AppBank の主任です。
OptoFidelity 社のテストによると、iPhone 5s のタッチパネルはサムスンが販売する Galaxy S3 よりも精度が低いことが分かりました。
以下はロボットによる測定結果です。緑の点は誤差が1ミリ未満、赤の点は誤差が1ミリ以上あることを表しています。
(OptoFidelity 社が公開している資料より)
パネルのエッジ部分の精度が低いと…
英語・ローマ字入力の際に使う QWERTY キーボードをこの結果に重ねると、「Q」「I」「O」「P」キーがちょうど精度の低い部分に当たります。
(OptoFidelity 社が公開している資料より)
このことから同社は、iPhone のキーボード入力では「E」「R」「T」「Y」キーに比べて「Q」「I」「O」「P」キーは反応が悪く、タイプミスに繋がると説明しています。
これに対して Galaxy S3 はエッジ部分も精度が良いので、iPhone に比べてタイプミスは少ないと説明しています。
(OptoFidelity 社が公開している資料より)
この結果に反論も
この OptoFidelity 社が公開した結果に対し、Mac Rumors が反論しています。
iOS はユーザーが iPhone を持った際の位置を補うように設計されているので、iPhone 5s と Galaxy S3 の精度の違いは Apple が意図したものであるというものです。
そして、この違いは iPhone を決まった持ち方で持たないユーザーに、より良い体験を提供するためのものであると主張しています。
これらの主張は少々抽象的なので、これまで Apple が出願・取得している特許から裏付けてみたいと思います。
実際に触れる部分とタッチしたい部分はズレている?
Apple は特許において、実際に画面に触れる部分とユーザーがタッチしたい部分は微妙にズレていると主張しています。
その差を埋めるために例えばキーボードでは、反応エリアを画面の表示通りには設定せず、微妙にエリアを広げる・エリアの形を変えているようです。
(Patent Images – USPTO より)
仮にこの技術が iOS に導入されていれば、ロボットで計測した結果と実際に使った際の印象はだいぶ異なる可能性があります。
iPhoneのキーボードは入力内容によって反応エリアが変わる?
さらに Apple は、これまでの入力内容から次に押されるキーを予測する技術を iOS に導入していると言われています。
以下は、その仕組みを紹介するイラスト。アメリカでは特許として取得済みです。
(Patent Images – USPTO より)
例えば「G」というキーを押した後に、次に続く文字は何かを英単語から予想。可能性が高いキーからタッチに対する反応性を高めます。
nikkei BPnet によると、これらの技術は日本語キーボードにも導入されているようです。
参考(順不同)
- Testing Finds Inaccurate Touch Sensing on iPhone 5s/5c, But Neglects Perspective Compensation – Mac Rumors
- iPhone/iPadに込められた「見えないデザイン」 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉:日経BPオールジャンルまとめ読みサイト
- OptoFidelity TPPT tester proved significant fails in Apple iPhone touch accuracy | OptoFidelity
- United States Patent: 7844914 – USPTO
- United States Patent: 8013839 – USPTO