AppBank の主任です。
無料通話アプリが増えたこともあり、iPhone を持たずに通話できるヘッドセット、中でもワイヤレスのものに注目が集まっています。
同じワイヤレス機器では iPhone や iPad で使えるキーボードやヘッドホン、最近では置き忘れを防ぐ「タグ」も人気です。
こうした機器と iPhone は無線でデータをやり取りします。そこで使われているのが「Bluetooth」です。
今回はこの Bluetooth を解説いたします。購入時に確認したい「プロファイル」「バージョン」の違いもご紹介します。
Bluetoothとは?
先述の通り、Bluetooth は様々なワイヤレス機器の通信に使われている規格です。
iPhone と機器の通信だけでなく、iPhone 同士でゲーム対戦する・iPhone 5 と PC を使ってテザリングを行う際にも使われます。
iPhone の場合、通信可能な範囲は10メートル前後。iPhone と機器の間に障害物があれば、その範囲は狭まります。
通信する前に「ペアリング」という登録作業が必要です。ほとんどの場合、接続したい機器をペアリングモードにして iPhone に登録します。
いったんペアリングを行えば、iPhone の Bluetooth をオンにして機器の電源を入れるだけで通信可能になります。
Wi-Fiとの違い
Wi-Fi と Bluetooth の違いは用途にあります。
Wi-Fi は1つのネットワークに複数の iPhone・PC が接続しますが、Bluetooth はペアリングという仕組みがあるので基本的には1対1の通信です。
また、Wi-Fi はネットワークにアクセスする際に使われる事が多いのですが、Bluetooth は iPhone とキーボードなどの周辺機器とを繋ぐために使われる事が多いです。
イメージとしては LAN ケーブルを無線化したのが Wi-Fi で、USB ケーブルを無線化したのが Bluetooth と言えそうです。
多種多様なBluetooth対応製品
Bluetooth 対応製品にはワイヤレスキーボード・ヘッドホン・ヘッドセット、さらには歩数計や心拍計・血圧計・体重計・ラジコンもあります。
AppBank でもいくつかの製品をレビューしています。
- Bluetoothシリコンキーボード: 丸めて持ち運び出来る超軽量のキーボード。
- JAWBONE ERA: 多機能 Bluetooth ヘッドセット!!ドライブや仕事で大活躍。
- Jam Bluetooth Wireless Speaker: オシャレなデザインが可愛い 小型・軽量スピーカー。
- Bluetooth Remote Control Enzo Ferrari: フェラーリを iPhone で操ろう。速いぞっ!!!
1つの規格で様々な用途に利用できるのは「プロファイル」があるからです。
プロファイルとは?
プロファイルとは「データをやり取りする方法を決めたもの」です。
例えば、キーボードで文字入力するならどのキーを押したのかという情報、ヘッドセットなら相手の音声と自分の音声をやりとりします。
このように接続する機器によって送受信するデータが異なるので、そのやり取りの方法をあらかじめ決めています。
iOS 6 の iPhone 4/4S/5 にインストールされているプロファイルは「HFP」「PBAP」「A2DP」「AVRCP」「PAN」「HID」「MAP」です。
「HFP」はハンズフリー通話、「PBAP」は連絡先データの転送、「A2DP」は音楽データの再生、「AVRCP」は音楽再生機能のコントロール、「PAN」はゲーム対戦やテザリング、「HID」はキーボードでの文字入力、「MAP」は自動車との通信に使われます。
その他の iPhone/iPad/iPod touch については以下のページをご覧ください。
→iOS:対応している Bluetooth プロファイル
ある機器が使うプロファイルが iPhone にインストールされていない場合は、その機器とは通信できません。
必要なプロファイルを自分で iPhone にインストールすることもできません(iOS のアップデートで追加される場合があります)。
Bluetooth で接続する機器を購入する場合、以上のプロファイルで通信できるか否かをしっかりと確認しましょう。
Bluetooth 2.1/3.0/4.0の違いとは?
Bluetooth には「Bluetooth 2.1+EDR」や「Bluetooth 4.0」といったバージョンがあります。製品パッケージやウェブサイトでよく見かけると思います。
このバージョンが新しくなるにつれて「省電力化」が進んでいます。Bluetooth 4.0 ならボタン電池1つで1〜2年は通信できるものもあります。
「+EDR」や「+HS」が付いたバージョンでは「高速化」も進んでいます。「2.1+EDR」なら最大 3Mbps、「3.0+HS」なら最大 24Mbps の速度で通信できます。
いずれの特徴も Bluetooth 機器が対応していることはもちろん、接続する iPhone や PC がそのバージョンに対応している必要があります。
iPhone・iPad の場合、新バージョンは旧バージョンにも対応しています。例えば Bluetooth 4.0 な iPhone 5 でも Bluetooth 2.1 や 3.0 対応の機器と通信できます。
以下に iPhone・iPad が対応しているバージョンをまとめました。
Bluetooth 2.0+EDR
- iPhone 3G
Bluetooth 2.1+EDR
- iPhone 3GS
- iPhone 4
- 初代 iPad
- iPad 2
Bluetooth 4.0
- iPhone 4S
- iPhone 5
- iPad(第3世代)
- iPad(第4世代)
- iPad mini
お使いの iPhone に合わせて Bluetooth 機器を選びましょう。
参考(順不同)
- Bluetooth Technology Web Site
- Bluetooth SIG、「Bluetooth 2.1 + EDR」を発表 – ITmedia Mobile
- Bluetooth 3.0発表 24Mbpsに高速化 – ITmedia ニュース
- ボタン電池1個で1~2年稼働する機器も――新たな市場を生むBluetooth 4.0とは – ITmedia プロフェッショナル モバイル
- 【レポート】スマートな無線通信を実現するBluetooth v4.0 | 開発・SE | マイナビニュース