AppBank の主任です。
以前にも「iPhone 5S の初期出荷台数は少ない」というニュースをご紹介しましたが、Digitimes が新たな情報を報じています。
記事によると、2013年7-9月期の iPhone 5S の生産数は当初の予定よりも大幅に少なくなり、初期出荷台数が減るとしています。
一方、2013年10-12月期は 2,800〜3,000万台を生産できるようです。
情報源は「業界の情報提供者」となっており、詳細は不明です。しかし、生産を担当する企業・具体的な数字が明らかになっています。
なぜ初期出荷台数が少なくなるのか?
もともと iPhone 5S は7-9月期で1,000万台を生産・出荷する予定だったものの、指紋センサーに関するいくつかの問題が起きたようです。
これにより、生産・出荷数は300〜400万台に落ち込むと Digitimes は伝えています。
なお、記事では指紋センサーに利用するチップは台湾の TSMC が製造を行い、同じく台湾の Xintec がパッケージングを行うとしています。
遅延の原因は、iOS 7 とチップの連携に問題が生じたこと・Xintec が担当するパッケージングの歩留まりが低いことの2つがあるようです。
すでに Apple と TSMC のエンジニアはこの問題に対応しており、チップの大量生産が始まるのは8月末になるとしています。
9to5Mac は、過去にティム・クック CEO の発言を取り上げ、部品メーカー発の噂から Apple の計画を特定することは難しいとしています。
1カ国あたり約44.4万台?
iPhone 5 は9月21日に発売されましたが、当初購入できたのはアメリカ・オーストラリア・カナダ・フランス・ドイツ・香港・日本・シンガポール・イギリスでした。
iPhone 5S の場合も同様に9カ国から販売が始まるとすれば、1カ国あたり約44.4万台の iPhone が割り当てられると考えられます。
ただ、その国での iPhone のシェア・予約状況を見て割り振られる数は調整されると思われるので、必ずしも400万台を等分するとは限りません。
事実ならiPhone 5の記録突破が困難に
iPhone 5 は発売から3日間で500万台を販売しました。これは先ほど挙げた9カ国での販売数を合計した数です。
Digitimes の報道が正しければ、前回の記録を突破できるペースで販売できるとしても、在庫不足から記録を突破することが難しくなりそうです。
記録を突破できなければ「Apple 人気に黄信号が灯る」といった観測が出る可能性もあり、iPhone 5S の発売後はこの点にも注目したいところです。
参考(順不同)
- Low fingerprint reader yield rates could slow iPhone 5S release to 3-4M units this quarter, 30M next | 9to5Mac
- Apple (日本) – Apple Press Info – iPhone 5、最初の週末で販売台数500万台突破
- Delayed fingerprint sensor production to limit initial shipments of iPhone 5S to 3-4 million units in 3Q13, say sources – Digitimes