アラスカのオーロラ観測所に設置したカメラの画像・映像をインターネット経由で配信するサイト「Live！オーロラ」（オーロラ中継 Live!オーロラ）は、筆者が好きなサイトのひとつ。そのサイトをiPhoneで楽しめる専用アプリLive!オーロラ for iPhoneが登場したというので、さっそく試してみた。
ここで唐突だが、HatManのまめ知識コーナー：オーロラは極地近くで見られる発光現象だが、南半球側では地勢の関係上、南極以外で観測できることはまれ。主な観測可能地域はカナダやアラスカ、北欧など北緯の高い地域なので、英語では“Aurora”（または“Aurora Borealis”）よりも“Northern lights”と呼ぶ方が通りがよい。
起動すると、専用サイトに案内される。アクセス当初は英語表示だが、画面右上の言語設定を切り替えれば日本語表示になる。これはどうやら専用サイト上のコンテンツをそのまま表示しているだけのようだが、できればシステムの言語設定を反映してほしいところだ。
定点観測用に設置されている魚眼カメラの静止画像、およびビデオカメラの動画が閲覧できる。静止画像のサンプルはこんな感じ。
動画のサンプルはこんな感じだ。何とも幻想的な光景だ。動画は2時間単位で24時間分遡って見ることもできる。
…しかし、無料で閲覧できるのは、実はここまで（！）。リアルタイム中継を見るには、アプリ内からライブ視聴ライセンスを購入する必要がある。90日間のライセンスが1,600円、120日間が2,500円、360日間が7,000円とのこと。
価格設定はともかく、この仕様には疑問を禁じ得ない。プロジェクト運営のために資金集めが必要なのは理解できるが、ライセンス購入を判断する材料（サンプル）が少なすぎる。せめて数日〜1週間程度のサンプル視聴機会を提供してほしいところだ。
また、オーロラは自然現象であるだけに、観測の可否は天候や季節などによっても左右されるし、いつもサンプルのような素晴らしい出現の仕方をするとは限らない。例えば本稿執筆時の静止画像はこんな感じであった。確かに見えてはいるものの、有料コンテンツとしては物足りなさを感じるのも事実ではある。せっかくライセンスを購入しても、数日間このような状態が続けばがっかりしてしまうだろう。そうした点に関しても、ユーザに対する一層の配慮が必要ではないだろうか。
筆者にはこのプロジェクトそのものを否定する意図は毛頭ない。しかし、単なるPRと集金の手段としてiPhoneアプリを利用しているようにも思えてしまう。夢も意義もあるコンテンツには違いないのだから、今後アプリの仕様や集金方法などが改善されるよう期待したいところだ。
- 販売会社リンク:Live!Aurora for iPhone
- 参考価格：無料
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