角川書店から出版されている「角川世界史辞典」が辞典アプリとなって登場しました!
世界史の授業で1度は聞いた事柄からまったく知らない事柄まで詳しく解説しています。
この手の辞典は歴史を専門に勉強する学生向け…と思われがちなのですが、例えば国際ニュースに登場する単語で検索すれば、対立・和解の背景にある事情を伺い知れたり、小説に登場する単語を調べると意外な事実が分かったりと、歴史の辞典というのは色んな用途に使える辞典だったりします。平均してWikipediaよりも信頼性が高いのも強みです。
そんな辞典がiPad/iPhoneに入れて常に持ち歩けるのは便利の極みとしか言いようがありません。機能と使い勝手を詳しくご紹介します!
本アプリはiPad/iPhoneの両方で利用できるユニバーサルアプリです。まずiPadで角川世界史辞典の機能と使い勝手を、そして記事末尾でiPhoneでの使い勝手をご紹介します。
キーワードで検索する
左上の検索フォームにキーワードを入力するか、索引から該当する事項を探します。
キーワードで検索した場合、解説文の中で該当する文字が黄色でマーキングされます。
解説にある緑色の文字をタップすると関連する付録の年表や系統図等が参照できます。
また、解説文はコピーできます。さらに選択した文字から全文検索も行えます。
さらに角川新版日本史辞典がインストール済みなら、同辞典の解説文も検索できます。
人名から探す
人名索引では五十音順の他、生年順に人名の並び替えができます。
世界史の理解を助ける、充実した付録
地域毎に国家の変遷をまとめた図「地域年代対称表」。
ピンチイン・アウトで拡大縮小が行えますが、もともと紙に印刷されたものをスキャンしたためか、画像が粗いです。ここはアップデートで改善していただきたいですね。
解説文章だけでは分かりにくい系譜も図で収録。これなら分かりやすいですね。
外国語をカタカナに直すと問題なのが、同じ場所を示すのに表記が異なってしまうこと。
これを見事に解消してくれるのがこの対照表です。
また日本や中国で使われている年号・干支と西暦との対照表も収録しています。
世界史の分野で頻出なのが略語。わざわざインターネットで検索しなくてもこの一覧をチェックすれば意味が分かります。解説文からもリンクが張られていますが、すべてページの冒頭しか表示してくれないのが残念なところです。
表示の設定を変えて使いやすくする
フォントは2種類、字のサイズは14から28ポイントの中で選択できます。字の色は黒・白・茶から選べ、背景色も設定できます。
初期設定ではすべての項目が連続して表示されますが、その他の設定で画面レイアウトを「1項目単独表示」に切り替えると、それぞれの項目が独立して表示されます。
付せんを貼って分類する
よく調べる項目や、覚えておきたい・レポートに使いたい項目などには付せんを貼っておきましょう。付せんは全部で5色あるので色毎に用途を決めると便利に使えます。
色にはその名前が設定されていますが、任意の名前に変更することもできます。
履歴で「この前調べたあれ」を探し出す
検索したり表示したりした項目はすべて履歴に保存されます。その項目に付せんが貼られている場合は項目リストの左端に、その付せんの色が表示されます。
iPhone版 – 角川世界史辞典
左:iPad版と収録されている内容はまったく同じです。
右:解説は項目ごとに1つずつ表示されます。
左:付せんも貼れます。
右:履歴もあるので最近調べた項目もすぐ呼び出せます。
まとめ
iPhone版もフォントの種類やサイズ、色が変更できますので、その点でも紙の辞典に対して優位性を持っていると思います。小さな文字が苦手な方でも安心です。
唯一不満に思ったのは付録データがすべて画像で収録されているという事です。キーワードによる全文検索の対象にもなっていますが、表示させるために項目をタップしても実際に表示されるのは画像の一番上なので、わざわざ自分で該当する部分を探し出さねばなりません。これは非常に不便です。また、画像サイズが小さいためかiPadで拡大すると文字がはっきりと表示されないのも気になるところです。
一方でそれ以外の部分については検索の速さ、アプリを起動する速さ、さらに付せんによるお気に入り登録。そして解説されている内容が充実していることを考えると、上記の不満点も十分にカバーできるはずです。
歴史を勉強される方、インターネットに頼らず辞典の定義を知りたい方には特にオススメできる辞典アプリです。ぜひお試しください!
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- 参考価格:2200円
- レファレンス (Reference)
- 執筆時のバージョン: 1.0.1