京極夏彦の新作、京極夏彦 死ねばいいのに HD。iPadですらすらと読みきってしまいました。
小説は十分に楽しめました。「小説は紙」と考えている方も多いかと思いますが、没頭して読めましたし、読了後の「じ〜〜〜ん」という感覚もありました。
一方で、アプリの機能ですが、改善が少し必要です。タップによるページめくりとしおり機能がない点、そしてタッチではメニューバーが出現しない点は付け加えたほうがよいと感じました。
普通に本を読めるアプリがあり、誰もが安心して電子書籍を購入できるようになれば、小説の売上が今までよりも圧倒的に増える可能性すらあるよな・・・と感じました。
それでは機能を中心に、アプリをご紹介していきます。
起動すると、「小説を読む」「映像を観る」「感想を送る」。映像は15秒のPV動画6本。実質オマケですね。
次のページ。右の「一人目」・・・「六人目」をタップすると映像が流れ、左の「一人目」・・・「六人目」をタップすると、小説内の該当するページに飛びます。
こちらが小説のページ。読みやすいです。背景の色は変更できませんが、文字サイズは変更可能です。
ページめくりは横スクロール。「ぺらっ」てやつはありません。また、ページめくりは指を画面上で小さくスライドさせる方法で行います。タップではめくれません。これは要改善だと感じました。長時間、本を読んでいて毎回指をスライドさせるのは少し負担でした。
ズームイン!
メニューバーは画面上部に表示されます。出し方は、画面全体を下にスクロール。これも要改善!!このメニューバーを見つけるのは一苦労でした。画面の上部をタップしても表示するようにして欲しいです。
なお、上記のメニューバーに表示されているのは「ページ移動」機能です。これ→●を左右に動かすと前後にページを移動できます。
メニューバーの機能は複数あります。下の画像で表示しているメニューバーでできることは「画面の明暗調整」「ページ数表示と前後への移動」「戻る」「目次に移動」の4つです。画面の明暗調整は最高だ!!
こちらは、横読みと縦読みの変更、そして文字サイズの拡大・縮小です。
こちらは検索機能です。
さて、メニューバーを表示させてからさらに下に指を動かすと、第2のメニューバーが表示されます。ここでは、各章へのショートカット、および各ビデオへのショートカットが表示されます。
こちらはビデオへのショートカット。
ビデオはこんな感じです。
なお、メニューバーは下にも表示されます。
縦表示にも当然対応!
以上です!
紙で読むよりもむしろ快適に読めたので、良いアプリと良い小説があれば、電子書籍はかなり相性がよいのではないかと感じる読書体験でした。
ところで、私の感想でも少し。(多少ネタバレを含みますので、絶対買う!という方は読まないようにしてください)
とにかく読んでいて違和感のある作品でした。
良い違和感としては、登場人物たちの言葉に感じた違和感。淡々としているのに焦っている感じがするとか、何も言われていないのに追い込まれるとか、そういう登場人物たちの振る舞いの矛盾が上手に描かれているところ。「どうしてこの人はこういう反応なんだろうか」と不思議に感じ、どんどん物語に引き込まれていきました。
一方で悪い違和感としては、ストーリーに無理があるな、と感じてしまうところ。頭が悪いはずの主人公が弁護士をまくし立てるところとか、登場人物たちがヤケに焦りやすくキレやすいところとか、警察が「犯人」を全く追えていない所など、ちょっと無理があると感じました。その結果、読んでて少し醒めてしまうところも。
で、最後の結論も「え、そういうこと?」という違和感で読了。とにかく違和感のある作品でした。スッキリ明快な答えが嫌いなあなたにオススメ!
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