使い方・目的ごとに、おすすめのオンラインストレージサービスのご紹介と比較をします
インターネット上にファイルを保存できる「オンラインストレージサービス」と言えば、Dropbox・Google ドライブ・OneDrive の3つが代表例です。
「どれも似たようなもの」という印象をお持ちかもしれませんが、実はそれぞれのサービスには多かれ少なかれ異なる部分があります。
そこで今回は、使い方・目的ごとに最適なサービスをご紹介します。各サービスの容量・機能の比較表も合わせてご覧ください。
ストレージサービスの選び方
容量・機能、有料プランの料金も含めると、ストレージサービスの選び方は5つあると考えられます。
1. 手軽さで選ぶ
手早くスペースが欲しい場合は「Google ドライブ」がお勧めです。Google アカウントを取得すれば、15GB のスペースが利用できます。
ただし、このスペースは Gmail・Google+ と共通です。これらのサービスを使っていくと、Google ドライブで利用できるスペースは少なくなります。
Dropbox や OneDrive も同等の容量を利用できますが、それはアプリやウェブサービスとの連携・利用者の紹介などの作業を行った場合です。
これらの作業を行わない場合、Dropbox の容量は 2GB、OneDrive は 7GB です。
2. 文章の編集機能で選ぶ
Office 書類を扱うことが多い場合は「OneDrive」です。iPad・PC のブラウザから Office Online を通じて、Office 書類を編集できます。
iPhone から編集する場合、Office Mobile が必要になります。iPad 用アプリは、日本では公開されていません。
マイクロソフトがiPhone版Officeアプリを無料化、日本でも入手可能
特にファイル形式に制限がない場合は「Google ドライブ」もお勧めです。公式アプリで Google 独自形式の文書・表計算シートを作成・編集できます。
3. 写真バックアップ機能で選ぶ
写真をバックアップするなら「Dropbox」がお勧めです。iPhone/iPad アプリのほか、Mac・Windows ソフトにもバックアップ機能が備わっています。
さらに Dropbox からは「Carousel」という写真管理アプリもリリースされています。
Carousel by Dropbox: 写真と動画を自動保存。共有もできるDropboxの新アプリ。無料。
OneDrive にも同様の機能はありますが、利用できる端末が iPhone/iPad と Windows 8 に限られています。
4. ファイルの履歴機能で選ぶ
「Dropbox」で有料プランを契約、さらに「Packrat」アドオンを契約すれば、ファイルの履歴を無制限に残せます。
他のストレージサービスでは、ファイル履歴の保存期間は30日間に限定されています。
5. 有料プランで選ぶ
有料プランで最もお得なのは「Google ドライブ」でしょう。1TB 以上のプランを選んだ場合、1GB 当たりの料金はほぼ0.009ドル(約1円)です。
1TB 未満の有料プランに関しても、Dropbox や OneDrive よりも安い料金設定です。
サービス比較表
Dropbox | Google ドライブ | OneDrive | |
---|---|---|---|
無料で使える容量 | 2〜17.75GB (アプリ連携・利用者紹介で容量増加) |
最大15GB (Gmail・Google+ フォトと共有、独自形式のファイルは除外) |
7〜15GB (写真バックアップ機能で+3GB・利用者紹介につき+0.5GB) |
1ファイル当たりの容量制限 | 無制限 (ブラウザからアップロードできるのは10GBまで) |
1TBまで (ブラウザからダウンロードできるのは2GBまで) |
2GBまで |
ファイル形式の制限 | なし | ||
アカウントの保存期間 | 有料プラン契約中で、ログインが12ヶ月ないと削除される可能性あり | なし | ログインが9ヶ月ないと削除される可能性あり |
iPhoneからファイル編集 | 連携アプリが別途必要 | 独自形式のワープロ・表計算ファイルを編集可能(Google ドライブアプリ) | 連携アプリ(Office Mobile)が必要 |
iPadからファイル編集 | SafariからOffice OnlineでOffice書類を編集可能 | ||
PCのブラウザから編集 | 不可 | 独自形式のワープロ・表計算・スライド・フォーム・ドロー書類を編集可能 | Office OnlineでOffice書類を編集可能 |
写真バックアップ機能 | 公式アプリで利用可能 (iPhone・iPad・Mac・Windows) |
Google +で提供 | 公式アプリで利用可能 (iPhone・iPad・Windows 8) |
キーワード検索の対象 | ファイル名 | ファイル名・画像/PDF/独自形式書類内の文章 | ファイル名 |
ファイルの履歴 | 30日間(有料プランで無制限に記録) | 独自形式:ほぼ無制限 それ以外の形式:30日間あるいは100回まで |
30日間?(非公開) |
削除したファイルの復元 | 可能(履歴と同等) | ゴミ箱から復元可能 | |
他ユーザーとの共有 | フォルダで可能 | ファイル・フォルダで可能 | |
リンクの公開 | ファイル・フォルダで可能 | ||
公式アプリ | iPhone・iPad・Mac・Windows | ||
2段階認証 | 利用可能 | ||
暗号化 | 通信にSSLを使用・ファイルはAES-256で暗号化 | 通信にSSLを使用・ファイル暗号化をテスト中? | 通信にSSLを使用・ファイルの暗号化は不明 |
サービス提供企業 | Dropbox | Microsoft |
Dropbox は、ファイル履歴を無制限に記録するアドオン「Packrat」を用意しています。すでに有料プランを契約しているユーザー向けの機能で、利用料は3.99ドル/月です。
有料プランを比較
Dropbox・Google ドライブ・OneDrive は、いずれも無料で使えますが、容量は 20GB に届きません。
もっと広いスペースが必要になる場合、有料プランを契約する必要があります。ここでは、上記3つのサービスの有料プランを比較します。
Dropbox | Google ドライブ | OneDrive | |
---|---|---|---|
毎月の料金 | |||
50GB | 499円 | ||
100GB | 9.99ドル(1,024円) | 1.99ドル(204円) | 799円 |
200GB | 19.99ドル(2,050円) | 1,199円 | |
500GB | 49.99ドル(5,126円) | ||
1TB | 9.99ドル(1,024円) | ||
10TB | 99.99ドル(10,252円) | ||
20TB | 199.99ドル(20,505円) | ||
30TB | 299.99ドル(30,759円) |
括弧の中の金額はおおよそのものです。
Dropbox の場合、個人アカウントで契約できる有料プランは 500GB までです。「ビジネス向け Dropbox」を契約すれば、75ドル/月で必要に応じた容量を利用できます。