誰でも参入できるのがAppStoreの良いところだが、このところ元気が良いのがパブリッシャーというビジネスを展開する会社たち。
個人開発者や販売力に強くない会社に代わってiPhoneゲームのマーケティングや販売を行うビジネスだと思うのですが、その実態はどのような物なのでしょうか?
「最も個人開発者に近いところでやっている」という評判も聞く、90以上のタイトルをAppStoreにて販売している英国のChillingo社にパブリッシングビジネスについてメールインタビューを行いました。
Chillingo社のゲームのappbankレビュー一覧はこちらから
iPhoneゲームパブリッシングについてChillingo社に聞いてみた
iPhoneゲームのパブリッシングビジネスとはどのようなものですか?
iPhone Gameのパブリッシングビジネスとは伝統的なコンソールゲームと携帯端末のパブリッシングゲームとの相乗効果的なビジネスです。これにアップルが携帯業界に本来備わっている複雑さ、アップルがApp StoreとiPhoneを通じて見事に実現してくれた、販売者と消費者が直接やりとりできるような顧客体験を加えたものです。
Chillingo社はパブリッシャーとしてどのようなことをしているのですか?Chillingo社にパブリッシングを依頼することとはどのようなことなのでしょうか?Chillingo社のバックグラウンドを含めて知りたいです。
Chillingoは2002年に消費者直販形式の携帯コンテンツポータルとして創業しました。clickgamer.com/とclickapps.com/を運営し、しっかりと管理されたコンテンツ管理サービスをも他の会社に提供することで携帯コンテンツのバリューチェーンを作用させてきました。実際、これらのポータルサイトのビジネスは現在もうまく機能しています。携帯コンテンツとはWindows Mobile, Symbian, J2ME, RIM BB, 他多くのプラットフォームのことです。
iPhoneゲームが現れた時、それは私たちの会社にとってはとても自然な発展となるものでした。我々は、すぐさま自分達をiPhoneにおいて最高品質のゲームを提供するパブリッシャーとして仕立て上げました。iDracula や Zen Boundがその代表作でしょう。
パブリッシングのモデルは非常に柔軟です。様々な要素に基づいて、パブリッシングのみの契約、パブリッシングと/開発のジョイント契約、時には開発のみを行う、などの契約を選択してもらうことができます。形式は、ゲームのアイディアによります、他にはどれくらい開発が進行しているのか、または特定のプロジェクトに関する実績などですね。
本当に1世代前のことくらい前に思えるのですが、我々が最初にスマートフォン向けに販売したときの体験が、使える洞察力をはぐくみ、ゲームをうまく販売するためのネットワーク作りに大きく寄与してくれました。我々のビジネスは常に消費者と直接やりとりしてきました。iPhoneも消費者と直接つながるものです。我々の会社の歴史で学んだ多くのことが、ゲーム発売日に大きな成果を出せるようにしてくれています。現在築いているネットワークは伝統的なオフラインメディアだけではなく、オンラインにも広範囲にわたっています。
Chillingoが販売したタイトルで数多く売り上げた代表作を教えてください。
iDracula, Zen Bound, Bike or Die! 2, The Quest, Vector Tanks, Dungeon and Hero。。。。まだいくつかあります。
Chillingo社の販売している90近くのゲームの一覧はこちらから
日本のiPhoneゲーム産業について今のところどのように感じていますか?
日本のゲーム市場はiPhoneに対して素早く市場が開放されていったと思います。もともと、Nintendoなどの日本産ハードの脅威を感じていたものに近い何かがあると思っています。私たちは、日本における現在のiPhoneゲーム市場はまだまだ開拓されていないと確信しています。
これから発表する新タイトルについて教えてください。
今週GDCで10個のゲームタイトルを発表します。公式なアナウンスはそちらをお待ちください。いくつかエキサイティングな物をあげるとすれば、iPhone用に開発中のSEEDというタイトルがあります。(韓国の CH Games社とのコラボレーションタイトル)、このタイトルは日本や韓国の携帯プラットフォーム向けゲームとして既に有名ではないでしょうか。
もう一つは、3Dのバーチャルボクシングゲームをアナウンス予定です。さらに、誰もが知っているレトロゲームのiPhone版の発表を近日中に予定しています。
【インタビューは以上】
参考:2DアクションRPG、SEED のYoutube動画。