AppBank では今までに「どこでもテレビが見られる・操作できるガジェット」を2つご紹介してきました。Slingbox PRO-HD と VULKANO FLOW です。
同じようなガジェットを2つも紹介しやがって!となりそうなので、ここで2つの製品を比較して、どんな人にどちらの製品が向いているのかをご紹介いたします。
もし「iPhone/iPad でどこでもテレビをみたい!でもどっちを買えばいいの…?」と迷っている方がいたら必見です!
Slingbox PRO-HD と VULKANO FLOW の共通点
チューナー/HDD レコーダーが別途必要
Slingbox PRO-HD と VULKANO FLOW はどちらもチューナーを内蔵していません。なので、地デジチューナーや HDD レコーダーといった映像を出力するデバイスを別途導入する必要があります。
設置代行サービスがある
どちらも似た機能を持つ商品なので設置方法もほぼ同じ。赤のケーブルを赤のジャックへ挿す…といった作業が必要になります。なので AV 家電を不得意とする方にとってはどちらも導入するのがなかなか大変と言えるでしょう。
そんな方は設置代行サービスを使うのも手です。Slingbox の販売元イーフロンティアでは設置/設定代行サービスを有償提供中です。VULKANO FLOW についても近日提供開始予定となっています。
移動中の視聴は途切れやすい
3G 回線で視聴している場合、移動中は映像・音声ともに途切れやすくなります。特に電車や車での移動中は顕著です。
一定の場所に留まって視聴している場合には問題なく視聴できます。
3G 回線経由で視聴すると画質はワンセグ並
電波の受信環境によりますが、どちらの製品も 3G 回線経由で視聴すると概ねワンセグより少し画質が良い程度です。受信環境が悪化すると画質はワンセグよりも悪くなります。
一度に視聴できるのは一台まで
Slingbox PRO-HD も VULKANO FLOW もどちらも一度に接続できるのは PC・iPhone・iPad を問わず1台までです。これはテレビや衛星放送、様々な映像を配信するデバイス特有の制限です。
Slingbox PRO-HD の特徴
高いけど2年間のメーカー保証がある
日本での販売代理店イーフロンティアで購入すると34,980円と、VULKANO FLOW の2倍以上の値段ですが、2年間のメーカー保証があります。
また、この保証は初期不良に限定されるものではないので、故障が心配!といった方にも安心して使えるようになっています。
高画質かつ高解像度な映像が楽しめる
Slingbox PRO-HD という名前を冠しているだけあって、PC から視聴した場合には HD 画質の映像を楽しむことができます。これは VULKANO FLOW にはない利点です。
また、ウェブブラウザからも HD 画質の映像を見ることができます。
一方で iPhone/iPad からは HD 画質で視聴することはできないので要注意です。
インターフェイスがすべて日本語
日本でのしようはサポートされていない Windows/Mac 専用ソフトを除いて、ウェブブラウザでアクセスできるサイトと iPhone/iPad アプリはすべて日本語化されています。
英語が苦手という方にはこれだけで Slingbox PRO-HD を選ぶ価値があるでしょう。
D4(1080i+720p)入力に対応
VULKANO FLOW は D3 にまで対応していましたが、Slingbox PRO-HD は D4 入力にまで対応しています。ですから、より鮮明な映像を Slingbox を経由して楽しめます。
S端子とデジタル音声入出力端子がある
アナログな映像でもキレイに入力できる S 端子が搭載されており、さらにはデジタル音声入出力端子があるのでデジタル音声も取り込んで Slingbox を介して iPhone/iPad で視聴することができます。
2系統の映像と音声を切り替えて視聴できる
Slingbox PRO-HD は HDD レコーダーと衛星放送の受信チューナー、といったように2つのデバイスを繋ぎ、接続を切り替えて視聴することができます。
VULKANO FLOW でも同様のことは可能ですが、デバイス毎にリモコンの設定を切り替えることができないので、常用は困難です。
日本の AV 家電に対応
様々な AV 家電に付属するリモコンの機能がダウンロードできるようになっているので、わざわざユーザーがリモコンの機能を学習させる必要はありません。
ジェスチャーによるチャンネル変更
画面を上下にフリックすることでチャンネル変更ができるなど、iPhone/iPad それぞれの専用アプリの操作性は抜群です。
VULKANO FLOW の特徴
安い
VULKANO FLOW は Slingbox PRO-HD のおよそ半額以下で購入できます。
ですが、その代わりにサポートは原則として商品到着2週間以内の初期不良に限定され、それ以降に生じたトラブルについてはメーカーのサポートを受けることができません。
1ヶ月(210円)・6ヶ月(1050円)・1年(2000円)の3つの延長保証パックがあり、これを商品到着後2週間以内に購入することで、その期間だけ初期不良については保証を受けることができます。
映像の解像度は 720×480(576)px まで
VULKANO FLOW は 1080i までの映像が入力できる製品ですが、Windows・Mac、iPhone 4 や iPad なら 720×480(576)px 、それ以外の iOS デバイスだと 320×240(288)px までのサイズで映像が出力されます。
Slingbox PRO-HD の場合はより高い解像度の映像を PC で視聴することができます。
リモコンの機能を学習させる
日本の家電に付属するリモコンの設定ファイルがないため、自分でリモコンの機能を学習させる必要があります。
Wi-Fi(802.11n) が使える
VULKANO FLOW には無線 LAN に接続できる機能が搭載されています。なので、一度セットアップを済ませてしまえば LAN ケーブルを挿しておく必要はありません。
アプリが安くてユニバーサル対応
Slingbox PRO-HD の専用アプリ Slingplayer に比べて VULKANO FLOW 専用のアプリ Vulkano Player for Flow and Blast は安価です。しかもユニバーサルアプリなので、1回購入すれば iPhone と iPad の両方で使うことができます。
iPhone/iPad でも遡り再生ができる
Wi-Fi 回線経由で接続した場合に限りますが、専用アプリ Vulkano Player for Flow and Blast では最大15分前まで遡って再生することができます。
アプリで視聴を開始してから記録が始まるので、視聴を始める前まで遡って再生することはできません。また、アプリを閉じるとそれ以前に記録された映像は消去されます。
まとめ
コストが安いのは VULKANO FLOW です。しかし、保証が初期不良対応のみで期間も2週間に限定されているので、オススメできるのは腕に自信のある方に限定されます。
また、セットアップは Windows PC で行う必要があり、加えて iPhone/iPad アプリの表記もすべて英語なので比較的ハードルは高めです。
一方で Slingbox PRO-HD は値段こそ高いものの、メーカーによる保証は2年間も続き、設置や設定につまずいた場合はサポート窓口に問い合わせることができます。
さらにウェブサービス・iPhone/iPad アプリの表記はすべて日本語になっているので、自然と使えるといった利点があります。
画質は 3G 回経由で視聴した場合はどちらも同じですが、PC で視聴したり、iPhone/iPad から Wi-Fi 回線経由で視聴する際には Slingbox PRO-HD に軍配が上がります。
というわけでガジェットや AV・ネットワーク機器の扱いに慣れていて費用を安く上げたい方なら VULKANO FLOW が、ガジェットの扱いに不慣れで手厚いサポートを受けたい方は Slingbox PRO-HD がオススメです。
SlingBox についてはこちらから。
【保存版】iPhone/iPad等から鮮明な地デジ映像が観れる Slingbox PRO-HDの使い方・設定方法のまとめ
VULKANO FLOW についてはこちらから。
【保存版】iPhone/iPad からテレビが観られる VULKANO FLOW の使い方・設定方法のまとめ