AppBank の主任です。
9to5Mac によると、各国の Apple Store 幹部を集めた極秘会合がサンフランシスコで開かれ、CEO のティム・クック氏も参加したとのこと。
この会合の中でクック氏は3時間に渡り、Apple Store の幹部にスピーチを行ったとされています。いったい、どのような事が話されたのでしょうか?
iPhone販売シェアの80%は「Apple Store以外」
この会合の中でクック氏は、Apple Store で売れた iPhone が全体の 20% しかないことに不満を表明したとされています。
残りの 80% は Apple Store 以外の場所、日本で言えば家電量販店・携帯電話ショップ・各キャリアの店舗で販売されたことになります。
その一方で、Mac や iPad は Apple Store を通じて販売した台数が多く、満足していると述べたそうです。この評価の分かれ具合から考えて、その割合は少なくとも 20% よりは高いと思われます。
解決策は「Apple Storeならではの特典」
こうした問題の解決策としてクック氏は、顧客が iPhone を Apple Store で買うためのインセンシティブが必要であると述べたようです。
この考えに基づいて行われたと考えられているのが、Apple の Back to School キャンペーンです。日本では2月から5月にかけて行われています。
今年のキャンペーンでは Apple Store などの対象店舗で iPhone を購入した場合、50ドル分の iTunes カードがもらえます。昨年のキャンペーンでは iPhone は対象外でした。
9to5Mac によれば、7月28日に行われる四半期に一度の Apple Store の会議で、さらなるキャンペーンが社内向けに発表される可能性があるとしています。
iPhone 下取りサービスのほか、米国内で行われている「最低価格保証」(他店が Apple Store より安かった場合には値引きする)を国外でも実施するようです。
なぜApple Storeでの販売にこだわるのか?
9to5Mac の記事によると、Apple Store でより多くの iPhone を売ることにこだわる理由は2つあるようです。
1. Mac・iPad にも興味を持ってもらう
Apple Store は Apple 製品のショールームであり、そこで iPhone を買ってもらうことは他の製品にも興味を持ってもらうきっかけになります。
2. キャリアが運営するストアへの対抗
アメリカでは、AT&T などのキャリアが運営する店舗で iPhone よりも Android などの端末を購入させるよう、店員に対して報償金が出る制度が設けられていることが長期に渡って噂されています。
こうした制度に対抗するため、Apple は直営店である Apple Store で iPhone の売上を伸ばしたいと考えているようです。
秋には新製品が複数登場か
さらに、この極秘会合に参加した人物によると、秋には「新製品の軍団(an army of new products)」の登場が期待できると証言しています。しかし、さすがに何が出るかは明かされなかったようです。
この表現からすると1つではなく、複数の新製品が期待できそうです。
考えられるのは iPhone 5S・廉価版 iPhone・iPad 5 ですが、Mac Pro や Haswell 搭載の iMac・MacBook Pro も投入されるのかもしれません。
同時期発売だとすれば心配なのは iPhone 5S と廉価版 iPhone の共食いですが、その開発目的から考えて、廉価版 iPhone の販売地域は限定される可能性もありそうです。
参考(順不同)
- Tim Cook heralds sweeping iPhone sales push to Apple retail leadership | 9to5Mac
- Apple、Mac/iPadをおトクに買える学生/教職員向けの「新学期を始めよう」キャンペーン – ITmedia PC USER
- Apple Retail Stores Begin Price Matching iPhone Discounts from Carriers and Major Retailers – Mac Rumors