前回紹介した鈴木敏夫のpodcast。
今回は「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ – まだまだ上映中!『崖の上のポニョ』ヒットの秘密とは!?」からの抜き出し紹介。
鈴木敏夫 – 「何かやろうと思ったときには期待と不安があると思う。恍惚と不安があるってよく言われる。僕は不安の方を考えないんですよね、得な性分ですよね。いいことが起こるって思ったら、いいことが実際に起こるって思ってるんですよ。あんまり不安はなかった。」
鈴木敏夫さんが『崖の上のポニョ』のヒットを宣伝の観点から振り返ります。
なお、AppBankを見てくれている人は、30%がmacでsafari、25%程度がiPhoneのsafariというものすごい極端なユーザー層なので(なんと3位はfirefoxで20%程度しかない!windowsの各種ブラウザなんて言わずもがな、だ。)、なんとなくpodcastを聞きやすい環境にある人が多いかと思います。ぜひ聞いてみてください。
鈴木敏夫さんの言葉ここから↓↓↓
目次
ポニョ。うれしい一年だった。
- 本当にうれしい一年だった。
夏にパリにいっているときに制作費の回収がわかった。みんなに内緒で宮さん(宮崎駿)と一緒に乾杯した。
僕には不安がない。その理由。
- 何かやろうと思ったときには期待と不安があると思う。恍惚と不安があるってよく言われる。僕は不安の方を考えないんですよね、得な性分ですよね。
いいことが起こるって思ったら、いいことが実際に起こるって思ってるんですよ。あんまり不安はなかった。 - 自分の中になんか確信がある。というか宮さんに対する信頼。面白いものを作ってくれるっていうのは間違いないだろう、と。
だから不安がないんでしょうね。楽なプロデューサーですよね。 - 武蔵がすごい数の人と戦わなくてはいけないって時に武蔵が初めて震える。近くにあった神社で祈ろうとする武蔵。すると遠くに富士山が見えた。神に祈るのをやめる武蔵。
で、武蔵が言う「オレが目をつむれば、この美しい富士は存在しない。この富士が美しいという価値はオレが決めたんだ。」。
で、武蔵は走っていくんですよ。僕はこのシーンが本当に好きなんですよ。
宣伝を変える!?
- あの歌ができたとき、これでやろうと思った。もうひとつ確信を持っていたのは「子供の歌だけど、この歌を本当に喜ぶのは大人だろう」ということ。
宮さんも「あの歌がヒットしなかったらお客さんも半減していたんじゃないかなぁ」と言っていた。お客さんとポニョを結ぶこの歌は大きい。 - 「宣伝を変えろ」と多くの関係者から言われた。もののけ姫のような「生きろ」というような哲学的なキャッチコピーに。今回のキャッチコピーは「生まれてきてよかった。」何も哲学がない。偉い人から「今度は無理だな。これは回収できない。」と言われた。
これは燃えましたね。それで確信に変わるんです。世の中が不況のあおりを受けて深刻になっていくだろう。そしたら、素朴なものに人はひかれるんじゃないか。だから子供を対象にした宣伝でいいんじゃないか。それで確信に変わるんですね。どんなことをしてもヒットさせてやろう、と。 - 奥田さん(日本テレビ)の名セリフがあるんですよ「鈴木さんの言っていることは僕は違うと思うけれど、いつもやると正しいから、今回も正しいと思う。」。
こういう人がいてくれるとすごくうれしいですよね。やっぱり孤軍奮闘は辛いですからね、孤立無援は。 - ちょっとぐらつきますよね。ただ、その時僕は怒るでもなく、大きな声を出すでもなく、笑いながら「今までこうやってやってきて、これが正しいと思っているんだから、最後までこれで行こうよ」って。
宮崎駿の凄さ
- いろんな人に「やっぱりすごいですね」って言われたけれど、やっぱり宮崎駿に対する信頼が大きいと思います。僕もそうだし、世の中の人たちもそう思ってて、それに答えるものが作品の中にあった。だから口コミで広がったんじゃないですかね。
- 宮崎駿って人は面白かったですね。ポニョはハウルの動員の86%だったんですよ。その数字を見て「えっ!」って驚いたんです。
「えっ!鈴木さん、ハウルよりポニョって入ってないんだ。。。やっぱりダメだ!もう一本作らないとダメだ!」って。
俄然やる気になったんですよ。その日以来、次の企画の話を一杯するんですよね。「やっぱり少年の話やろうか」なんて言ってね。
実際のPodcastの視聴はこちらからどうぞ。
⇒ 鈴木敏夫のジブリ汗まみれ – まだまだ上映中!『崖の上のポニョ』ヒットの秘密とは!?