AppBank の主任です。
9to5Mac によると、iOS 7 で追加・強化される、企業向けの機能の紹介ページを Apple が公開しました。
日本語版にも企業向けの機能を紹介する箇所はありますが、今回公開された、より詳しく紹介するページはまだ追加されていません。
今回公開された、9つの機能をサクッとご紹介いたします。
1. 「○○で開く」を制限できる
iPhone/iPad には、メールの添付ファイルなどを対応する他アプリで開く「○○で開く(英語名:Open In)」機能があります。
この機能は便利な反面、従業員が勝手に入れたアプリで部外秘のファイルを開き、データを流出させてしまう恐れもありました。
iOS 7 では、この機能でファイルを開けるアプリを制限できます。
2. アプリ毎にVPNの有無が設定可能に
業務で利用するアプリは VPN を使って通信、業務外でプライベートに利用するアプリは VPN を使わず通信、というような設定が可能になります。
3. MDMサーバを介してアプリのインストールが可能に
「Volume Purchase Program」を通じて大量に購入したアプリを、会社のモバイルデバイス管理(MDM)サーバを通じて、従業員が使う iPhone/iPad にインストールできるようになります。
ライセンスを無効化、他の従業員の iPhone/iPad に割り当てることも可能になります。
iOS 7 とは直接関係しませんが、Mac App Store のアプリ・iBook Store で販売されている本も「Volume Purchase Program」を通じて大量に購入できるようになります。
4. MDMで利用できる命令が増える
モバイルデバイス管理(MDM)サーバから、各 iPhone/iPad に出せる命令・オプションが増えます。
ワイヤレスに設定アプリの設定を変更したり、カスタムフォントの導入・AirPrint のプリンター設定・AirPlay で出力できるデバイスの制限も可能になります。
5. MDMへの登録の簡略化
iPhone/iPad の初期設定をスキップして、モバイルデバイス管理(MDM)サーバへの登録などが簡単に行えるようになります。
iPhone/iPad を大量導入する際のセットアップ時間を短縮できそうです。
6. エンタープライズ・シングルサインオンに対応
企業向けのシングルサインオン(SSO)に対応することで、これまでは個別に認証が必要だった設定・サービスの利用が1回の認証で済むようになります。
7. サードパーティ製アプリもデータを自動で暗号化
App Store で配布されているアプリに収めたデータも自動的に暗号化されるようになりました。
この場合の暗号化は、iPhone/iPad を再起動してから最初のパスコードロック解除まで行われるようです。
8. メールの機能を強化
Apple のウェブページでは、以下の変更点・追加点が紹介されています。
- メールの作成が簡単になる
- メールを自動的に振り分ける?「スマートメールボックス」機能を追加
- PDFの注釈を表示
- 検索機能の強化
- Microsoft Exchange 2010 を利用すれば Outlook とノートの同期も可能
これら全ての機能が企業ユーザーのみが利用できるものなのかは分かりません。個人ユーザーにとっても魅力的な変更点が多いです。
9, Chaching Server 2に対応
OS X Mavericks Server に搭載される Chaching Server 2 は、購入済みのアプリ/コンテンツ・アプリのアップデートなどをキャッシュできます。
iOS 7 は社内の Chaching Server 2 を利用できるので、App Store や iTunes Store からコンテンツを購入するよりも高速にデータをダウンロードできます。
参考
- Apple promotes enterprise features on new ‘iOS 7 and business’ webpage | 9to5Mac
- Apple – iOS 7 – Business