AppBank の主任です。
消費者庁は5月21日、au に対して景品表示法に基づく措置命令を出しました。
その中では、広告に「実際のものよりも著しく優良であると示す」表示があったため、以下の4つを行うように命令されています。
- 広告の内容に誤りがあったことを消費者に知らせること
- 再発防止策を講じて、役員・従業員に周知徹底すること
- 上記に基づいて行った措置を消費者庁長官に報告すること
- 今後、同様の表示を行わないこと
こうした実際よりも優れていると表示・宣伝する行為は「優良誤認表示」と呼ばれ、誤って表示した場合でも景品表示法で規制されます。
すでに au は該当する広告を3月中旬までに修正済みです。さらに3月15日には新聞や自社のウェブサイトに謹告文やお詫び文を掲載・掲示しています。
なぜ消費者庁による措置命令を受けたのか?
消費者庁による命令が発せられた理由は、昨年9月から11月まで公開されていたウェブページと昨年11月から12月に配布されたカタログです。
これらの広告では、以下の点を伝える表示がありました(実際の表記とは異なります)。
- サービスの開始時点から政令指定都市などの都市部で、最大 75Mbps で通信できるサービスが iPhone 5 から利用できる
- iPhone 5 から利用できる、最大 75Mbps で通信できるサービスの実人口カバー率を平成25年3月までに 96% に拡大する
実際には、サービス開始時点で iPhone 5 から最大 75Mbps で通信できるサービスが利用できる地域は極めて限られており、表示の通りではありませんでした。
また、平成25年3月までに最大 75Mbps で通信できるサービスの実人口カバー率を 96% に拡大する計画は Android 端末向けのもので、iPhone 5 向けの計画ではありませんでした。
消費者庁によると、平成25年3月までに iPhone 5 から最大 75Mbps で通信できるサービスが利用できたエリアは、実人口カバー率に換算して 14% とのこと。
これらの表示が「実際のものよりも著しく優良であると示す」であったと認定されたため、消費者庁による措置命令が発せられました。
誤った表示を行った原因・再発防止策は?
au は、以下の2点が原因だったとしています。
- 広告制作に関係する部門の間で情報共有・相互確認がなかったこと
- 広告の承認フローが徹底されていなかったこと
そのため、「情報共有・相互確認の強化」「承認フローのルール化と徹底」を再発防止策として打ち出し、3月15日に運用が始まっています。
さらに今年の4月までに従業員の教育と研修・役員と従業員への周知徹底を行っています。
今後は、広告制作・管理・サービス主管部門の内部監査を行い、再発防止策の実施状況を調査するとしています。
参考(順不同)
- KDDI株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について(PDF・消費者庁)
- 表示対策課 | 消費者庁
- 当社に対する措置命令に関するお詫びとお知らせ(PDF・KDDI)