入り口としてのアプリ配布って考え方:BigCanvas中島聡対談 前半完結

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生きてるだけで丸儲け


目次

入り口としてのアプリ配布って考え方

BigCanvas中島聡対談のまとめページはこちら
生きてるだけで丸儲け:BigCanvas 中島聡対談まとめ

■AppBank

BigCanvasとしてビジネスをどう広げていくのかみたいな話はありますか?

■中島聡

まだわかんないんですけど、会社としての思いと個人としての思いがあって、会社としてはビジネスとしてまわさないといけない。

ビジネスを考えたときにあまり視点がふらふらしてはいけないからPhotoShareを中心としたビジュアルなコミュニケーションが出来る場を提供して、その上でいろんなツールを提供していきたい、と。ビジネスモデルはシンプルでいいかな。

イメージは入場無料のテーマパーク。

無料のアトラクションもたくさんある。のどが渇いたらジュースを飲んでもらえばいい。
ビジネスモデルはシンプルで、どれだけたくさんの人に入ってもらえるか、楽しんでもらえるか。そこからいかに付加価値を持たせていけるか。

ビジネスモデルは単純だけど、それを実行して会社を黒字化して会社を大きくしてってのはそんなに簡単じゃないと思います。
地道にやっていきましょう、っていう話。

今、一番悩んでいるのは人を雇うかどうか、だよね。
人を増やせばできることはできるけど、黒字化はますます遠ざかるっていう。

■AppBank

ちなみに今のPhotoShareへのユーザーの入り口ってどこなんですか?
インストールするきっかけ。

■中島聡

3週間前まではPhotoShareをなんとか見つけてもらうってのでしたけど、今は無料のOilCanvasとかColorCanvasから人が入ってきています。

ユーザー数のグラフを書いているとすごくわかりやすいんだけど、これまではきれいな線で伸びてるのね。ユーザー数増加の線がまっすぐなんです。

OilCanvasとColorCanvasからPhotoShareを見れるようにした瞬間に「ぐんっ!」と伸びたんです、ユーザー数が。
ただ、コミュニティに残ってくれる保障はないから、実際に残るユーザーがどれぐらいになるかはわかりません。

少なくともPhotoShareサーバーにアクセスするユーザーはものすごい伸びてる。

■AppBank

入り口としてのアプリ配布って考え方もあるんですね。

■中島聡

それを仕掛けるって決めたのは2月ぐらいです。
ColorCanvasも売ろうと思えば売れるけど、まずはそういうものを無料で配布することによってPhotoShareに人を集める。
それを実験してみたかった。

たくさんダウンロードしてもらってPhotoShareに入ってもらうってところまではうまくいった。
コミュニティに残ってくれるかどうかはこれから。

たくさんやったんですよ。
プレスリリース、ブロガーにサンプル提供でレビューを書いてもらうとか、ウォールストリートジャーナルに記事を書いてもらうとか、でもそういうのって全然影響が少ないんです。

最終的に2週間前にやったアプリ配布の施策が一番きいているんですけど、トップランキングに何かのアプリを出すってのが一番よかったですね。

米AppStpreのPhotoカテゴリーの無料1位にColorCanvasが入ったんですよ。
それは大きかったですね。

iPhone・iPod touch ラボ

twitterとの連携っていつからでした?

■中島聡

2月からですね

■iPhone・iPod touch ラボ

あれの影響はどうでした?

■中島聡

トラフィックは着ているけど、ユーザー数が増えたかっていう意味では全然でした。

■iPhone・iPod touch ラボ

twitterからPhotoShare見ると全然別物ですからね。

■AppBank

twitterとは別の文化圏ができてますよね

■中島聡

そうそう、人を増やすって意味ではいいんでしょうけどね。

それもバランスが難しいなと思いました。例えば今度googleの電話機が出たときにそれに対応すると、きっと怒る人も出てくるでしょう。ユーザーを分けてください、とかって。

ユーザーを増やすためにビジネスとしてやっているっていうのと、人と付き合っているってのは別。
あいつはG(google)だ、みたいな暗号とか呼び名がiPhoneユーザー側で出そうだし。

