iPhone/iPad ユーザーなら一度は使ったことがあるはずの App Store 。Apple ID とパスワードを入力するだけで有料アプリの購入手続が済ませられる、便利なサービスです。
ここで気になるのが個人情報の取り扱い。アプリを買うと代金請求の為に開発者に個人情報が送信されるのでしょうか。誰がアプリを買ったのか、開発者に分かるのでしょうか。
気になったので調べてみました。
アプリを買っても個人情報は開発者には送信されない
結論から言うと、アプリを買っても Apple ID などの個人を特定できる情報はアプリの開発者には送信されません。また、誰がアプリを購入・ダウンロードしたのか、開発者には調べる方法がありません。
その理由は、App Store の仕組みと公開中のアプリを管理できるツール iTunes Connect の機能に触れながらご説明します。
App Store の仕組み
App Store とその決済手続きはすべて Apple が管理しています。
例えば有料アプリを購入する場合、Apple ID を尋ねるのは Apple です。その情報を元に代金を請求し、それを受け取るのも Apple です。
そして、その代金から3割を Apple が App Store の運営費として徴収。残り7割を Apple が開発者へ支払います。
これが App Store で行われる支払いの仕組みです。この中でアプリの購入者と開発者は一切の接点を持ちません。すべて Apple が管理しています。ですから、開発者は購入者の個人情報を知る必要がまったくありません。
したがって、アプリを購入しても個人情報は開発者に対して送信されないのです。
アプリのダウンロード数が分かる iTunes Connect
アプリ開発者は、Apple 公式のツールである iTunes Connect を使って、公開中のアプリのダウンロード数を知ることができます。
しかし、これらの収集されている情報の中には Apple ID を含む、個人を特定できる情報は含まれていません。単に「数」が分かるだけで「誰が」という部分は分かりません。
よって、アプリ開発者には誰がアプリをダウンロードしたかは分からないのです。
※ここで抽象的な表現になるのは iTunes Connect の詳細を口外した場合、すべてのアプリ開発者が Apple との間で結んでいる秘密保持契約(NDA)に抵触する可能性があるからです。あらかじめご了承下さい。
ちなみに Apple は AppleID を管理し、Genius などを使ってオススメのアプリを表示する機能などを提供していますので、Apple はどのユーザーがどんなアプリをダウンロードしたのかという情報を把握していると考えられます。
アプリ内で個人情報を入力する場合は要注意
Apple はユーザーの許可なく個人情報を収集するアプリを禁止しています。よって、そんなアプリを開発しても App Store で公開されません。極まれに漏れもありますが。
一方で、ユーザーの許可を得るという条件付きで情報を収集するアプリは禁止していません。こう書くと大げさなアプリに思えますが、こういったアプリは多いです。
例えば、ウェブサービスと連携するためにユーザー登録が必要なアプリです。ユーザー登録を行う・サービスを利用する場合は、そのサービスの利用規約に同意する必要があります。この同意こそが許可と同じ意味を持つのです。
情報の収集・利用方法は利用規約で規定されており、アプリ開発者やウェブサービスの運営者はそれに則って情報を収集し、利用することがあります。当然、ここは Apple の管理外なのでユーザーと開発者・運営者の問題となります。
よって、iPhone/iPad アプリだからといって簡単にユーザー登録を行ったり、個人情報を入力して送信することは避けましょう。
複雑で読み難いのですが、利用規約はしっかりと読み、それに同意できる場合に限ってアプリを利用することが、無用なトラブルを避けることに繋がります。