給しないようです。
iPhoneは現在も検討中?
7月にもドコモの加藤社長は iPhone を導入するかは判断できないとしていました。
ロイターの今回の報道でも「現在も検討中」とされており、ドコモの状況から考えても7月から何も進展はないと考えられます。
というのも、ドコモは6月こそ契約者数がわずかに減りましたが、7月には大幅に回復しています(ただし MNP では転出超過)。
また、契約者数そのものも au が3,860万件、ソフトバンクが3,350万件であるのに対してドコモは 6,100万件です。
以上のようにドコモはまだ余力を残していると言える状況なので、自社の条件を曲げてまで Apple の高い要求を飲む必要はまだないのかもしれません。
Appleは日本市場では好調
一方、Apple の2013年4-6月期の日本での売上は、前年同時期に比べて4億ドルほど増えています。アメリカも同様ですが、欧州・中華圏・アジアでは減っています。
上記の売上は iPhone や iPad・Mac などの売上の合計ですが、iPhone は Apple の全売上の 52% を占める製品です。
数値が非公表なので推測ですが、日本でも同様に高い比率を占める可能性が高いです。
この点を考慮すると、Apple にとっても自社の要求を曲げてまでドコモと契約を結ぶ必要はまだないのかもしれません。
iPhone 販売のネックが「Apple の要求」だとすれば、Apple・ドコモの戦略が変わったり、売上・シェアが低下し続けない限り、両社の交渉は平行線をたどりそうです。
参考(順不同)