勝手にふるえてろ、AppStoreの説明文より。
私には彼氏が二人いる──中学時代からひきずってきた不毛な片思いの相手と、何とも思ってないのに突然告白してきた暑苦しい同期。26歳まで恋愛経験ゼロ、おたく系女子の良香は“脳内片思い”と“リアル恋愛”のふたつを同時進行中。当然アタマの中では結婚も意識する。しかし戸惑いと葛藤の連続で……悩み、傷つき、ついにはありえない嘘で大暴走!? 良香は現実の扉を開けることができるのか? 著者待望の新作は、切なくキュートな等身大の恋愛小説!
@toshismです。「勝手にふるえてろ」、とてもよかったのでレビューしたいと思います!ちなみに、この本を読んで、モテキを思い出しました。
なお、アプリの使い方については、同じビューワーを採用しているインシテミルの記事をご覧下さい。
ご注意、
以下ネタバレ的表現を含むと思われますので気になる方はお気をつけ下さい。
勝手にふるえてろレビュー
若い頃の恋愛は「理想」につっぱしる。大人になると、「理想」は若い頃の懐かしい思い出になり、より「現実」的に考えはじめる。でも、恋愛経験ゼロ26歳の主人公場合はちょっと違った。
理想は失われずすっかり妄想に育っていて、素敵な彼(当時中学生)への脳内片思いは大変なことに。初めての相手は絶対彼がいいわ。一方の現実では、人生初のアプローチを受け中。脳内彼氏に比べると全然だけど、内心ちょっと嬉しい。結婚も視野に入れつつしっかり現実的に計算しなきゃ。二つの間を揺れ動く心は自分でしっかりコントロール。大丈夫。それで今までうまくやってきた。
それが、恋愛経験ゼロ、26歳の主人公。
『勝手にふるえてろ』は、そんな所からどんどん周囲の出来事がコントロール不能に暴走してゆき、目の前でおきていることについてゆけなくなり、「妄想」と「現実」の間にロックされて動けなくなっちゃった!という、ストーリー。
著者は、早稲田大学在籍中に「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞して一躍有名になった綿矢りさ。自分と同じ(か少し下)世代の小説を書くことが多いらしく、「勝手にふるえてろ」でも、自分と同じ26歳を主人公として選んでいる。
読了した感想としてまず思ったのは「これは現実なんだろうな」。
あり得ないスピード感で物事が動いたり、主人公が時折考えられない行動にでたりするので、その意味では現実感はないのだけど、心理描写がリアルすぎて、そんな感想に至った。時折描かれる意味不明な心理描写が、よりリアルさを感じさせた。心理って時に理解不能な物だと思うので。特に「勝手にふるえてろ」を含む1文が理解できなかった。だからこそ、個人的にはこの1文が1番好き。
文量としては、長くても4時間で読み終わる程度。休日の朝に購入して、ゆったり午前の時間を満喫しながら読むのがベストかも。男の私としては、ぜひ、彼女や奥様の妄想を理解できない彼氏や旦那様にオススメしたい1冊。「え、妄想なんてしてないと思うけど」と思った方にはもっとオススメできる1冊。
こういう本が、もっとiPadで出ると嬉しいな。
綿矢りさのインタビュー付きです
動画インタビューを見ることができます!髪、長い方ですね。小説を読む前に見てもよいと思います。
文字に起こされたインタビュー(動画のものとは別)もあります。こちらは、小説を読み終わった後のお楽しみにしましょう!
以上です!
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