モテキ (1) (イブニングKC)の内容説明より。
恋にドヘタレな草食系男子、藤本幸世(29)にモテ期襲来!!
猛禽系、処女系、ミステリアス系と、ありとあらゆる女性たちが幸世に猛接近。
だが「俺は男として出来損ない」と自信のない幸世は敵前逃亡!?
しかし更なるモテ期の猛襲が彼を追う——。
果てして幸世の運命やいかに!?
toshismです。appbank氏が「この漫画、なんか表現しづらいけど引っかかるからトシ君のレビューが知りたい」と言われたので書きます!
ここから Toshism のモテキレビューです!
文書を書く時に、必ず大事にする感覚がある。それは、「高校生としての自分がどう思うか」。思春期を上手に回避するわけでもなく、真っ向から向き合うわけでもなく、いつの間にかその渦中にものすごい勢いで突入していたあの時。ありとあらゆる価値観や経験に翻弄まくりつつも、学校に向かうチャリンコに乗りながらPrimal ScreamやOasisを聴いている時だけは、自分こそが世界最強なのだと信じて疑わなかった、そんな日々の感覚。
純粋で無垢な偏見で全世界が構成されている、高校生のあの感覚だけが、「モテ」を語るに当たって、唯一信頼足りうる感覚だと、私は思う。
雨宮まみさんの、あまりに素晴らしいレビューがあった。
フジがセックスうまくできないのなんて、好きだったら単にかわいい嬉しい思い出にしかなんないですよ。「緊張してできない」とか、泣いちゃうよ(嬉しくて)。 雨宮まみ
この感想は、泣く。はっきりいって、Oasisに釣られて「俺こそが最高なんだ!!!!」とか思っている高校生にとっては、いくら緊張してできないことをかわいい嬉しい思い出と言われても、こっちこそ「泣いちゃうよ!」と思う。そして同時に「綺麗なお姉さんにそんなこと言われたら幸せだよなぁ」とも思う。かなり積極的に思う。
モテキを読んだ雨宮まみさんの上記の感想は、まさに高校生のハートを真っ二つに割ながらも、夢を与えるという両義的な意味を持っている。そしてその点で、私は、モテキが「高校生ずっきゅん」な漫画であり、良い漫画であると思った。
The PoliceのEvery Breath You Take(見つめていたい)という曲は知っているだろうか?この曲は、あまりにも素敵で切ないラヴソングに聴こえる反面、よくよく歌詞をのぞき込むと、実はストーカーの歌でもあるという曲である。両義的な意味をもち、それゆえにまさに最高のラヴソングとなっている。
モテキは、そういう両義性を持ちえている漫画であり、それゆえに、「良い漫画」だと私は感じたし、雨宮まみさんも良いレビューを書くことができているのだと思う。
ただし、難点もある。Every Breath You Takeの圧倒的な両義性に比べると、モテキの両義性ははっきり言って分かりにくい。Every Breath You Takeは、曲が始まった瞬間に別世界までもってかれる感じがあるが、モテキは、流して読んでしまうと、ただの、軟弱男のモテ話(自暴自棄時々キス)に見えてしまう。雨宮まみさんのレビューに価値があるのは、そこを女性視点で説明しきっているからだろう。
モテキって、けしからん漫画なのか。。 Appbank
高校生はみんなけしからんよ!
この漫画の amazon レビュー
モテキ (1) (イブニングKC)