将来は本当に500万人とか多くのユーザーが使ってくれて、そのうちの5%でも有償サービスを利用してくれれば会社として回る、ってところまで行きたいなぁ。

■iPhone・iPod touch ラボ

ソーシャルネットワーキングサービスってどこかのポイントでぐっとブレイクするところがあると思うんですけど、入り口に入ったユーザーが発言を始めるきっかけとかあるといいですよね。

■中島聡

僕も多くのサービスにサインナップするんですよ。20個ぐらいサインナップして、1個残るかどうかです。

どうやったらその1個のサービスになれるか、ですけど、正しい答えはきっとなくって、実際に入った人が何をするかをしっかり見て、その人たちがもっと楽しく使ってもらえるようにしていくってことしかないですよね。

■iPhone・iPod touch ラボ

そのコミュニティ内でリアルな知り合いがアクティブに使っているって言うのは一つの理由になると思います。
田舎とかだとiPhone持っている人が回りにいなかったり、知らない人としかお友達になれないって状況があります。新規ユーザーがコミュニティに定着するまでのハードルはまだまだたくさんあるんじゃないかと思いますが。

■AppBank

APIの公開ってされないんですか?

■中島聡

あ、します。
っていうか実はしたんですよ。ちゃんとアナウンスしてないだけで。

インドにいたので告知はしてないですけど、RSSのフィードを出すようにしたんです。とりあえずユーザーごとの。写真のアップロードは用意してないですけど。

■iPhone・iPod touch ラボ

PhotoShareは写真のSNSのスタンダードになりえるのかな、って思うんですよね。
すでにかなり使えるサービスだからこそ、クライアントを選ばない、どこでも利用できるって言う風にしたほうがいいような気がするんですけど。

■AppBank

twitterの話をするなら、ウェブでtwitterみるよりも、iPhone用のtwitterアプリで見たほうがはるかにいいですよ。
あと、今APIの話をしたのは、写真投稿できるじゃないですか、位置情報も投稿できるので、グルメマップとかみんな作れるように、それを中島さんが作るんじゃなくて、みんなが自由に作れるようにしたほうがいいんじゃないかな、と。

■中島聡

そういう話は来てはいるんですよ。

うーん、やろうかなぁ。ToyCameraとか、そういう実験だったんですよね。

他のアプリからも写真を投稿できるようにすると、なんらか制御する方法がないとやり放題になるじゃないですか。
特定のアプリから偏った写真だけがアップされ続けてPhotoShareが占拠されちゃうとか。

でも、やりようなのかなぁ。やったほうがいいかなぁ。

■AppBank

他のアプリから投稿された写真も、タイトルだけは自由にこちら側で変更できるようになっていればいいと思います。

■中島聡

たしかに。
写真の名前を変更できるようにして、公開して自由にしてもらおうかな。

■iPhone・iPod touch ラボ

一気に違うものになっちゃうかもしれませんよね。

■中島聡

ポリシー決めて、iPhoneのみに公開するとか、いや、限定しなくてもいいと思うし、やろうかなぁ。
API、考えてなかったけど一番楽かも。
今は開発者とNDA結んで、モジュールを送って、って面倒くさいことやってるんだけど。
そうだよなぁ。考えて見ます。

BigCanvas中島聡対談の続きはこちら

実はこのマジメな対談、あまりにも長すぎたので7つの記事に分けてお送りしましたが、もっと面白い「別冊中島聡!その哲学に迫る!」を後編として今週金曜日ぐらいに更新しようと考えています。お楽しみに!

追記:対談の後半を公開しました!続きはこちらから。
僕はすごいラーメンが好きで。でも、おいしいラーメンじゃないとダメです。:別冊中島聡!その哲学! その1

BigCanvas中島聡対談のまとめページはこちら
生きてるだけで丸儲け:BigCanvas 中島聡対談まとめ

中島聡さんのBigCanvas製アプリのいろいろ

ネコ写真が世界中から集まる、共有する。 ⇒ CatClub
イヌ写真が世界中から集まる、共有する。 ⇒ DogClub
写真から色が飛び出るColorCanvasの115円版、かなり使いやすくなりました。 ⇒ ColorCanvas Plus

アプリのレビュー一覧はこちらから。
Big Canvas Inc. PhotoShareを中心に、写真を使ったiPhoneライフをもっと楽しくするアプリを提供しています。

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