CDより高音質といわれる「ハイレゾ」。近年、オーディオファンのみならずご存じの方も多いのではないでしょうか。
ハイレゾは、CD音源やAAC・MP3といった音源に比べて情報量が多く、より「原音」に近い音質と言われています。ボーカルの息遣いや音の空気感など、音の細部までリアルに再生できるというのが特徴なんです。
イヤホンや音楽プレイヤーも続々とハイレゾ再生に対応した製品が登場し、誰でも気軽にハイレゾが聴けるようになりました。とはいえ、実際に聴いてみるとその違いは非常に繊細なんです。
「これがハイレゾ音源」と言われて聴いたら、「たしかに良い音だな」と感じますが、なにも知らずに聴いたところで「音の違い」はわかるのでしょうか?
ハイレゾ機器売ってる人は「ハイレゾの音」がわかるのか検証
ということで、ハイレゾ音源と非ハイレゾ音源を聴き分けられるのかどうか実際に検証してみました!
ハイレゾ音源の聴き比べという、オーディオメーカーにとっては禁忌とも言える企画に協力していただいたのはハイレゾ機器の製造や販売をしているラディウスの方。
挑戦していただいたのは、営業部の堀田さん。以前、AppBankでもハイレゾについて教えてもらったこともあるんですよ!
ハイレゾ機器を売ってるなら、もちろん「音の違い」わかるはずですよね…?
一方的に試してもつまらないので、筆者と「ハイレゾ聴き比べ対決」を行うことに。
検証した環境は以下にまとめています。普段愛用している機材や音源では「感覚的に違いがわかる」可能性があるので、機材も音源もそれぞれ2パターン用意しました。
ハイレゾ聴き分け試聴環境
- 機材はラディウス製品(HP-NHR31・AL-LCH81K)+iPhone(NePLAYER)と他社製品(AK Jr.・RHA T20)
- 同一曲のハイレゾ音源(FLAC 24bit/96kHz)とAAC音源(16bit/44.1kHz)を用意
- 音源は「ノラ・ジョーンズ:Don’t Know Why」「宇多田ヒカル:道」2種類
- 試聴はイントロから1分間のみ
- 相手が後ろから音楽プレイヤーをランダムに操作する「ブラインドテスト形式」で実施
ハイレゾ音源聴き分け対決スタート!
まずは、他社製品(AK Jr.・RHA T20)を使って、ノラジョーンズの「Don’t Know Why」のハイレゾ音源とAAC音源の聴き比べに挑戦。
筆者から試してみました。
正直、聴いた瞬間非常に焦りました。そもそも良い音が鳴るイヤホンと音楽プレイヤーを使っているので、「音の良し悪し」だけでハイレゾ音源と判断するのは難しい。「音の余韻」に注目したところ、なんと正解でした!
そして、次はラディウスの堀田さんのターン。日々ハイレゾ機器を売っているだけに失敗は許されない…と緊張感が漂ってきます。
堀田:なるほど…。わかるな。これは、最初に流した方…?
はい、正解です!!
もしかして、ハイレゾ音源ってだれでも簡単に音の違いを聴き分けられるのでは?と感じるほど、両者とも一発でハイレゾ音源を当てることができました。
堀田:ノラ・ジョーンズみたいなアコースティック系のシンプルな曲なら結構わかりますね!
なんとこの後、堀田さんは宇多田ヒカルの「道」もキッチリと聴き分けて見事に正解でした。筆者は外れてしまったので、ここは堀田さんが優勢です。
他社製品(AK Jr.・RHA T20)で対決した結果がこちら。
堀田さん
- ノラ・ジョーンズ「Don’t Know Why」:正解
- 宇多田ヒカル「道」:正解
筆者
- ノラ・ジョーンズ「Don’t Know Why」:正解
- 宇多田ヒカル「道」:不正解
外すわけにはいかないですよね?ラディウス製品で聴き分け対決
そして、次はラディウス製品(HP-NHR31・AL-LCH81K)+iPhone(NePLAYER)によるハイレゾ聴き分け対決を行います。
ラディウスの人がラディウス製品を使って聴ける状況。しかも、他社製品で2曲とも正解しているだけに、絶対に外せないというプレッシャーが高まるなかの試聴…。
まずは、先程同様にノラ・ジョーンズの曲から音の違いを聴き分けていただきます。
堀田:これはやっぱりわかりますね!後から流した方がハイレゾです!
