ちょっとその前に、普段はそれほど文学作品を読んでいなかった高橋氏、豊平文庫のおかげでずいぶんと読むようになったそうです。最近読んでいる作品は 半七捕物帳とのこと。
豊平文庫は完成しない。
現在の豊平文庫、青空文庫でよく読まれている作品ランキングの表示に対応、毎月更新、500位分全ての作品がちゃんと表示されるか数ページ、毎回確認しているそうです。
そして、前回のバージョンから挿絵表示に対応し始めました。表示の美しさと使いやすさを追求する快技庵スタイルは、作品の全挿絵ての表示チェックを徹底しています。
また、横長の挿絵はiPhoneの回転に対応し、文字と一緒に広く表示できるようにもしています。
他にも、小栗虫太郎 黒死館殺人事件などの作品では、本に表示されている特殊な文字、記号を挿絵として文中表示しています。当然、一つづつ、手作業による対応です。これが豊平文庫クォリティです。
この濃密度で、現在67作品に対応済。これからも1作品ずつ、全作品の挿絵対応を予定しています。裏話、豊平文庫では挿絵に完全対応できていない作品は挿絵を表示しないようにしています。ソフトだけにまかせて挿絵を表示すると段落が飛び、表示の崩れや、読んできた流れを止めることになるからだそうです。
青空文庫のアプリとはこんなに大変なものなのでしょうか?他のアプリはより機能追加を売りにしているように感じていたので、こういった対応は地味すぎて目立たないのでは?(アプリを買って作品読むまで分からないから)と質問しました。
高橋氏「自分の理想とする青空文庫アプリは、よく見る機能比較表の項目にない部分を大切にしています。例えば、画面に表示する文字数について、豊平文庫は1行に表示する文字数の調節のみ可能にしています。行数やフォントのポイント調整等の設定項目はありません。iPhoneの画面は狭いので、設定項目の数は最小限のものとし、より多くの方に簡単に、気持ちよく読んでもらいたいのです。先日、海外で人気の読書アプリを見せてもらいましたが、こちらも設定項目の少ないことが印象的でした。」
青空文庫以外のファイルを豊平文庫上で表示する機能についても、「青空文庫以外のデータを指定する部分で操作が煩雑になることを避けるため、豊平文庫は青空文庫専用とするつもりです。」とおっしゃっていました。
青空文庫以外のデータを指定する部分で操作が煩雑になることを避けるため、豊平文庫は青空文庫専用とするつもりです。
iPhoneアプリ開発者として考えていること
Mosaの理事として活動されている高橋氏、同じ開発者の方にメッセージなどありませんか?と尋ねたところ、「インターフェースガイドラインを読むこと」とMacやiPhoneのアプリを使いこんで、アップルのソフトウェアの流れをつかんで欲しいとのこと。そうすれば、マックユーザー、iPhoneユーザーにとっての使い心地が分かってくるし、サポートも楽になるそうです。
また、iPhoneの開発って簡単ですか?と漠然と質問したところ、とっつきやすい面は多いものの、メモリ制限など気にかける必要のある部分もある、特に日本語キーボード入力を行うとアプリケーションが使えるメモリがどんどん減るので大変です。明朝体フォントもメモリをたくさん必要とします。とのこと。
豊平文庫をこれからもよろしく。
青空文庫アプリは競争が激しいので、それぞれのアプリに特徴がでてきています。豊平文庫はこれからも機能改善に努め、個々の作品単位で、より美しく読めるように改善をしていきます。
以上です。
高橋様、貴重なお時間ありがとうございました!