「無料」なのには理由がある? アプリ・ウェブサービスの収入源とは。

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AppBank の主任です。

普段、私たちが何気なく使うアプリ・ウェブサービスのほとんどは「無料」です。

例えば App Store からダウンロードした無料アプリ・iMessage・Gmail、Dropbox や Evernote といったウェブサービスも基本は無料です。

では、開発者はアプリ・ウェブサービスからどのように収益を得ているのでしょうか?

そこで今回は iOS アプリの開発・公開に必要な費用をご紹介しつつ、無料アプリ・ウェブサービスの収入源を考えてみます。

目次

iOSアプリの開発・公開に必要な費用

iPhone/iPad アプリの開発には最低でも毎年8,400円が必要になります。

アプリを開発・公開するには、Apple が用意している iOS Developer Program に参加する必要があるからです。

参加しなければ、開発中のアプリを iPhone にインストールしてテストしたり、App Store にアプリを掲載してもらうために必要な審査を受けられません。

なお、App Store でアプリを公開し続けるには iOS Developer Program に参加し続ける必要があります。退会するとアプリは App Store から削除されます。

加えて、利用者が増えればサポートを求められるようになり、拘束時間も増えます。

ウェブサービスの場合

開発・運営に必要な費用は0円であることもあります。

しかし、多くの人が利用するようになれば、それに対応できるサーバ・セキュリティ対策・サポート体制などを用意する必要、そしてそれに対する出費が生じます。

負担を収益で補えれば継続できる

アプリ・ウェブサービスを開発して公開・維持し続けるには、こうした出費と少なくとも同じくらいの収益が必要になります。

例えばボランティアや勉強のために開発・公開している場合を除いて、出費が増え続ければ開発者には経済的な負担になるからです。さらに手間や時間も費やす必要が出てくれば、出費を上回る収益が必要となります。

こうした負担だけが増え続ければ、開発者はアプリ・サービスの公開・運営を辞めることもあります。

なぜ「無料」で成り立つのか?

無料のアプリ・サービスが成り立つのは、開発者・運営者が収益を得られる方法があるからです。その方法は大きく分けて3つあります。

1. 広告

AdMob・Google の AdSense・Apple の iAd といったサービスは、アプリ内で広告を表示するために開発者が利用するものです。

(画像は iAd のウェブページ)

日曜コラム


アプリを開発する際に必要なコードを埋め込むと、指定した位置に広告を表示します。これを利用者がタップして開いたり、その先で何らかのアクションを起こすと、開発者に広告費が支払われます。

ウェブサービスにおいても、ページに広告を貼り付けたりします。Google が成り立っているのも、検索結果画面に広告を表示しているからです。

とはいえ、こうしたシステムでは広告を表示するだけでは広告費が発生しない場合が多いため、安定的な収益を得ることが難しい場合もあります。

2. アプリ内課金・アドオン課金

無料で一定の機能は使えるものの、それ以上の機能を求める場合には代金を支払って機能制限を解除するというものです。月額・年額の場合もあります。

課金すると容量を増やせる Dropbox・利用できる機能が増える Evernote といったサービスはこのタイプに分類されます。

(画像は Dropbox のプロプラン一覧)

Dropbox


ゲーム内で使える通貨や特殊なアイテムを入手する為に金銭を支払うこともあります。いわゆる「ガチャ」もこのタイプです。

こうしたタイプの課金は、アイテムに有効期限を設けたり、新たなアイテムを登場させることで、収益を継続的に得られる可能性が高いと考えられます。

課金を行うと広告が表示されなくなるものもありますが、こうしたタイプの課金は継続して収益を得ることは難しいです。

広告を消してしまえば、ユーザーには再び課金する理由がないからです。

3. 他のアプリ・サービスへの集客・誘導

Google Chrome・Google Drive のようなアプリ・サービスは、自社の別サービスを利用するようにユーザーを集客・誘導する窓口になっています。

(画像は iPhone 版 Google Chrome アプリ)

Chrome
Chrome


Apple が無料で提供するサービスの大部分も、iPhone/iPad/Mac の販売を伸ばす為のものと考えられています。

ウェブブラウザ Firefox のように、ユーザーが Firefox の機能を使って Google 検索を行うと、Google から報酬をもらえる仕組みもあります。

一方で、この仕組みには危険性もあります。例えば、集客が悪い・誘導がうまくできない場合には公開が終了されたり、別アプリ・サービスに統合されたりします。

開発者が収益を得る方法に要注目

アプリ・サービスを選ぶ際には、それらがどういった特徴・機能を持っているのか・使いやすいか否かだけでなく、「開発者・運営者が収益を得る方法」にも注目しましょう。

収益が得られなければ、定期的なアップデート・安定的な運営は望めないからです。収益の有無、そしてその方法はアプリ・サービスの将来性に大きく影響します。

お気に入りのアプリ・サービスがどのように収益を得ているのか、ぜひチェックしてみましょう。

参考(順不同)


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