正解!
やっぱりハイレゾ機器を売っているだけあってしっかりと違いがわかるようです。ということで、流れに乗って宇多田ヒカルも試聴してみましょう!
堀田:なるほど…。音のクリアさやハイファイさを感じたのは最初に流した方です。なので、最初がハイレゾ!
・
・
・
不正解です!
後から流した方がハイレゾ音源でした!まさかの、自社製品で初の不正解を出してしまった堀田さん。
堀田:HP-NHR31とAL-LCH81Kを組み合わせた時点で圧縮音源でも高音質になっちゃうからなぁ〜…
不正解の言い訳とみせかけて、さりげなくラディウス製品の良さを押し出してくるあたり、営業のプロだ。
続いて同じ条件で筆者も試聴してみました。すると、2曲とも正解できたのです!
ということで、ラディウス製品(HP-NHR31・AL-LCH81K)+iPhone(NePLAYER)で対決した結果がこちら。なんと、前半後半の結果として、引き分けでした!
堀田さん
- ノラ・ジョーンズ「Don’t Know Why」:正解
- 宇多田ヒカル「道」:不正解
筆者
- ノラ・ジョーンズ「Don’t Know Why」:正解
- 宇多田ヒカル「道」:正解
自社製品で間違えてしまった堀田さん。かなり悔しいご様子…。
ここで、「もう一度、やってみますか?」と提案したところ、救世主が登場!
【番外編】「ハイレゾ聴き分け」上司・開発部長がリベンジ!
救世主とは堀田さんの上司であるラディウスの香田さん。
香田:堀田くん、間違えるとかマジありえないよ!私が1発で当ててみせるから。
では、堀田さんが不正解だった宇多田ヒカルでハイレゾ音源を当ててもらいましょう。再生して10秒程、なにかを確信した笑顔に。
香田:いやぁ〜、これはわかるっしょ!だって、明らかに音が良い方あるじゃない!正解は、後から流した方がハイレゾですよ!(ドヤ)
残念。不正解です!
いや、不正解なのにドヤらないでもらっていいですか?
そして、香田さんは突然会議室を飛び出し、誰かを探している模様…。
【番外編2】開発部長まで登場し本気モード
10分後…
香田さんが呼んできたのは、ラディウスの「開発部長」である浅野さん。いわば、ラディウスの「音」を手がけるボスです。
浅野:えー…。当てられるかなあ。「24bit/96kHz」と「16bit/44.1kHz」の違いでしょう?なんの曲でやればいいの?
なにやら不安げなご様子。曲目だけ伝え、さっそくハイレゾ音源を当ててもらうことにしました。
浅野:あー…わかった!イントロの響き方に違いがあるね。冒頭の打ち込みの残響感が違う。これは、後から流した方がハイレゾですね。
正解!!さすが、開発部長。
香田:開発部長!あざっす!!
浅野:ハイレゾってかなり微細な音を表現できるんですけど、その「違い」って少し聴いただけじゃわかりにくいんですよね。
浅野:今回聴いた宇多田ヒカルの「道」のような最新の楽曲達は、レコーディングの段階で高音質に録音されているので、なおさら難しいですね。そんな中でも、「ハイレゾ」であれば間違いなく高音質なので、良い機材とあわせてじっくり聴くという「こだわり」を楽しんで貰えるのが良いのではないかなと思っています。
ハイレゾ・圧縮音源どちらも高音質化するラディウス製品は凄い!
この企画を終えて、驚いたことがあります。それは、普段からハイレゾ音源を聴き慣れているはずのラディウスの方でも自社製品を使った途端に違いがわからなくなるほど、音質が向上するということです。イヤホンやDACアンプの完成度の高さを感じました。
ラディウスは、スマートフォンでのハイレゾ環境にいち早く着目したオーディオメーカー。最後に、今回の企画で使用したイヤホンとDACアンプ、アプリをまとめましたので、気になった方はチェックしてみてくださいね。
ラディウスのみなさん、ハイレゾ聴き分け対決に快く協力していただき、ありがとうございました!
ラディウスハイレゾ対応機器一覧
ハイレゾ音源を聴くなら専用音楽アプリで!
・販売元: radius co., ltd. ・掲載時のDL価格: ¥1,800 ・カテゴリ: ミュージック ・容量: 17.3 MB ・バージョン: 2.1.4 |